
みんなで学び、楽しめる教室をつくっていきたい。
令和8年(2026年)1月15日号
渋谷区の知的障がい者教室「えびす青年教室」と「GAYA」の企画・運営に関わる皆さんに、普段の活動の様子や心掛けていること、印象に残っているエピソードなどについて伺いました。



さまざまな体験を、みんなで楽しむ教室
自己紹介をお願いします。
稲澤:知的障がい者教室「えびす青年教室」運営委員長の稲澤憲です。以前、恵比寿を拠点にする福祉関連の特定非営利法人に関わっていた際、えびす青年教室のスタッフに誘われて、運営に携わるようになりました。
浦野:知的障がい者教室「GAYA(ガヤ)」運営委員長の浦野耕司です。福祉関連の特定非営利法人で働いていた縁で、えびす青年教室のスタッフに声を掛けていただき、平成10(1998)年のGAYA立ち上げから関わるようになりました。
石川:知的障がい者教室コーディネーターの石川稔です。昭和55(1980)年にえびす青年教室の立ち上げ担当職員として関わっていた経験から、現在は区からコーディネーターを委嘱されています。
「知的障がい者教室」とは、どのような教室なのでしょうか?
石川:特別支援学級・特別支援学校を卒業した知的障がいのある人(以下「参加者」)が、仕事以外で社会とつながり、グループでの活動を通して仲間との交流や学びを深めていく場所として運営されている教室です。
浦野:参加対象者は、愛の手帳を持ち、介助の有無を問わず会場に来ることのできる15歳以上の人です。GAYAは、「障がいのある人もない人も、一緒に『わいわいがやがや』楽しみながら交流する場所」が名前の由来になっています。運動や料理、工作などを通じて、社会性や自主性を育むことを目的に、毎月第1日曜日に幡ヶ谷社会教育館で活動しています。
稲澤:えびす青年教室も同じく、さまざまなプログラムを体験しながら学び、交流できる教室として、毎月第4日曜日に恵比寿社会教育館で活動しています。
「知的障がい者教室コーディネーター」の役割を教えてください。
石川:コーディネーターは、それぞれの教室と区、そして地域をつなぐ役割を担っています。具体的には、知的障がい者教室の活動補助や円滑な運営のための区と教室との連絡・調整をしています。また他にも、ボランティア希望者と教室の橋渡し、特別支援学校などでの学びの機会についての調査・研究、参加者の保護者の相談業務も行なっています。
参加者もボランティアも、支え合いながら活動する
教室のプログラムや活動内容を具体的に教えてください。
稲澤:えびす青年教室の活動には、運動・料理・工作のグループに分かれたクラブ活動と、参加者全員で楽しむ全体活動があります。例えば、運動クラブではバドミントンやヨガ講座、料理クラブではタコス作り、工作クラブではオリジナルうちわ作りなどをしています。全体活動ではクリスマス会や秋祭りなど季節のイベントのほか、ボッチャ大会なども開催しています。
浦野:GAYAの活動には、参加者とボランティアが一緒にさまざまなプログラムを体験するグループ活動と、全員で楽しむ全体活動があります。グループ活動では、工芸やダンス、料理などを行なっています。先日はカレーライスを作り、大好評でした。全体活動では、運動会のような「ガヤリンピック」や夏祭り、クリスマス会などがあり、毎回大いに盛り上がります。
どのような人がボランティアに参加されていますか?
石川:高校生から80歳代まで、幅広い世代が参加しています。資格などは必要なく、中学生は保護者同伴となりますが、高校生以上なら一人で参加可能です。現在、えびす青年教室は32人、GAYAは54人のボランティアが登録し、それぞれのペースで活動に参加しています。
ボランティアの活動内容について教えてください。
浦野:ボランティアの皆さんはプログラムの準備をするだけでなく、参加者と一緒にプログラムを体験します。食事などの介助が必要な参加者のサポートもしていただきますが、ベテランのスタッフが丁寧に教えてくれますので、ボランティア経験がない人も安心して参加できます。「ケアをする人とされる人」という関係ではなく、生涯学習活動に参加する仲間として、お互いにサポートし合いながら活動しています。
稲澤:えびす青年教室も同じく、参加者の活動を見守りながら一緒に楽しんでいただいています。参加者は皆さんとてもフレンドリーなので、初めてボランティアに参加すると驚かれることもあるようです。ボランティアの皆さんからは「気さくに話し掛けてもらえて助かりました!」「皆さんから元気をもらいました!」と言っていただけることが多いですね。
教室の企画・運営にあたって、⼤切にしていることや⼼掛けていることはありますか?
