渋谷区はどのように防災に取り組んでいる?データから被害想定や具体的対策を解説

渋谷区では、大災害から街や人を守るために、ITの活用から街の構造まで幅広く防災に取り組んでいます。本記事では、具体的に渋谷区が防災にどのように取り組んでいるのか、災害が起きた際の被害想定や普段からできる対策をご紹介します 。

更新日

2026年4月15日

【もし災害が起きたら】渋谷区で想定される被害

渋谷区は、広尾 や代々木 などの標高が高い「台地」エリアがある一方で、渋谷駅周辺がすり鉢状の「谷底」に位置しているという起伏に富んだ地形が特徴です 。駅の周辺や地下には広大な商業施設が広がっていますが、周囲より土地が低いため、雨水がたまりやすい地形になっています。

また、渋谷区の防災マニュアルが示す「首都直下地震」の被害想定 によると、建物被害や火災焼失が予測されています。さらに、上水道の断水率が32.3% にのぼり、エレベーターへの閉じ込めが発生するなど、都市機能への甚大な影響も指摘されています。なかでも特に懸念されるのが、交通機関のストップにより約23万7,800人 もの「帰宅困難者」が発生する点です。渋谷区は昼夜間の人口比率が多い区であるため、その分、帰宅困難者も多く発生することが想定されています。

このように、最大3万5,000人超 の避難者や約23万7,800人の帰宅困難者といった具体的な数字を見ると、日ごろの防災への取り組みが、いざというときのためにいかに重要であるかが分かります。なお、被害想定の具体的なデータはSHIBUYA CITY DASHBOARDの防災レポートで確認できます。

渋谷区の大規模災害時の被害想定
渋谷区の大規模災害時の被害想定(外部サイト)

● 最新の渋谷区のデータは「SHIBUYA CITY DASUBOARD」:渋谷区の防災対策

SHIBUYA CITY DASHBOARDから見る渋谷区内の防災スポット

渋谷区内には、災害の規模や被災時の状況に応じて避難できるさまざまな防災スポットが指定されています。渋谷区が公開している防災情報は、SHIBUYA CITY DASHBOARD内で公開されており、誰でもオンラインで確認できます。実際の防災設備マップを確認する場合は、こちら からアクセスしてください。

ダッシュボード内では、避難所や帰宅困難者の受入施設、AED・防災Wi-Fiの設置場所などが地図上に整理されており、地域ごとの防災情報を視覚的に把握できます。

災害時に迅速な対応をするためには、防災にかかわるデータを定期的に確認することが重要です。 ここでは、いざというときに身を守るための代表的なスポットと、それぞれの強みを解説します。

渋谷区の防災施設・設備マップ
渋谷区の防災施設・設備マップ(外部サイト)

● 防災設備マップは「SHIBUYA CITY DASUBOARD」:渋谷区の防災対策

【代々木公園・明治神宮など】大規模火災から身を守る避難場所

各自治体では、地震発生後などに同時多発的な火災が発生し、市街地で延焼の危険が高まった場合に備え、大規模な避難場所を設けています。渋谷区内では、代々木公園や明治神宮、青山学院大学 周辺などが指定されています。また、代々木公園の地下には東京都の「震災対策用応急給水槽 」が整備されており、災害時に不可欠な飲料水が確保できる重要な防災拠点となっています。

渋谷区では、災害(特に地震)によって帰宅が困難になった場合は、帰宅困難者受け入れ施設に避難することを推奨しております。駅周辺は人が集まり、二次災害が発生する危険も高まるため、むやみに移動や帰宅をしないように注意しましょう。

広い敷地面積を持つ代々木公園の写真
広い敷地面積を持つ代々木公園

【渋谷駅周辺の大型商業施設】帰宅困難者を保護する「帰宅困難者受入施設」

渋谷区の特性を反映した防災対策の1つが、民間企業と協定を結んで確保している「帰宅困難者受入施設」です。この施設は、大規模災害時に交通機関が麻痺した際、帰宅困難者を屋内に安全に受け入れ、混乱の抑制や安全確保の役割を担います。帰宅困難者受入施設になっているのは、渋谷ヒカリエ、渋谷エクセルホテル東急、渋谷キャスト といった駅周辺の大型商業施設やオフィスビルです。発災時の開設状況は防災ポータルで確認してください。

帰宅困難者受入施設である渋谷ヒカリエの写真
帰宅困難者受入施設である渋谷ヒカリエ

街の構造から見る渋谷区の防災への取り組み

ITの活用やルール作りに加え、渋谷区ではインフラ整備や再開発からも災害に強いまちづくりを推し進めています。ここでは、街の構造そのものを強化し、災害に備える2つの取り組みをご紹介します。

