
子どもに関する困り事があれば、いつでもご相談を。
令和6年(2024年)7月15日号
地域のネットワークを生かして子育ての環境づくりに励み、子どもたちを見守る「主任児童委員」の皆さんに、普段の活動ややりがいを感じた出来事について伺いました。



主任児童委員
児童福祉法により、児童委員は全ての区市町村に配属され、民生委員が兼務しています。児童委員・主任児童委員は、「地域の身近な相談相手」として、区役所や児童の関係機関と協力しながら、妊産婦・乳幼児の生活や、子どもたちの健やかな成長を見守るとともに、支援を必要としている人と行政や専門機関をつなぐ役割があります。また、区内に13人いる主任児童委員は、特に児童福祉に関する事項を専門に担当し、児童の関係機関と連携を取りながら各地区の児童委員と一体となって活動しています。
地域担当の委員が分からない時は、地域福祉課地域福祉推進係へ問い合わせてください。
(注)内容によっては、担当の委員へおつなぎできない場合があります。

問い合わせ
地域福祉課地域福祉推進係 電話:03-3463-1846 FAX:03-5458-4936
子どもに関する悩み事を抱えている人たちをサポートする
皆さんの自己紹介をお願いします。
吉田:本町地区の主任児童委員と主任児童委員部会の部会長を務めています。以前から青少年団体やPTAの活動に携わっていたこともあり、町会から依頼を受けて主任児童委員になりました。
糠信:笹塚地区の主任児童委員と主任児童委員部会の副部会長を務めています。私もPTAの活動をしていたことがきっかけで前任者から声を掛けていただき、主任児童委員になりました。
小林:千駄ヶ谷地区の主任児童委員を務めています。当初は何も分からず大変でしたが、困った時は前任者から励ましをいただき、今もサポートをしてもらいながら活動しています。
主任児童委員とは、どのような役割を担っているのでしょうか。
吉田:児童委員には、地域の子どもや保護者の皆さんが生活する上でのさまざまな相談に応じ、支援を必要としている人と行政機関などをつなぐ役割があります。主任児童委員は児童福祉に関する活動を中心に、関係機関と連携を取りながら、各地区の児童委員と一体となって活動しています。
子どもたちの居場所づくりにも積極的に取り組む
普段の活動内容について教えてください。
小林:私たち主任児童委員は、区の青少年対策地区委員会や小中学校の学校運営協議会、保育園の第三者委員会などに出席して、関係機関との情報共有を行なっています。そのほかにも、私の地区では原宿外苑中学校で月に一度「原外カフェ」を開催しています。「原外(はらがい)カフェ」とは、学校の授業が終わってから自宅に帰るまでの時間、飲み物やちょっとしたお菓子を準備して、生徒の皆さんが集まる居場所です。新しい友達ができたり、ほかのクラスの生徒や先輩たちと交流ができたりして、皆さん楽しそうに参加しています。料金は無料で、毎月80人くらいの生徒が参加していますが、今年4月には過去最高の137人の生徒が集まりました。
糠信:私の地区も活動の一つとして、笹塚観音通りの観音会館で子どもテーブル(渋谷区版子ども食堂(注))の「ささはたさん家(ち)」を開催しています。毎月第一土曜日の17時から20時まで開いていて、毎月90人くらい集まりますね。当初は小さなお子さんを連れたご家族が多かったのですが、最近では中学生や高校生、大学生も来てくれます。メニューはカレーライスや牛丼、ロコモコなどを提供していて、特にロコモコは大人気です。参加費は、18歳以下は無料、19歳以上は300円です。地域の人たちから食材などの寄付をいただくことも多く、支えてくださる皆さんには本当に感謝しています。
吉田:私の地区では、高齢者と保育園や幼稚園の園児たちが交流するサロンを開催しています。一緒に歌を歌ったり、手遊びをしたり、園児たちが高齢者の皆さんに肩もみをしたりして過ごします。終わる時間になると、高齢者の皆さんも園児たちも名残惜しそうに、「楽しかったね。また来るね」などとお互いに声を掛け合っていて、短い時間ですが毎回とても楽しんでくれているようです。
