
性の在り方にかかわらず、誰もが尊重し合える社会へ。
令和6年(2024年)6月15日号
今年の「東京レインボープライド」で、渋谷区と協働でブースを出展した学生スタッフの皆さんに、イベントで得た気付きや大学での取り組みについて伺いました。




若い世代の参加者が増えてきた「東京レインボープライド(注1)」
皆さんの自己紹介をお願いします。
高橋:大学ではジェンダーや公共政策について勉強しています。高校生の時に日本社会におけるマイノリティーの立場について学んだことがきっかけで、LGBTQ(注2)のコミュニティーに興味を持ち始めました。
A:ジェンダーや国際移動を専門とした総合政策学を大学では勉強しています。令和4(2022)年には「トランスジェンダー学生迎え入れに関する学生団体」を設立しました。
市川:大学では初等教育学を勉強しています。幼い頃からジェンダーについて興味があり、中学生の時にSDGs(注3)の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」について学んだことがきっかけで、ジェンダーや多様性をテーマにした、いろいろなイベントに参加しています。
佐藤:大学でジェンダーをテーマにしたイベントに足を運んだ時に、職員からイベントに誘っていただいたことがきっかけで「東京レインボープライド」に参加しました。当日は新しい発見がたくさんあって、とても刺激的なイベントでした。
(注1)性的マイノリティーに関する日本最大規模のイベント。今年は4月19日から21日までの3日間、代々木公園で開催された。
(注2)レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれた時に法律的、社会的に割り当てられた性別とは異なる性別を生きる人)、クエスチョニングやクィア(自らの性の在り方を定めていない人、規範的な性の在り方に属さない人)の頭文字を取った言葉。
(注3)平成27(2015)年の国連サミットにて、加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の頭文字を取った言葉。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すために、17のゴールが掲げられている。
「東京レインボープライド」とは、どのようなイベントなのでしょうか。
A:LGBTQをはじめとする性的マイノリティーの存在を社会に広めることを目的とした、「“性”と“生”の多様性」を祝福するイベントです。当事者の皆さんが差別や偏見にさらされることなく、前向きに生きていける社会を実現するために、さまざまな企業や団体がブースを出展したり、ステージでパフォーマンスを行なったりします。今年は昨年よりも参加者が大幅に増え、若い世代を中心に多様性への関心が高まっているように感じました。
ブースの出展を通して生まれた出会いや気付き
渋谷区と連携し、協働で出展したブースでは、どのようなことに取り組みましたか。
A:大学でこれからどのような取り組みが必要なのかを知るために「LGBTQフレンドリーなキャンパスづくりを目指して」をテーマにしたボードを設置して、具体的な行動につなげるためのアイデアや意見を来場者の皆さんに書いていただきました。また、各大学の取り組みをLGBTQの当事者やアライ(注4)の皆さんへ周知するために、広報やイベントの告知も行いました。
(注4)仲間、味方という意味で、「LGBTQも生きづらくない社会」を願う人のこと。
ブースの出展を通して、どのような出会いや交流がありましたか。
市川:皆さんにバッジを配っている時、ほかのブースを出展していた人がLGBTQの象徴である虹色のブレスレットをくださったんです。まるで、自分が仲間として認めてもらえたような気持ちになり、イベントに参加して良かったと思いました。
高橋:お子さんを連れたご家族がたくさんいらっしゃったことが印象的でした。子どもたちが楽しそうに参加している様子を見ると、性的マイノリティーの当事者に対する差別や偏見などがなくなっていく未来を想像することができて、とても勇気付けられました。
今回のように区と大学が連携することについて、どのように感じていますか。
A:社会の課題に向き合う大学生は前向きな人が多く、解決のためにやりたいことがたくさんあると思います。しかし、経済的な問題や立場の問題によって、活動が限られてしまっているのが実情です。今回のように、大学生の活動を区がサポートしてくださったことはとても心強かったです。今後もさまざまな形で連携していけたらうれしいです。
誰も傷つけられず、取り残されない社会を目指すために
性の多様性が実現した大学を目指すために、ご自身が通っている大学で取り組んでいることはありますか。
佐藤:私の大学では、ジェンダーをテーマにしたイベントを開催しているほか、ジェンダーや性的マイノリティーについて話をするコミュニティースペースがあります。私自身も参加者の皆さんとの対話を通じて、少しずつ理解が深まっていると実感しています。
A:津田塾大学では、平成29(2017)年からトランスジェンダーの学生への受験資格について検討されていましたが、「受験資格を認めるだけでは、大学での性の多様性を実現することはできないのではないか」と私は考えました。そこで、入学以降のキャンパスライフをサポートする役割として「トランスジェンダー学生迎え入れに関する学生団体」を設立しました。令和7(2025)年度からトランスジェンダーの学生への受験資格が認められたため、現在は新入生の皆さんが多様性について学ぶためのイベントを準備しています。
6月に皆さんの大学でも開催される「にじいろ読書カフェ」は、どのようなイベントなのでしょうか。
A:「にじいろ読書カフェ」は、LGBTQの当事者やアライの学生を対象に、ジェンダーやセクシュアリティーをテーマにした書籍の感想を共有するイベントです。参加者同士で気軽におしゃべりすることができる場づくりを心掛けています。年に一度の開催で、今年は6月下旬に青山学院大学、津田塾大学、実践女子大学、聖心女子大学で開催します。他大学の学生も参加できますので、興味がある学生の皆さんは、ぜひ、いらしてください!
