
普段も非常時も、渋谷の生の声と音を届けたい。
令和6年(2024年)6月1日号
普段も非常時も、渋谷の生の声と音を届けたい。
開局8周年を迎えたコミュニティーFM「渋谷のラジオ」。日々の運営を支えるボランティア活動の楽しさや今後の展望について、スタッフの皆さんにお話を伺いました。



それぞれの経験や趣味を生かして番組作りに参加
皆さんの自己紹介と、ラジオとの出会いを教えてください。
大國:渋谷区在住で、普段はキャリアカウンセリングの仕事をしながら、渋谷のラジオのボランティアディレクター、番組パーソナリティーとして活動しています。ラジオに興味を持ったのは中学生のころでした。親がラジオの英会話番組を勧めてくれたことがきっかけです。肝心な勉強はそっちのけでしたが(笑)、ラジオを聴くことが生活の一部になりました。
吉田:普段は美容雑貨の卸業、音楽イベントの企画やコンテンツ制作、タレント活動などを行いながら、ボランティアディレクターを務めています。私は小学校高学年のころから音楽に興味を持ち、ラジオで海外の音楽をよく聴いていました。
島田:渋谷のラジオのボランティアスタッフを経て、現在は制作統括と番組パーソナリティーを務めています。私は小さいころから、家や車の中でラジオを聴きながら育ち、高校生になると友達の影響で音楽番組やトーク番組を聴くようになって、ラジオに夢中になりました。
渋谷のラジオのボランティアスタッフに応募したきっかけを教えてください。
島田:私はずっとラジオの仕事をしたいと思っていましたが、きっかけがなく、会社員として働いていました。インターネットでボランティアスタッフの募集を見つけた時は名古屋に住んでいたのですが、「週末ならできるかもしれない!」と思い、スタッフ募集の説明会に参加しました。
大國:しぶや区ニュースで、開局と募集の告知を見たのがきっかけです。「大好きなラジオで、興味のあったボランティア活動ができるなんて、とてもいい!」と飛びつきました。ラジオ番組の制作は未経験でしたが、話だけでも聞いてみようと思い、説明会に参加しました。
吉田:私はもともと、ほかの地域のコミュニティーFMで番組制作に携わっていたのですが、音響技術を学びたい、新しい番組作りに参加してみたいという気持ちがあり、応募しました。
ボランティアスタッフの活動について教えてください。
島田:私がボランティアディレクターをしていた時は、機材の操作から出演者の対応、番組アーカイブの投稿作業、書類作成のお手伝いまで、できること、楽しそうなことは何でも担当していました。
大國:私は経験もスキルもなかったので、最初は番組の書き起こしや収録のお手伝いをしていました。ディレクターになってからは録音機材を持って出かける機会も多く、過去にはサウナで収録したこともありました。現在は、自分の趣味でもある合唱をテーマにした番組「渋谷で合唱やろうぜ!」などを担当したり、年に2回スタジオを大掃除する「キラキラ部」の部長としても活動したりしています。
吉田:開局直後からボランティアディレクターとして、水曜日の夕方の番組を担当しています。「美容冒険家」として全国を旅した経験を生かして、過去には日帰り旅行をテーマにした特別番組を企画したこともありました。
意見を交わし、「みんな」が主語になる番組作りを
活動の中で楽しさや面白さを感じるのはどんな時ですか?
島田:渋谷のラジオは、「渋谷の みんなが つながる ラジオ」「聴くラジオから、出るラジオへ。」というスローガンを掲げているのですが、制作に携わるようになってから、街の皆さんと気軽につながり、運営されていることに驚きました。地元の小学生から高齢者の皆さん、テレビなどで活躍するアーティストまで、いろいろな人のお話が交差して、新しいプロジェクトがどんどん生まれていく。その過程を間近で見られることがとても楽しいです。機材の操作はゼロから覚えたので、難しい部分もありましたが、やっていくうちに少しずつ分かってきて、面白さを感じられるようになりました。
大國:スタッフの年齢層も学生からシニアまで幅広く、世代を超えたつながりができるのが面白いですね。好きなこと、やりたいことを誰でも提案できる番組作りがすてきだなと思います。
島田:年齢や経験にかかわらず、互いの意見を聞き、「みんな」が主語になる番組作りを目指すというスタンスも、渋谷のラジオならではかもしれませんね。
吉田:いろいろな知識や経験を持っている人や、好奇心が強い人たちが集まっているので、みんなで一つのテーマを深掘りできることがとても楽しいですね。番組も、カルチャーからエンタメ、地域課題の解決まで、自分にはない視点の話を聴くことができて非常に刺激的です。生放送は毎回ドキドキしますが、それもラジオの醍醐味(だいごみ)かなと思います。
災害時は情報発信の拠点に。ぜひ、声を寄せてほしい
