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フェンシングが切り開く、部活動の新しい可能性。

令和8年(2026年)2月1日号

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「シブヤ部活動改革プロジェクト」に取り組む渋谷区スポーツ協会の阪野弘和さんに、フェンシングクラブでの活動や、フェンシングの魅力について伺いました。

阪野さん「フェンシングを通じて、一人一人の「やりたい」を大切にできる環境をつくっていきたいです。」
フェンシング元日本代表・一般財団法人渋谷区スポーツ協会 阪野弘和(さかのひろかず)さん

シブヤ部活動改革プロジェクト

区立小中学校の児童・生徒が参加できる地域合同の部活動を推進するプロジェクトです。これまでの部活動にはなかった新しい地域クラブを設立する「シブヤユナイテッド」事業と、教職員の働き方改革や合同部活動を進めるための「部活動地域展開推進校」事業を並行して進めています。渋谷区スポーツ協会は、渋谷区と共に地域クラブ「シブヤユナイテッド」を運営し、児童・生徒が多様な競技や活動の中から希望に合ったものを選び、専門の指導者から指導を受けられる環境づくりを行なっています。

シブヤユナイテッドクラブ例

一般社団法人 渋谷ユナイテッドのロゴマーク

フェンシング、将棋、料理・スイーツ、ダンス、ボウリング、ボッチャ、デジタルクリエイティブ、eスポーツ、ストリートスポーツ、アニメ・声優など
一般財団法人渋谷区スポーツ協会ホームページ(クラブ一覧)(外部サイト)

将棋の対戦中の様子
ストリートダンスを披露している様子
ボウリングの投球をしている様子
フライパンで料理をしている様子

部活動の選択肢を増やして、子どもたちの可能性を広げたい

自己紹介をお願いします。

阪野:フェンシング元日本代表で、現在は一般財団法人渋谷区スポーツ協会に所属し、活動している阪野弘和です。令和4(2022)年から、「シブヤ部活動改革プロジェクト」の一環としてフェンシングの普及活動に携わるとともに、「シブヤユナイテッド フェンシングクラブ」(以下「フェンシングクラブ」)の青山クラスで、小中学生の指導を行なっています。

「シブヤ部活動改革プロジェクト」の意義や、阪野さんが関わることになったきっかけを教えてください。

阪野:これまで、児童・生徒が部活動を決める際は、通っている学校にある部活動の中から選ぶのが一般的でした。そのため、本当はやりたい部活動があっても、他の部活動を選ばざるを得ないケースも少なくなかったと思います。このプロジェクトでは、学校の枠を超えた「地域クラブ」という形で部活動の場を区全体に広げることで、部活動の選択肢を増やすことができるようになりました。一人一人の「やりたい」「やってみたい」という思いを大切にし、新しい出会いや体験を通じて児童・生徒の可能性を広げることができる点が、大きな意義だと感じています。また、部活動を地域展開することで、これまで指導を担ってきた顧問の先生の働き方改革につながる側面もあります。私自身、学生時代に熱心に指導してくれた顧問の先生の姿が強く印象に残っていますが、今振り返ると、相当な負担があったのではないかと思います。児童・生徒にとっても、先生にとっても、より良い環境をつくり出すこの取り組みに、少しでも貢献できればと考え、「シブヤ部活動改革プロジェクト」に関わるようになりました。

フェンシングクラブでは、どのような活動を行なっていますか?

阪野:大きく分けて、「指導」と「普及」の二つの活動を行なっています。指導では、私自身の競技経験を生かし、青山クラスで講師を務めています。対象は区内の小中学校に通う小学5年生から中学3年生までで、火曜日・木曜日の放課後と土曜日に、1回2時間ほど、青山キャンパスで活動しています。地域交流センター代々木の杜で開催している代々木クラスもあり、参加者は都合に合わせて選ぶことができます。年齢や通っている学校が異なる児童・生徒が集まるため、普段の学校生活とはまた違った交流が生まれています。こうした交流の中で、互いに刺激を受けながら成長できる点は、地域クラブならではの魅力だと思います。また、普及活動としては、区の施設などを活用したフェンシング体験会を実施しています。実際に防具を着けて剣を持つ体験を通じて、フェンシングを知らない子どもたちに競技の魅力を知ってもらい、親しみを持ってもらえたらうれしいです。

体験会での子どもたちの反応はいかがですか?