石川:参加者やその保護者の思いをまず聞くことです。皆さんの要望や伝えたいことに耳を傾け、対話することを大切にしています。
浦野:参加者もボランティアも、そして私たちスタッフも含めて全員が楽しく活動することを一番大切にしています。輪に入れていない人がいたら、必ず声を掛けて、「ここにいても大丈夫なんだ」と思ってもらえるように配慮しています。
稲澤:誰もが怪我をせず、安全・安心に活動できるよう心掛けています。また、重度の障がいがある人でも楽しく参加できるように、プログラムの組み方や進め方にも気を付けています。
これまでの活動の中で、印象に残っているエピソードを教えてください。
稲澤:昨年、無地のTシャツに自分の好きな絵を描くプログラムを行いました。その際、ボランティアやスタッフは手が止まってしまうことが多かったのですが、参加者の皆さんは、思いのまま自由に絵を描いていたんです。私たちは、つい「どうすれば良いか」と正解を求めてしまいますが、参加者の皆さんは真っすぐに絵を描くことを楽しんでいて、その感性にとても感動しました。
石川:えびす青年教室の立ち上げ当時、参加者の保護者から「教室で楽しく過ごすことだけではなく、教室での活動が終わった後も生活が続いていくことを考えてほしい」と言われたことがありました。保護者の率直な思いを聞き、その言葉をきっかけに、教室を運営する上で、「参加者の生活にとって大事なこと」を常に考えるようになりました。
継続していくために、参加者の声に耳を傾けていきたい
教室の今後の目標や展望を教えてください。
稲澤:多数ある知的障がい者を支援するサービスの中から、選んでいただけるような魅力ある教室にしていきたいですね。みんなが楽しめるプログラムを企画し、それをより多くの人に知っていただけるように、情報発信にも注力していきたいと思っています。
浦野:知的障がい者教室は、生涯学習活動であるところに大きな意義がありますので、継続することが大切です。そのためにも参加者のニーズに合ったさまざまなプログラムを展開していくことが必要だと考えています。
区民の皆さんにメッセージをお願いします。
浦野:教室に参加したい人も、ボランティアを希望する人も、ぜひ、一度体験してみてほしいです。参加者の申し込みは3月から、ボランティアは随時募集中です。見学はいつでも受け付けていますので、まずは遊びに来てください!
稲澤:いきなりボランティアに参加するのはハードルが高いと感じる人は、渋谷生涯活躍ネットワーク・シブカツで年1回開催している「ボランティアセミナー」から参加してみてください。シブカツホームページで募集しますので、ぜひ、チェックしてください。
石川:まずは、一緒に活動を体験して、楽しみましょう。参加したい人も、ボランティアを希望する人も、お待ちしています!
「渋谷のラジオ」で放送中!
稲澤さん、浦野さん、石川さんへのインタビューは1月20日・27日に「渋谷の星」で放送します。
渋谷のラジオ87.6MHz(外部サイト)
知的障がい者教室 えびす青年教室・GAYA
参加者募集
年間を通して、障がいのある⼈もない⼈も、共に楽しみながら活動できるプログラムを実施しています。参加募集は3月にシブカツホームページで行います。
対象者
介助の有無を問わず会場に来ることのできる、愛の手帳を持つ15歳以上の人
運営ボランティア募集
教室の運営には、ボランティアスタッフの協⼒が不可⽋です。障がいのある⼈のサポートのほか、参加者と共に活動を楽しむボランティアを随時募集しています。ボランティアセミナーの募集については、シブカツホームページを確認してください。
知的障がい者教室 渋谷区生涯活躍ネットワーク・シブカツホームページ(外部サイト)
対象者
高校生以上の人(注)中学生は、保護者同伴で参加可
問い合わせ
学びとスポーツ課活躍支援係 電話:03-6451-1418 FAX:03-6451-1428