  • 水害を防ぐ巨大な地下貯留施設
  • 避難動線を確保する大規模再開発

それぞれ詳しく解説します。

水害を防ぐ巨大な地下貯留施設

前述の通り、渋谷駅周辺はすり鉢状の谷底地形であるため、古くから水害リスクが大きな課題でした。これを構造的に解決するため、渋谷駅の地下には、約4,000トン(25mプール約13杯分) もの雨水を一時的にためられる巨大な雨水貯留施設が整備されています。ゲリラ豪雨や台風の際、この見えないインフラが稼働することで、街の機能維持に役立っています。

●渋谷駅の雨水貯留施設については、渋谷文化プロジェクト「「谷底」にある渋谷を集中豪雨から守る! 渋谷駅地下の「雨水貯留施設」供用開始へ」(外部サイト)

避難動線を確保する大規模再開発

現在、渋谷駅周辺では大規模再開発が進行しており、この再開発によって、都市再生と併せて防災対策の整備も進められています。 たとえば、 建物を最新の耐震基準を満たす高層ビルへ建て替えることで、地震による倒壊リスクの低減に加え、帰宅困難者を一時的に受け入れるスペースの確保が図られています。

渋谷での災害に向けて普段からできる対策

渋谷で働くビジネスパーソンや企業にとって、いざというときに慌てないための日ごろの備えは欠かせません。まずは個人の対策として、発災時に取るべき行動や近くの避難場所を把握しておけば、災害発生時に落ち着いて行動できるでしょう。また、非常食や飲料水、モバイルバッテリーといった防災グッズの備蓄も必要です。加えて、災害時の停電による空調停止に備えるために、冬場は保温性の高い衣類や、アルミブランケットなどの防寒アイテムを用意しておきましょう。

企業・組織としては、3日間の飲料水や食料などを備蓄しておくことに加え、 定期的な「防災訓練」と「避難ルートの確認」が必須です。複雑な地形や地下空間が多い渋谷だからこそ、オフィスから近い帰宅困難者受入施設への安全なルートを、実際に歩いて把握しておくことも必要でしょう。むやみに移動しない「一斉帰宅抑制」ルールの徹底や、安否確認手段の共有など、日ごろから備えておくことが大切です。

災害対策の写真

【渋谷区防災ポータル】防災情報を分かりやすく

発災時に避難情報や被害情報をいち早く確認できるのが災害時に必要な情報が集約されたWebサイト「渋谷区防災ポータル」です。ここでは、ポータルサイトが提供する主な機能とその強みをご紹介します。

  • Web上ですぐに情報が得られる
  • オフィス の災害リスクを事前に把握できる

    それぞれ詳しく解説します。

Web上ですぐに情報が得られる

渋谷区防災ポータルの大きな強みは、災害発生時にリアルタイムな情報がスマートフォンやパソコンから一目で確認できる点 です。気象情報や区内の被害状況、避難所の開設状況、交通機関の運行情報などがトップページに集約されています。たとえば、台風の接近時や地震発生直後に、企業が「従業員を早期帰宅させるべきか」「オフィス内に待機させるべきか」といった事業継続にかかわる重要な判断を下す際、このポータルサイトが信頼できる公的な情報源として役立ちます。

スマホで災害情報を見る会社員

オフィスの災害リスクを事前に把握できる

平常時の備えとして活用できるのが、ポータルサイト内で確認できる各種防災マップです。渋谷駅周辺は谷底の地形であるため、水害リスクへの備えが重要になります。事業者は、このマップを活用することで自社のオフィスビルや、従業員の通勤ルートが危険区域に入っていないかの確認が可能です。そのうえで「サーバーや重要書類は上の階に移動させる」「水害時はこのルートでの帰宅を避ける」といった、オフィスの状況に合わせた具体的な防災対策を立てる際に役立ちます。

●渋谷区防災ポータルについては「渋谷区防災ポータル」(外部サイト)

渋谷の最新防災情報をチェックしよう

災害はいつ起こるか分かりません。いざというときに自分や従業員の命を守るためにも、日ごろから渋谷区が発信している最新の防災情報をこまめにチェックし、備えをアップデートしておくことが重要です。

また、渋谷区の公式Webサイトでは、防災関連のニュースやハザードマップだけでなく、地域の環境やまちづくり、防犯に関するものなど、渋谷で働き・過ごすうえで役立つさまざまなデータが分かりやすく公開されています。

まずは一度、以下のリンクから渋谷区の現状を確認し、自社の防災計画や日々の安全対策に役立ててみてください。

●最新の渋谷区のデータは「SHIBUYA CITY DASUBOARD」:渋谷区の防災対策

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