阪野:「剣を持ててうれしい」「意外と重い」「ランプが光るのが面白い」など、素直な反応が多いですね。一昨年のパリ2024オリンピック競技大会をきっかけにフェンシングに興味を持つ子どもも増え、観戦を通して芽生えた「やってみたい」という気持ちが、体験会での「楽しかった」という実感につながっていると感じています。

どんな相手とも互角に戦える可能性があるスポーツ

フェンシングの魅力を教えてください。

阪野:顔にマスクを着用するため相手の表情が見えず、剣の動きや体の使い方で駆け引きをする点が、フェンシングの面白さだと思います。試合中は常に、相手が何を考え、次にどう動くのかを意識しながらプレーしています。戦術や試合運び次第で、体格にかかわらず勝つことも十分に可能です。フェンシングクラブでは、小学生が中学生にアドバイスする姿も見られ、年齢や体格に関係なく楽しめるスポーツだと実感しています。現在、小中学生のフェンシング競技人口は、少子化の影響を受けながらも増加傾向にありますが、こうした競技特性がその理由の一つかもしれません。また、コートが比較的コンパクトで、都市部でも取り組みやすい点も魅力です。

フェンシングを通じて、子どもたちにどのようなことを学んでほしいですか?

阪野:技術の上達はもちろんですが、それ以上に、普段はできない経験をたくさん積んでほしいと思っています。学校以外の友達と出会い、新しい人間関係を築くことや、フェンシングクラブでの出来事を家族に話すことで生まれるコミュニケーションも大切です。他者とどう向き合い、どう関わっていくかを考える力を身に付けてほしいので、その点も意識しながら指導しています。

これまでの活動の中で、印象に残っている出来事はありますか?

阪野:昨年、指導している児童・生徒が「公式大会に出場したい」と自主的に声を上げてくれました。毎年5月に開催される「東日本少年個人フェンシング大会」は、レベルの高い選手が集まる大きな大会ですが、そのことを理解した上で、「挑戦してみたい」「1年間の成果を試したい」と言ってくれたのがうれしかったですね。結果として、東京都の中で上位に入賞し、中には全国大会に進んだ児童・生徒もいました。自ら挑戦し、成果を出せた経験は大きな自信につながったと思います。また、一人一人の挑戦する姿勢がフェンシングクラブ全体にも良い影響を与え、「来年は自分も挑戦したい」という相談が増えたことが、とても印象に残っています。

フェンシングを通じて、多様な世代と交流してほしい

今後の目標を教えてください。

阪野:将来的には、小中学生だけでなく、大人もフェンシングを体験できる機会を設けたいと考えています。フェンシングは幅広い世代で楽しめるスポーツなので、体を動かす場であると同時に、世代を超えた交流の場になればうれしいですね。また、区内で大会を開催し、渋谷からフェンシングの魅力をさらに発信していくことも目標の一つです。他の地域のフェンシングクラブと試合ができれば、子どもたちにとって大きな刺激になりますし、その成長を家族や地域の皆さんに応援してもらえる場にもなると思います。

区民の皆さんにメッセージをお願いします。

阪野:オリンピックをきっかけにフェンシングを知った人も多いと思います。フェンシングは年齢や経験に関係なく、誰でも楽しめるスポーツです。少しでも興味があればぜひ、フェンシングクラブや体験会に遊びに来てください!

未経験者も大歓迎!フェンシングクラブ参加者募集

クラス

(1)青山クラス、(2)代々木クラス

曜日・日時

(1)(火曜日)・(木曜日)16時30分~18時30分、(土曜日)19時~21時
(2)(水曜日)15時45分~17時15分、(土曜日)14時~16時

会場

(1)渋谷区立小中学校 青山キャンパス
(2)地域交流センター代々木の杜

対象

(1)区内在住の小学5年生~中学生
(2)区内在住の小学5年生~高校生

定員

各20人

申し込み

渋谷区スポーツ協会ホームページで
(注)日程や費用など詳しくは、渋谷区スポーツ協会ホームページを確認してください。
渋谷区スポーツ協会ホームページ(青山クラス)(外部サイト)
渋谷区スポーツ協会ホームページ(代々木クラス)(外部サイト)

体験会を実施しています

各活動日にフェンシングクラブの体験ができます。参加には、事前予約が必要です。渋谷区スポーツ協会ホームページから申し込んでください。

問い合わせ

一般財団法人渋谷区スポーツ協会 電話:03-5428-6755 メール:office@shibuyasports.com

フェンシングの試合の様子
フェンシングのマスクと剣
フェンシングの試合のイラスト

「渋谷のラジオ」で放送中!

阪野さんへのインタビューは2月3日・10日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ87.6MHz(外部サイト)