
自分で決めたテーマに向き合う学びの時間。
しぶや区ニュース令和8年(2026年)8月15日号
神宮前小学校5年生の皆さんに、これまで探究「シブヤ未来科」の授業で 探究してきた内容や面白いと感じたこと、難しかったことについて伺いました。



探究「シブヤ未来科」とは
渋谷区立の小中学校では、まち全体を探究の場として、地域や企業とコラボレーションしながら、仲間と協働して主体的に課題を解決する『探究「シブヤ未来科」』に取り組んでいます。本取り組みでは、学年や学級で共通のテーマを設定し、その課題解決に向けて仲間と協働しながら探究する「テーマ探究」、子どもたち一人一人が自身の好きなことや社会・地域課題に基づいて問いを立てて探究する「My探究」のプログラムが行われています。さまざまな体験を通じて、感動や疑問、興味から生まれた問いを、各教科で学んだ知識、見方や考え方を駆使して探究することで、子どもたちが未来をより良く生きる力を身に付けることを目指しています。
(注)探究「シブヤ未来科」の具体的な取り組みについては、探究 シブヤ未来科の取り組みを紹介しますのページを確認してください。
問い合わせ
教育指導課指導主事 電話:03-3463-3024 FAX:03-5458-4952
自分の好きなテーマを選んで、探究する授業
自己紹介をお願いします。
小泉:神宮前小学校5年生の小泉菜々です。小学校で楽しいことは、友達と鬼ごっこをしている時です。
山田:神宮前小学校5年生の山田一嘉です。友達とおしゃべりをしたり、バドミントンをしたりする時間が一番好きです。
岩田:神宮前小学校5年生の岩田海翔です。学校では、友達と一緒に遊んだり、プログラミングをしたりする時間がとても楽しいです。
4年生の探究「シブヤ未来科」では、どんなことを探究しましたか?
岩田:4年生のテーマ探究は「福祉」が大きなテーマで、それぞれ「福祉」と自分の好きなことがつながる課題を選びました。私が取り組んだのは、学校の周りにある施設がバリアフリーかどうかを調べることです。それぞれの施設でどれくらいバリアフリー化が進んでいるかを点数化して、地図に表しました。例えば、スロープや多目的トイレがあったら点数を足し、階段だけの場所は点数を減らします。このように、車いすを使う人にとって利用しやすい場所と利用しにくい場所が一目で分かるように、自分なりの基準でまとめてみました。
山田:私は、足が不自由な人でもできる泳ぎ方について調べました。実際に足にプルブイ(注)を着けて手や腕の力だけで泳いでみると、なかなか前に進めず、息継ぎもしにくくてとても難しかったです。いろいろな泳ぎ方を試してみると、意外にも平泳ぎが一番泳ぎやすいと感じました。
小泉:私は、目が不自由な人にも楽しんでもらえるパズルを作りました。筒のような形を切れ目に沿って分解すると、人型などいくつかの形に変わり、また元の筒の形に戻すという立体的なパズルです。全て手の感覚だけでできるように工夫しました。
(注)太ももやふくらはぎに挟んで下半身を浮かせ、キックを使わずに泳ぐ水泳のトレーニング用補助具
自分で調べたり実践したりすることで、新たな発見があった
5年生の探究「シブヤ未来科」のテーマ探究では、どんなことを探究していますか?
山田:5年生のテーマ探究では「渋谷区の伝統文化」について探究しています。まず、渋谷区にはどのような伝統文化があるかをみんなで話し合って、「伝統芸能」「神社」「祭り」の3つのテーマに絞りました。そして6つのグループに分かれて調べ、中間発表でお互いに意見を出し合ったので、今後さらに内容を深めていきたいと思っています。私は「伝統芸能」を選び、「能」について調べることにしました。能は、室町時代に観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)が基礎を築いたもので、長い歴史があります。特に興味を持ったのは、演者の人がつける「能面」です。鬼のような恐ろしい顔の面や、おじいさんの顔の面など、いろいろな種類があるんです。
小泉:私は「祭り」について調べています。近所にお祭り好きの人がいて、いつも私に「豆まきがあるよ」「夏祭りがあるから来てね」などと、楽しそうに話してくれるので、お祭りに興味を持つようになりました。今は、SHIBUYA109の前で行われる「渋谷盆踊り」について調べています。
岩田:私は「神社」を選び、明治神宮の魅力や歴史について調べることにしました。明治神宮は、明治天皇と昭憲皇太后を祭る神社で、特に三が日には約300万人の参拝者が訪れるそうです。
5年生の探究「シブヤ未来科」のMy探究では、どんなことを探究していますか?
