
健康への第一歩は、身近な「かかりつけ」を持つこと。
しぶや区ニュース令和8年(2026年)10月1日号
地域の医療を支える、渋谷区医師会・歯科医師会・薬剤師会の会長に、それぞれの会が担う役割や活動内容、健康づくりのために意識すべきことなどについて伺いました。


![渋谷区薬剤師会会長 林 覚(はやし かく)さん ]薬に関する疑問や心配事は、どんなことでも問い合わせてください。](https://images.city.shibuya.tokyo.jp/assets/12995aba8b194961be709ba879857f70/e54142981ebc420abb8c33980c003969/20261001_special_pic03.jpg?w=600&h=409)
区と連携し、誰もがいつでも医療を受けられるように
自己紹介をお願いします。
内藤:渋谷区医師会会長の内藤淳です。幼少期から高校時代までの大半を渋谷区で過ごし、平成5(1993)年から恵比寿のクリニックで院長を務めています。渋谷区医師会の中では、主に肺がん検診に力を入れています。
坂本:渋谷区歯科医師会会長の坂本眞理⼦です。生まれも育ちも渋谷区です。両親が医師だったことに加え、母から歯科を勧められたことで歯科医師の道を選びました。歯科医師会会長を務めている間に、東日本大震災や熊本地震、能登半島地震を経験したことを踏まえ、災害対策にも注力しています。
林:渋谷区薬剤師会会長の林覚です。もともとは会社員でしたが、笹塚にある父の薬局を継ぐため、28歳で大学に入り直して薬剤師になりました。
それぞれの会は、どのような役割を担い、どのような活動を行なっていますか?
内藤:医師会は、医師としての道徳や技術を高め、医学の進歩と医療の普及を推進することを目的とした組織です。会員同士が連携し、区における公衆衛生の向上と福祉の増進に貢献しています。具体的な活動としては、医師会・歯科医師会・薬剤師会や東京都看護協会、渋谷区ケアマネジャー連絡協議会、行政、地域のボランティアなどの多職種を交えた勉強会を開催するほか、特定健診や各種がん検診、認知症検診、乳幼児健診、休日・夜間診療などを行なっています。
坂本:歯科医師会の第一義は、区民の皆さんが生涯にわたり歯と口の健康を保てるようにすることです。子どもから高齢者まで、あらゆる世代に向けて歯科健康診査(以下「歯科健診」)や歯科保健指導を行なっています。また、ひがし健康プラザ内に「渋谷区口腔(こうくう)保健支援センタープラザ歯科診療所」を設けて、さまざまな障がいがある人の歯科診療を行うとともに、休日歯科応急歯科診療も実施しています。また、医師会・薬剤師会や行政と医療連携し、災害時の医療活動にも協力しています。
林:薬剤師会の第一の役割は、薬に関して区民の皆さんに不便を感じさせないようにすることです。具体的には、休日や夜間などでも利用できる「休日調剤薬局」を運営し、いつでも必要な薬を提供できるようにしています。この他、学校環境衛生の検査や指導、災害時の医薬品などの管理、薬の正しい使い方などの保健指導や健康相談も行なっています。
一人一人の健康を守るために「かかりつけ」が必要
渋谷区ならではの地域特性や傾向を教えてください。
内藤:渋谷区は、他の地域に比べて年齢層や国籍が多様な傾向にあります。そのため、さまざまな疾病や言語に対応できるようにしなければなりません。加えて、医療保険の問題や宗教、習慣の違いなどもあるため、一人一人に合った対応ができるように努めていく必要があります。
坂本:渋谷区は、歯の健康意識が高い人が非常に多いと感じます。昨年まで開催していた「しぶや・よい歯のつどい」では、80歳以上で自分の歯を20本以上保っている人を表彰していましたが、区内在住で80歳以上の人のうち、約7割が20本以上の歯を維持している年もありました。高齢者だけでなく、子どもや保護者の皆さんも非常に意識が高い印象です。一方で、親の手が離れてくる年齢になると、歯磨きが不十分な子どもが増える傾向にあり、定期的にチェックするためにも「かかりつけ歯科医」が必要になってきます。
特に力を入れている取り組みや、区民の皆さんに知ってほしい取り組みはありますか?