(注)子どもやその保護者、地域住民に向けて、無料あるいは安価で食事を提供する社会活動。子どもと大人のつながりや、地域コミュニティーの形成に有効な手段として、日本各地で設置数が増加している。
子どもや保護者の皆さんからは、どのような悩みや相談が多く寄せられるのでしょうか。
吉田:守秘義務があり、具体的な内容はお話しできませんが、たとえば、「幼稚園や保育園の先生の対応に少し不安を感じてしまった」「子どもへの接し方に悩んでいる」などが多いですね。ただ、私たちは専門家ではないため、具体的な解決策を提示することはできません。「そのようなお悩みなら、このようなサービスがありますよ」とアドバイスをして、必要であれば適切な行政機関などへつなぐようにしています。
活動の際、どのような組織や団体と協力していますか。
吉田:区役所のほか、児童相談所や子ども家庭支援センター、学校などさまざまです。各地区の児童委員と常に情報を共有して、相談を受けた時は、主任児童委員と担当の児童委員で対応します。
小林:スムーズな連携のために、関係機関で実施されている会議などには積極的に参加しています。また、保育園や幼稚園、学校での夏祭りや運動会などの行事が開催される時にはお手伝いに行き、子どもたちや保護者の皆さんに私たちの顔を覚えていただけるようにしています。
活動してきた中で、やりがいを感じた出来事はありますか。
小林:相談してくださった人から「話を聞いてもらって助かりました」「相談に乗ってくれてありがとう」と言われた時は、とてもうれしかったです。相談後に安心してくださっている様子が少しでも感じられると、やりがいを感じます。
糠信:子どもテーブルで食事を振る舞った時、子どもたちが「おいしかったです。また来ます!」などと気持ちを伝えてくれるととてもうれしくて、スタッフ全員で気を引き締めてこれからも頑張ろうとモチベーションが上がります。
主任児童委員の存在を多くの人に知ってほしい
活動の中で課題に感じていることはありますか。
糠信:私たち主任児童委員をはじめ、民生委員・児童委員の存在も、地域の皆さんにはまだ広く知られていないことが課題です。悩み事や困り事を抱えている人がいつでも相談できるように、私たちの役割や取り組みを皆さんに知っていただくための工夫も、これからは考えていきたいです。
吉田:誰もが気軽に相談できるような存在であるということを、こちらからも皆さんにアピールしなければなりません。子どもや保護者の皆さんなどが孤立しないように、私たちの役割を伝えていきたいですね。
子どもたちが健やかに育つ街であるために、必要なことは何だと思いますか。
吉田:地域でのコミュニケーションやつながりを絶やさないことです。家族や学校の先生だけではなく、地域の大人たちとも関わることで、子どもたちは健やかに育っていくと思います。私たち主任児童委員も地域住民の一人として認識していただけるように、活動を続けていきたいです。
最後に、区民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
糠信:「地域の身近な相談相手」として、どんなに些細(ささい)な困り事でもお話を伺います。いつでも私たちを頼ってください。
小林:ぜひ、お住まいの地域の民生委員・児童委員、そして主任児童委員をお尋ねください。地域の行事が開催される時にはお手伝いとして参加しています。何か困り事がありましたら、お気軽にお声掛けくださいね。
吉田:皆さんが何か困った時には、近所の優しいおじちゃんやおばちゃんのような距離感でサポートしていきたいと考えています。守秘義務がありますので、相談内容の秘密は必ず守ります。同じ地域に暮らす住民として、皆さんのお役に立てればと思います。
「渋谷のラジオ」で放送中!
吉田さん、糠信さん、小林さんへのインタビューは7月16日・23日・30日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ 87.6MHz(外部サイト)


問い合わせ
広報コミュニケーション課広報係 電話:03-3463-1287 FAX:03-5458-4920