コミュニティーFMとしての役割や、渋谷のラジオならではの魅力を教えてください。
島田:コミュニティーFMの役割の一つは、災害時に地域の情報発信の拠点になるということです。エリアごとの状況や避難所の開設などの詳細な情報がラジオ局に集約され、リアルタイムで発信されます。渋谷区にお住まいの人はぜひ、非常時の備えとしてご活用いただきたいですし、皆さんからもさまざまな情報や声を寄せていただきたいですね。
大國:先ほど「聴くラジオから、出るラジオへ。」という話がありましたが、番組の取材をしていると「渋谷のラジオに出たことがある」「知り合いが出演した」という声をあちこちで耳にします。皆さんに親しまれるラジオになればなるほど、いろいろな情報が集まってきて、普段の生活にも災害時にも役に立つと思っています。
吉田:私はほかの地域のコミュニティーFMにもいくつか携わったことがありますが、渋谷のラジオは、各商店街の盛り上がりをはじめ、人や生活の熱をとても感じます。カルチャー番組では大学の講義のような専門性の高い話も聴けますし、常に新しい何かを生み出そうする、未来を感じるラジオ局ですね。
島田:渋谷のラジオはカルチャーやエンタメ、ビジネスなど最先端の情報を発信しつつ、それを届ける人たちはローカルな温かさや人間味にあふれています。そんな「世界最先端の田舎」と呼びたくなるような魅力が、渋谷のラジオにはあると思います。
渋谷のラジオの聴き方を教えてください。
島田:渋谷区周辺であればFMラジオ87.6MHz(メガヘルツ)で聴取できます。公式サイトや「Radimo(レディモ)」であれば、ラジオの電波が届かないところでも、全国どこでも聴けます。Radimoとは、防災通知機能付きのスマートフォンアプリで、番組へのメッセージも簡単に送れます。非常時に備えながら、ラジオと気軽につながっていただけたらうれしいです。
今後、渋谷のラジオで挑戦してみたいことはありますか?
吉田:私は手品が趣味なので、音と言葉で想像力をかき立てる、「聴く手品番組」をやってみたいです。
大國:いろいろな人に、自分の好きなことを自由に熱く語ってもらえるような「推し活(注)」番組が実現できたらいいなと思っています。
島田:私は「シブコネ」という番組の散歩企画で、渋谷の街を散策しているのですが、いつか区内の全ての道を歩きたいと思っています。渋谷中の声と音を、ラジオを通してお届けしたいです。
(注)自分の好きなものを「推し」と呼び、熱意や愛好的な感情を持って応援する活動のこと。推しの対象は、アイドルや俳優、スポーツ選手、アニメ・ゲーム・漫画のキャラクターなどの人物だけでなく、鉄道や建造物、動物など多岐にわたる。
最後に、区民の皆さんにメッセージをお願いします。
島田:渋谷のラジオは、とにかく楽しい場所です。ぜひ、皆さんも聴いて参加して、つながりを広げてください。渋谷のラジオを拠点に渋谷区とつながる人たちが増え、皆さんの思いがかなう場所になったらうれしいです。
大國:ボランティアスタッフは随時募集中です。いろいろな経験ができ、大切な居場所の一つになると思います。たくさんのご応募、お待ちしています!
吉田:新しい仲間が増えることにワクワクしています。ぜひ、気軽にご参加ください。一緒に面白いラジオを作りましょう!
「渋谷のラジオ」で放送中!
大國さん、吉田さん、島田さんへのインタビューは6月4日・11日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ 87.6MHz(外部サイト)
「渋谷のラジオ」公式アプリは、防災通知機能付きラジオアプリ「Radimo(レディモ)」へ変わりました

防災通知機能付きラジオアプリ「Radimo」は、ラジオの電波が入らないところでも聴取できます。アプリをダウンロードし、放送局一覧から「渋谷のラジオ」を選択してください。また、防災通知機能を有効にすると、発災時に災害情報がスマートフォンに文字で届きます。非常時の備えとしても活用してください。(注)「渋谷のラジオ」公式アプリは、6月30日で終了します。引き続き聴取する場合は、「Radimo」への切り替えをお願いします。
防災通知機能付ラジオアプリ「Radimo」 MUSIC BIRD-全国のコミュニティFM向け番組配信サービス(外部サイト)
「渋谷のラジオ」ボランティアスタッフ募集
コミュニティーFMの運営において、さまざまな場面で活躍していただけるボランティアスタッフを募集しています。渋谷のラジオは、社会に開かれたコミュニティーメディアとして「ダイバーシティ、シブヤシティ。」を掲げ、多様な市民が参加し、みんなで一緒につくる放送局です。渋谷を愛する人、文化・芸術・社会・福祉・教育など、さまざまな分野に関わる人のご応募をお待ちしています。
ボランティアスタッフの募集ページ(外部サイト)