ちがいをちからに変える街。渋谷区

マイポータル
  1. TOP
  2. 区政情報
  3. しぶや区ニュース
  4. 令和7年(2025年)11月15日号
  5. 現在のページ

どこでも、誰でも。渋谷の街に自由で楽しい運動場を。

令和7年(2025年)11月15日号

PDF

PDFファイルをご覧になる方法は、PDFファイルをご覧になるにはのページを参照してください。

道路や公園などを活用して、運動や遊びを通じた地域交流の場づくりを応援する「渋谷どこでも運動場プロジェクト」の企画・運営を行う皆さんに、活動の内容や魅力を伺いました。

嶋村さん「「どこでも運動場」が渋谷から日本中に広まってくれたらうれしいです。」
一般社団法人TOKYO PLAY 代表理事 嶋村仁志(しまむらひとし)さん
髙橋さん「運動場づくりをサポートします。一緒に楽しみましょう。」
一般社団法人TOKYO PLAY プロジェクトマネージャー 髙橋利道(たかはしとしみち)さん
⼊江さん「子どもも大人も遊びながら体を動かせば自然と仲良くなれますよ。」
一般社団法人渋⾕の遊び場を考える会 代表理事 ⼊江洋⼦(いりえようこ)さん

運動も地域交流も、もっと気軽に

自己紹介をお願いします。

嶋村:一般社団法人TOKYO PLAY(トウキョウ プレイ)(以下「TOKYO PLAY」)代表理事の嶋村仁志です。これまで、「プレーパーク」と呼ばれる冒険遊び場(注)で、子どもたちと一緒に遊び場をつくる「プレイワーカー」として経験を積み、平成22(2010)年にTOKYO PLAYを設立しました。現在は、「渋谷どこでも運動場プロジェクト」(以下「どこでも運動場」)をはじめとする市民活動のサポートや政策提言などを通して、子どもにとっての遊びの重要性を社会に伝える取り組みを行なっています。
髙橋:TOKYO PLAYプロジェクトマネージャーの髙橋利道です。私も「プレイワーカー」として活動した後、平成28(2016)年のTOKYO PLAYの法人化をきっかけに、組織の一員として関わるようになりました。現在は、主に「どこでも運動場」の企画・運営を担当しています。
入江:一般社団法人渋谷の遊び場を考える会(以下「渋あそ」)代表理事の入江洋子です。「渋谷にもプレーパークを!」と願って、平成10(1998)年に仲間と「渋あそ」をつくりました。「せせらぎ冒険遊び場」を開園した後、区と連携して「渋谷はるのおがわプレーパーク」「えびすどろんこ山プレーパーク」を立ち上げ、現在も活動中です。地域に遊び場を広げるきっかけとして、どこでも運動場に協力しています。
(注)「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーにした、禁止事項をできる限りなくすことで、子どもたちが伸び伸びと遊ぶことのできる遊び場

「どこでも運動場」とは、どのような取り組みなのでしょうか?

髙橋:身近な道路や緑道、公園、ビルの公開空地などを活用し、地域の人が体を動かしながらつながる機会づくりを応援する取り組みです。実施主体となるのは区内在住・在勤・在学の皆さんで、TOKYO PLAYは、それを支援する立場として関わっています。また、区内で長く活動をしていて、区民や区内の活動者とのつながりを持つ「渋あそ」にも協力をいただき、運営しています。
嶋村:TOKYO PLAYでは、平成28(2016)年から「とうきょうご近所みちあそびプロジェクト」を展開してきました。これは、交通量の少ない住宅街の道路を一時的に歩行者天国にして、子どもたちの遊び場や地域の多世代交流の場をつくる取り組みで、イギリスで広がっている「プレイストリート」がモデルになっています。この取り組みが、渋谷区が目指す方向性と合致することから、平成30(2018)年から区の事業として「どこでも運動場」がスタートしました。
髙橋:渋谷区は、「思わず⾝体を動かしたくなる街へ。」という健康・スポーツ分野のビジョンを掲げ、渋⾕区⾃⾝を「15平方キロメートルの運動場」と捉えて、運動が暮らしに溶け込むようなまちづくりを目指しています。「どこでも運動場」はその実現につながるものと考えています。
嶋村:運動する場所というと、体育館や競技場といった施設を思い浮かべがちですが、スペースさえあれば、どこでも体を動かすことはできるんですよね。特に道路は、自治体が保有する公共空間の中でも最大の面積を占めていますし、そこで遊ぶことは「思わず身体を動かしたくなる」ことにつながると思います。また、住宅街の道路は子育てや地域交流にとっても重要な場所です。適切な手続きを踏むことで、道路をみんなのものとして活用することができます。昔のように、大人がご近所さんとおしゃべりをしている横で子どもたちが遊んでいる、そんな光景があちこちで見られるようになれば、より暮らしやすい街になっていくのではないでしょうか。

参加者の年齢層や交流の様子について教えてください。

入江:赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年代の人が参加しています。輪投げや縄跳び、そしてけん玉やこまなどの昔ながらの遊び道具も用意していて、誰もが自由に体を動かして遊べるようになっています。初めは、親や知り合いとだけ遊んでいた子どもが、いつの間にか初めて会った人とも遊び始めたり、おじいちゃん、おばあちゃん世代の人が、子どもたちに誘われて大縄を回したりしているうちに、緩いつながりができて、道で出会ったときもあいさつをする関係が生まれているようです。

偶然性と遊びを大切に、みんなが楽しめる運動場を

活動する中で印象に残っている出来事はありますか?

