
渋谷らしさを力に、地域課題に取り組む。
令和8年(2026年)4月1日号
渋谷区の副区長を務めるお二人に、職務のやりがいや今後目指したいまちづくり、渋谷区の魅力などについて伺いました。

日本女子大学家政学部住居学科卒業後、平成7(1995)年に建築技術職として渋谷区へ入区。渋谷区初となる小中一貫教育校「渋谷区立渋谷本町学園」の建設などを担当した後、平成26(2014)年に総務部庁舎建設室長として、官民連携の庁舎建て替え事業を指揮する。新庁舎でのオフィス・ワークスタイル改革を推進し、平成31(2019)年には建築技術職としては異例の総務部人事課長として、職員の柔軟な働き方を推進するための制度改革を行う。令和3(2021)年4月より総務部参事を経て、同年10月より現職(現在2期目)。

慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、弁護士として大手法律事務所で勤務。平成20(2008)年にハーバード大学ロースクール修了、翌年ニューヨーク州弁護士登録。企業法務弁護士として幅広い企業に助言する一方、国会に設置された東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の調査課長、年金積立金管理運用独立行政法人ガバナンス強化担当参与など、公的機関の改革に携わる。平成29(2017)年から渋谷区教育委員会の教育施策アドバイザー、令和元(2019)年から令和5(2023)年9月まで渋谷区教育委員会教育委員を務める。同年10月より現職(現在1期目)。
異なるキャリアを持つ二人の副区長
自己紹介をお願いします。
杉浦:副区長の杉浦小枝です。安全・防災・福祉・まちづくり・環境などの分野を担当しています。私は建築技術職として入区し、20年以上にわたって庁舎や渋谷公会堂などの公共施設の建て替え事業を担当してきました。「建物は人がいてこそ命が宿る」「職員の働きやすさが行政サービスの質につながる」という信念から、建物というハード面だけでなく、利用者にとっての使いやすさや職員の働きやすさといったソフト面にもこだわって事業を進めてきました。その後、平成31(2019)年に総務部人事課長として職員の働き方改革にも取り組み、令和3(2021)年10月より副区長を務めています。
松澤:副区長の松澤香です。デジタル・産業観光・子育て・健康・教育などの分野を担当しています。私は弁護士として長年、スタートアップ(注1)への助言を含む企業法務に携わってきましたが、平成23(2011)年の福島第一原子力発電所の事故に関する、国会に設置された独立調査委員会への出向を機に、公的機関における業務にも関わるようになりました。渋谷区教育委員会の教育施策アドバイザー、教育委員を務めた後、令和5(2023)年10月より副区長を務めています。
(注1)起業や新規事業の立ち上げを意味する言葉で、特に革新的なアイデアで短期的に成長する企業を指す。
副区長の任期や選任方法、主な役割について教えてください。
杉浦:副区長の任期は4年で、区長が議会の同意を得て選任します。区長を補佐し、各部署と調整しながら事業を進めるほか、区長が不在の際には代理を務める役割も担っています。
副区長に就任した時の心境や職務のやりがいを教えてください。
杉浦:渋谷区初の女性副区長であり、また比較的若い年齢での登用だったため、プレッシャーはありましたが、自分が先頭に立つことで職場やまちづくりにおけるダイバーシティーをさらに推進できると考え、副区長の職務に全力で取り組むことを決意しました。区民の皆さんや区職員から「杉浦さんが副区長なら」と相談や要望をいただくことも多く、やりがいを感じています。そうした声が施策につながり、実現できた時は本当にうれしく思います。
松澤:民間からの登用という貴重な機会に恵まれたことに感謝していますし、スタートアップ支援や教育・子育て施策、DX推進(注2)など、これまでのキャリアや経験を生かして地域の課題解決に取り組めることにやりがいを感じています。また、渋谷区には課題の解決に向けて挑戦を恐れず取り組む風土があり、そのような環境で素晴らしい仲間と仕事ができることを誇りに思っています。
(注2)DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術やデータを活用し、業務の効率化を図るとともに、行政サービスなどの利便性を向上させる取り組み
副区長として普段から心掛けていることを教えてください。
杉浦:常に区民目線であることと、積極的にコミュニケーションを取ることです。それぞれの事業が地域の皆さんにどのように受け止められるのか、そしてどのような形で皆さんの暮らしに役立てられるのかを、区民の目線でしっかりと見極める必要があります。さまざまな課題や意見があり、容易には進まないこともありますが、地域の皆さんとの対話や各部署との議論を重ねながら、施策の実現に向けて一つ一つ課題を乗り越えてきました。
松澤:私も杉浦さんと同じく、まずは区民目線であることが大切だと考えています。その上で、これまでのキャリアで培った経験を生かしつつ、固定観念にとらわれない新たな視点で課題の本質を捉え直し、区職員と議論を重ねながら一丸となって、より良い方向へ事業を進めることを心掛けています。
変化し続ける渋谷区のニーズや課題に向き合う
令和7(2025)年度までを振り返って、特に印象に残っている施策や出来事はありますか?