内藤:渋谷区医師会ならではの事業として、男性特有のがんを見つける「PSA検査(注)」や、骨粗しょう症検診があります。加えて、新たな取り組みとして、認知症検診も始まりました。この他、在宅医療や予防医学、災害医療など、多岐にわたって取り組んでいます。
坂本:区内全ての特別養護老人ホームで、歯科健診や歯科診療を行なっています。また、区内の幼稚園・保育園や小・中学校には学校歯科医がおり、園児や児童がけがをしたときは、責任を持って対応しています。かかりつけ歯科医として日頃から地域の皆さんと関わることで、口腔の健康状態をチェックして、異常箇所の早期発見・早期治療につなげています。かかりつけ歯科医との日常的な関わりは、災害時の安否確認にもつながりますので、ぜひ、かかりつけ歯科医を持つようにしてください。
林:使用済みの注射針や飲み残した薬の処分方法について、よくお問い合わせをいただきますが、薬局で回収も行なっています。「不要な薬を薬局に持っていったら迷惑ではないか」と思われる人が多いのですが、どうぞお気軽にご相談ください。飲み合わせなど、薬に関する相談も受け付けていますので、かかりつけ薬剤師を頼っていただければと思います。
(注)前立腺がんの早期発見を目的として行うスクリーニング検査
活動の中で、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
内藤:患者さんに、十分に納得していただける医療を提供できた時です。また、医療につながっていない人のご自宅に出向いて診療し、その人が健康を取り戻して生活環境を整える手助けができた時にも、大きなやりがいを感じます。
林:多職種連携が増えている中で、薬剤師として頼られていると感じる時です。また、地域の子どもたちが成長しても私のことを覚えていてくれて、声を掛けてくれた時はすごくうれしかったですね。子どもたちの成長を見守ることができるのも、大きなやりがいの一つです。
健康でいるために大切なのは、人とのコミュニケーション
健康づくりのために意識すべきことは何ですか?
内藤:基本的なことですが、禁煙と安定した生活リズム、そして飲酒を適量に抑えることです。食事は1日の適切なエネルギー量を意識して、よくかんでゆっくり食べましょう。年齢や体力に応じた適度な運動も欠かせません。それから、自覚症状がなくても、健康診断や各種検診、各種予防接種を受けていただきたいです。心配なことがありましたら、かかりつけ医にお気軽にご相談ください。
坂本:歯を「磨いている」ことと「磨けている」ことは違うと知っていただきたいです。歯磨きは、単に3分間続ければいいというものではなく、磨き残しはないか確認しながら磨くことが大切です。また、お口の健康のためには、おしゃべりをしたり、大きな声で歌ったりして口を動かすことも大切です。ぜひ、楽しみながら健康づくりをすることを意識してみてください。
林:健康づくりの要はコミュニケーションだと思います。人と触れ合い、対話することはとても大切です。かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師を持っていただき、ちょっとしたお悩みでもご相談いただければと思います。
区民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
内藤:健康に関するお悩みがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。最近はAIに相談する人が増えましたが、AIの回答は必ずしも正しい情報とは限りません。ぜひ、医療機関に足を運んで、直接ご相談いただければと思います。
坂本:お口の健康は、全身の健康はもちろん、豊かな暮らしにもつながります。歯磨きだけでなく、かかりつけ歯科医を持つことや定期的に歯科健診を受けることも、虫歯や歯周病の予防になりますのでぜひ、意識してみてください。また、災害に備えて、歯ブラシと水、歯磨き粉のほか、マウスウォッシュやウェットティッシュなども準備しておきましょう。
林:近年、各地で大きな災害が発生しています。日常的に服用している薬がある人は、非常時に備えて最低でも3日分程度、できればそれ以上の分量を常備するようにしてください。薬剤師会としては、区民の皆さんが安心して医療サービスを受けられるように、引き続き医師会・歯科医師会と連携しながら活動を続けてまいります。
「渋谷のラジオ」で放送中!
内藤さん、坂本さん、林さんへのインタビューは10月6日・13日に「渋谷の星」で放送します。
休日・夜間診療のご案内
休日・夜間の急病に
区民健康センター桜丘(電話:03-3464-3478)
日時
土曜日 18時~21時、日曜日・祝日・休日 9時~21時(13時~14時を除く)
場所
文化総合センター大和田1階
(注)調剤薬局(電話:03-6416-0458)は土曜日 18時~21時、日曜日・祝日・休日 9時~21時
しぶやこども救急室(電話:03-3400-1311)
日時
19時~22時(通年)
場所
日本赤十字社医療センター(広尾4-1-22)
(注)小児科のみ
休日歯科応急歯科診療
渋谷区口腔保健支援センタープラザ歯科診療所(電話:03-5466-2770)
日時
日曜日・祝日・休日 9時~17時
場所
ひがし健康プラザ
詳しくは、休日夜間・救急診療のページを確認してください。
問い合わせ
広報コミュニケーション課広報プロモーション係 電話:03-3463-1287 FAX:03-5458-4920