髙橋:以前、「どこでも運動場」を始めたお母さんたちが、「これまでは、いろいろなサービスを受ける側の『消費者ママ』だったけれど、自分たちで遊びの場をつくったことで『当事者ママ』に変わった」とおっしゃっていたことが、とても印象的でした。街というのは、自分たちの手でいくらでも面白くできるし、やり方さえ分かれば、いろいろなことが実現できるんですよね。このプロジェクトを通じて、当事者になることの楽しさを、もっとたくさんの人に知ってもらえたらと思っています。
入江:高齢者施設の庭先で「どこでも運動場」を実施した時、普段はあまり外に出ない車いすの入所者のお一人が、子どもたちの遊ぶ姿を見て、一緒に羽根突きを始めたことがありました。その姿が本当に楽しそうで、「思わず身体を動かしたくなる」というのは、こういうことなんだと実感して、とてもうれしかったですね。

「どこでも運動場」の実施方法や参加方法について教えてください。

髙橋:「どこでも運動場」を実施したい人は、公式ホームページまたはSNSのダイレクトメッセージからご連絡ください。皆さんのアイデアを伺いながら、場所の選定から申請手続き、安全管理まで、一通りを伴走しながらサポートしますので、まずは気軽に声を掛けていただければと思います。
嶋村:遊び道具の貸し出しも行なっています。身近な道具で綱引きをしたり、ビニールプールやトレーニンググッズを持ち込んだり、アイデア次第でさまざまな楽しみ方ができます。多世代で一緒に遊べる「ボッチャ」も人気です。
髙橋:「どこでも運動場」では、地域の身近な人と出会えることを大切にしているため、実施される皆さんには、「誰もが通行できる場所で開催すること」「申し込みを不要にすること」「参加無料にすること」「出入り自由の場づくりをすること」をお願いしています。「競技」ではなく、自由に楽しめる「遊び」の場として考えていただくことで、誰でも参加しやすく、「思わず身体を動かしたくなる」場になると思っています。開催日時や場所、過去の実施例などは、公式ホームページ・SNSに掲載していますので、ぜひ、チェックしてみてください。参加したい場合は、好きなタイミングで、気になる会場へお越しいただければ大丈夫です。町会の掲示板にチラシを掲示することもあります。

自由なアイデアで、楽しく続けてほしい

将来の展望や目標を教えてください。

嶋村:「どこでも運動場」をきっかけに、自分たちの街を自分たちの手で面白くしていこうという人が、もっと増えてほしいと思っています。渋谷から日本中にこの取り組みが広まってくれたらうれしいですね。
髙橋:初めて開催するのはハードルが高いと思われがちですが、月に1回、あるいは年に1回、2、3時間程度の実施でも構いません。無理のない範囲で、楽しく続けていくことが何より大切です。「どこでも運動場」は今年で8年目を迎えますが、最近になって「やってみたい」というご相談が増えてきました。これからも、息の長いプロジェクトとして育てていきたいと思っています。
入江:渋谷区には遊び盛りの子どもたちはもちろん、社会とのつながりを求めている一人暮らしの高齢者もたくさんいらっしゃいます。世代を超えたつながりが生まれ、人も街も元気になっていく、そんなプロジェクトにしていきたいですね。

区民の皆さんにメッセージをお願いします。

嶋村:まずは一度、「どこでも運動場」を開催してみませんか?子どもテーブルを実施している団体や、町会の皆さんだけでなく、有志のグループも大歓迎です。ぜひ、気軽に参加してみてください。
髙橋:「この場所を使ったら面白そう」「この人とこんなことをしたら楽しそう」といった、ふと頭に浮かんだアイデアを形にできることも、「どこでも運動場」の魅力の一つです。一緒に楽しみながら、取り組んでいきましょう!
入江:地域で「やってみたい」と思うことを実現できる場にしていきたいと思っています。興味のある人は、ぜひ、一度遊びにきてください。お待ちしています!

「渋谷のラジオ」で放送中!

嶋村さん、髙橋さん、入江さんへのインタビューは11月18日・25日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ87.6MHz(外部サイト)

渋谷どこでも運動場プロジェクト

知りたい・参加したい

過去の実施の様子や、今後の実施予定は、公式SNSを確認してください。

実施したい

公式ホームページの「お問い合わせ」または公式SNSのダイレクトメッセージでご連絡ください。
公式ホームページには、「どこでも運動場」を実施した区民グループへのインタビューなども掲載しています。詳しくは、「レポート」ページを確認してください。
渋谷どこでも運動場プロジェクト公式ホームページ(外部サイト)
Facebook(外部サイト)
Instagram(外部サイト)

問い合わせ

学びとスポーツ課スポーツコーディネート主査 電話:03-3463-3296 FAX:03-3463-3822

親子が集まって綱引きをしている様子
大人と子どもがけんけんぱで遊んでいる様子