杉浦:私が副区長になってからの5年間で最も大きく変化したのは、来街者の数です。これまでも多くの来街者を受け入れる土壌が渋谷区にはありましたが、ここ数年、外国人観光客や遠方からの来街者は増え続け、街は活気にあふれる一方で、多くの課題も生まれてきています。地元の商店街や町会をはじめ、地域の皆さんと共に、多様なニーズを受け入れられる体制を整えていかなければならないと感じています。
松澤:印象的な施策の一つは「未来の学校プロジェクト」です。区立小中学校の建て替えに伴う仮設校舎「青山キャンパス」が昨年9月に開校し、今年は3つの小中学校の子どもたちが同じ校舎に通いながら、最先端の設備を活用した新しい学びに取り組めることを楽しみにしています。もう一つは、一般社団法人渋谷国際都市共創機構(注3)(以下「SII」)の立ち上げです。今後はSIIの研究・実装プログラムも活用し、産官学民と連携の上、調査や研究を進め、未来を見据えた新しい取り組みに挑戦して、その成果を区の施策に生かしていきたいと考えています。
(注3)産官学民の連携を基盤に、渋谷区ならではのイノベーション創出や地域課題解決に取り組む組織
令和8(2026)年度、特に力を入れて取り組みたい施策やテーマを教えてください。
杉浦:来街者の急増という変化を受け止め、来街者と区民が共存していくためのまちづくりに力を入れて取り組みたいと考えています。ごみのポイ捨てや路上飲酒のほか、一部では民泊のトラブルも報告されています。そうした課題への対策も含めて、共存のための仕組みを整えていきたいと思っています。
松澤:今年度の大きなテーマは、DX推進です。区では部署を横断して多種多様なデータを保管・活用していますが、今後は区の現状を広く知ってもらい、地域課題の解決につなげるためのデータ活用をより一層進めていきたいと考えています。区に関するデータを誰でも閲覧・活用できるデータ活用プラットフォーム「SHIBUYA CITY DASHBOARD(シブヤ シティ ダッシュボード)」の公開に続き、今年度以降は健康に関するデータも活用し、区民の皆さんのウェルビーイング(注4)に貢献する施策にも取り組んでいきたいです。
(注4)身体的・精神的・社会的に良好な状態であること(一人一人が幸せを実感し、心豊かに暮らしている状態)を指す。
渋谷らしさを生かした未来のまちづくり
渋谷区ならではの魅力や強みは、どのような点にあると感じていますか?
杉浦:渋谷区は一つ一つのエリアに特色があり、渋谷駅周辺などの繁華街がある一方で、閑静な住宅街や人情味あふれるエリアもあり、その多様性が非常に魅力的だと感じています。また、あらゆる変化に対して柔軟で、変わりながら進化し続ける街であることも、渋谷区の魅力であり、強みだと感じています。
松澤:渋谷区は、「まるでおもちゃ箱のようなワクワク感」があり、何でもできそうな気持ちになれる街だと感じています。例えば、今年2月に区が共催したアートとテクノロジーの祭典「DIG SHIBUYA(ディグ シブヤ) 2026」では、国内最大規模のドローンショーを実施し、多くの感動の声が寄せられました。こうした夢のような取り組みを実現できるのは、渋谷区に関わる企業や団体、区民の皆さんの応援があってこそです。新しい挑戦が街のにぎわいや活力につながっていくところが、まさに渋谷区の魅力だと思います。
今後、渋谷区をどのような街にしていきたいですか?
杉浦:地域ごとの特色を生かし、区民の皆さんの気持ちに寄り添ったまちづくりを目指していきたいです。そこに渋谷区らしいユニークなアイデアや最新のテクノロジーを組み合わせ、地域の皆さんが求める街へと発展させていきたいと考えています。
松澤:渋谷区に関わる全ての人にとってウェルビーイングなまちづくりを目指したいと考えています。その一環として子育て施策に力を入れ、制度や施設だけでなく、街全体で子育てを応援するようなムードの醸成が必要だと感じています。また、探究学習をはじめ、子どもたちが好きなことや自分らしさを見つけ、生き生きと学べるような教育活動も進めていきたいです。
区民の皆さんにメッセージをお願いします。
杉浦:私は入区してからの30年間、区内各所へ直接足を運び、区民の皆さんからお褒めの言葉やお叱りの言葉をたくさんいただいてきました。今後も地域の皆さんの声を丁寧にくみ取り、施策に反映できるように取り組んでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
松澤:さまざまなご意見を大事にしながら、区民の皆さんの暮らしがより良くなり、渋谷の街がさらに進化していけるよう、未来志向で施策に取り組んでいきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
「渋谷のラジオ」で放送中!
杉浦副区長、松澤副区長へのインタビューは4月7日・14日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ87.6MHz(外部サイト)
問い合わせ
広報コミュニケーション課広報プロモーション係 電話:03-3463-1287 FAX:03-5458-4920
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