岩田:My探究は4月からスタートして、ようやくテーマが決まったところです。私は「世界の国々は今後どのように成長するのか」について調べます。地理や経済に興味があるので、このテーマに決めました。発展途上国は、出生率が高くて人口も増加し、経済も成長していく一方、先進国は出生率が低くて人口が減っていき、経済成長も緩やかになります。このような、さまざまな国の成長の仕方を調べていこうと思っています。
山田:私は「プールで誰でも楽しく泳げるようにするためにはどうすれば良いか」について調べています。4年生まで水泳を習っていて、自分もみんなも楽しく泳げる方法を考えたいと思いました。これから友達に「水泳の難しいところは何か」などについてアンケートを取る予定です。
小泉:私は「街がきれいになるにはどうしたらいいのか」「渋谷にはどのようなごみが落ちているのか」について調べることにしました。例えばシンガポールでは、ごみのポイ捨てに対して非常に厳しい罰則が定められているそうです。このように海外の対策を調べながら、渋谷区でのポイ捨ての状況についても調査したいと思っています。
これまで探究「シブヤ未来科」に取り組む中で、難しかったことや困ったことはありましたか?
山田:4年生のMy探究で、足を動かさずに泳いでみたことです。障がいのある人の気持ちを想像しながら泳ぐのは、思っていた以上に難しかったです。
小泉:4年生のMy探究で、目の不自由な人でも楽しめるパズルを作った時、当事者の意見を聞きたいと思ったのですが、身近にいなかったので想像するのが大変でした。そこで、友達に目隠しをしてパズルに挑戦してもらい、意見を集めました。
岩田:3年生のMy探究で、外国人観光客について調べた時、インターネットに載っている情報が少なかったことです。そこで、渋谷スクランブル交差点の近くに行って、外国人観光客の人々に出身国や日本に来た理由などをインタビューしました。誰もが知っているような国だけでなく、人口の少ない国から来ている人もいて、驚きました。
やりがいを感じたのはどんな時ですか?
岩田:4年生のMy探究で、バリアフリーに関する地図を作った時です。実際にいろいろな場所へ行ったり、インターネットで調べたりして、階段やエレベーターの位置などを一つ一つ確かめました。こうして集めた詳しい情報を載せたことで、より分かりやすい地図に仕上がりました。
山田:4年生のMy探究で、実際に泳いでみたことで新しい発見がありました。簡単だろうと予想していた背泳ぎが、実際にやってみるとすごく難しかったことなど、予想と違う結果がたくさんあって驚きました。
小泉:3年生のMy探究で、みんなが選ぶ渋谷のおすすめの場所を調べた時です。竹下通りの古着屋さんを挙げる人が多かったので調べてみると、本当にたくさんのお客さんが集まっていて驚きました。このような新しい発見がたくさんあったことに、やりがいを感じました。
インターネットに出てこない答えを見つける面白さ
テーマ探究・My探究をやってみて「自分が成長できた」と思うところはありますか?
岩田:興味を持ったことについて調べる力が身に付きました。それから、数値を使うことは、情報を整理したり伝えたりする時にとても役立つものだと気付きました。
山田:障がいのある人の気持ちを想像しながら探究してきたので、障がいのある人が困っていたら「どうやって手助けできるかな」と考えられるようになりました。
小泉:今は、インターネットで検索すれば、すぐに答えが出てきます。でも、インターネットで調べられないようなことを、自分でやってみたり誰かに聞いたりして調べることが、将来とても役立つのではないかと思いました。
区民の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
山田:探究「シブヤ未来科」の授業で、自分の好きなことについて調べる時間はとても楽しいです。皆さんもぜひ、気になったことや興味のあることについて、たくさん探究してほしいと思います。
小泉:探究を進めているうちに、好きなことを調べたり工夫したりすることがどんどん楽しくなってきました。皆さんも、疑問に感じたことや好きなことがあったらぜひ、調べてみてほしいと思います。
岩田:探究の授業は、楽しみながら、調べる力やコンピューターを使いこなす力が身に付くと思います。年齢を問わず、たくさんの人に自由なテーマで探究してもらいたいです。
「渋谷のラジオ」で放送中!
小泉さん、山田さん、岩田さんへのインタビューは8月18日・25日に「渋谷の星」で放送します。
先生から見た、探究「シブヤ未来科」
探究「シブヤ未来科」の授業における教師の役割は、教えるのではなく、児童たちのアイデアに寄り添いながら「こういう視点もあるのでは?」とアシストすることだと思っています。授業中の児童たちは生き生きと楽しそうで、自分が子どもの頃にこんな授業があればと思わずにはいられません。
4年生の探究「シブヤ未来科」では、児童たちが大人同様にいろいろなことを考えているのだと知るきっかけになりました。「誰かを助けたい」「誰かのために何かしたい」という気持ちを原動力に探究する姿を見ることができ、成長を感じることができました。
児童たちが自由にテーマを設定できるのは、探究「シブヤ未来科」の特色の一つです。自分で問いを探し、答えがないものを追究し続けることは大人でも難しいと思います。児童たちが自分の問いに対して、どこまで探究できるのか、今後の成長が楽しみです。

問い合わせ
広報コミュニケーション課広報プロモーション係 電話:03-3463-1287 FAX:03-5458-4920