地域や社会で性の多様性を実現するために、どのようなことができると思いますか。
佐藤:性的マイノリティーに関するイベントを開催することは、性の多様性についてたくさんの人に知ってもらい、理解を深めてもらうための貴重な機会になると思います。「東京レインボープライド」のように、いろいろな立場の人たちと交流できるイベントは出会いや発見が多く、その経験は継続的な参加にもつながります。実現のためには、少しずつでも活動を続けていくことが大切だと感じています。
最後に、区民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
市川:同性愛を描いたドラマや世界の性教育など、自分の興味に合ったきっかけを通じて、性の多様性を知ってもらえたらうれしいです。
佐藤:「東京レインボープライド」は、無料で誰でも参加できるイベントです。ここでは多くの気付きを得ることができると思いますので、少しでも興味があれば、来年はぜひ、参加してみてください。
A:私は韓国からの留学生として、「東京レインボープライド」のようなイベントにたくさんの参加者や来場者が集まっている様子を見ると、本当にうらやましく思います。国際的にはLGBTQの当事者の存在が不法である国もありますし、イベントを開催することが困難な場合もあります。そのような現実とも向き合いながら、多様性社会を実現するための活動を続けていきたいです。
高橋:「東京レインボープライド」に参加して、LGBTQのコミュニティーが今後どのように進んでいくべきかを考えなければならないと思いました。当事者の皆さんがそれぞれの性的指向や性自認によって傷つくことがないように、社会の仕組みや制度をどんどん変えていかなければなりません。性的マイノリティーの人たちに常に寄り添っていけるような社会を実現できるように、これからも頑張ります。
「渋谷のラジオ」で放送中!
学生スタッフの皆さんへのインタビューは6月18日・25日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ 87.6MHz(外部サイト)
にじいろ読書カフェ
「にじいろ読書カフェ」は、LGBTQの当事者やアライの学生を対象に、ジェンダーやセクシュアリティーをテーマにした書籍の感想を参加者同士で気軽に共有するためのイベントです。
日時 | 場所 |
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6月22日(土曜日)10時から12時 | 青山学院大学(青山キャンパス)短大研究棟1階 ジェンダー研究センター内 会議室 |
6月22日(土曜日)14時から16時 | 津田塾大学(千駄ヶ谷キャンパス)アリス館3階 SA313教室 |
6月29日(土曜日)10時から12時 | 実践女子大学(渋谷キャンパス)501教室 |
6月29日(土曜日)14時から16時 | 聖心女子大学(渋谷キャンパス)聖心グローバルプラザ4号館1階 BE*hive |
他大学の学生も参加できます。ぜひ、奮ってご参加ください。
定員
各回20人(定員に達し次第、受付終了)
費用
無料(要事前申込・当日参加不可)
持ち物
学生証、イベントで取り上げる書籍(申込フォームから確認可。申込後、受け取り方法についてご案内いたします)
問い合わせ
渋谷インクルーシブシティセンター<アイリス> 電話:03-3464-3395 FAX:03-3464-3398
渋谷区アイリスにじいろ読者カフェ申し込み(外部サイト)