1. TOP
  2. 区政情報
  3. 区長の部屋
  4. 区長のあいさつ・発言
  5. 現在のページ

令和8年第1回区議会定例会での発言

更新日

2026年2月26日

(令和8年2月16日(月曜日)、第1回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

令和8年第1回定例会 区長所信表明

本日ここに令和8年第1回渋谷区議会定例会を招集し、令和8年度当初予算案を初め多くの議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題について私の所信の一端を申し述べ、区議会および区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
本年は、東日本大震災の発生から15年、熊本地震から10年という節目の年です。昨年12月には、青森県東方沖で最大震度6強の地震が発生し、その後も日本各地で地震が頻発しています。首都直下地震の切迫性が指摘される中、昼夜を問わず人口の多い本区においては、区民、地域、事業者、他自治体とも連携しながら、災害への備えをより一層強化してまいります。
福祉分野においては、福祉人材の処遇改善施策により持続可能な福祉サービスの提供を支援します。また、高齢者がデジタルサービスを利用しやすい環境づくりや、障がい者とそのご家族の生活を地域全体で支える体制整備など、高齢者・障がい者が安心して住み続けられる施策を一層推進してまいります。
一方、未来への投資と位置付ける未来の学校プロジェクトでは、引き続き、ハード・ソフトの両面から教育環境と学びの質の向上に取り組みます。また、子育て支援事業や子供の預かり事業などを拡充し、安全・安心に子育てができる環境整備にも努めてまいります。
さらに、誰もが生涯にわたってスポーツ・文化活動に親しむ「総合型地域クラブ」の実現に向けて、計画的に取組を推進し、スポーツを通じた健康づくり、まちづくりに発展させていきます。
他にも、地域公共交通の在り方や、インバウンドの増加に伴う様々な課題についても検証を重ね、各種政策を着実に実行することで、区民をはじめとした渋谷民のウェルビーイングの更なる向上を実現してまいります。
それでは、以下、具体的な施策について申し上げます。

1 初めに、福祉について4点申し上げます。

1点目は、渋谷区福祉人材支援手当についてです。
介護・障がい福祉分野で働く従事者の平均賃金は、全産業の平均を大きく下回り、賃金格差が広がっています。特に、物価や地価の高い都心部では、福祉人材の流出が進み、持続可能なサービスの提供が危惧される状況です。
このため、本区では新年度から、介護・障害福祉サービス事業所に勤務する従事者を対象に、区独自に月額1万円の福祉人材支援手当を支給することにしました。また、ケアマネジャーや勤続6年以上の従事者には更に1万円を加算し、経験豊かな福祉人材の定着を強力に後押しします。
2点目は、高齢者のスマートフォン購入助成についてです。
本区は、全国に先駆けて令和3年度に高齢者デジタルデバイド解消事業を開始し、現在も区内の各地域のスマホサロンを多くの高齢者が継続的に利用しています。
こうした利用ニーズを踏まえ、新年度から新たに、65歳以上で初めてスマートフォンを購入する人や、一部の古い機種からの買い替えを希望する人を対象に、購入費用として5万円を助成します。
3点目は、障がい児者の移動支援についてです。
利用ニーズが多様化する一方、ガイドヘルパーの不足が喫緊の課題であることから、利用者やそのご家族、事業者、障害者団体連合会の要望を踏まえ、新年度から区独自に移動支援事業所に対する処遇改善加算を導入します。また、通学支援・通所支援の対象も拡充し、障がい児者の社会参加を一層充実させてまいります。
4点目は、本町五丁目障がい者福祉施設(仮称)についてです。
現在、本年10月の開設に向けて改修工事を進めており、開設後は緊急一時保護と社会体験の場としてご利用いただくとともに、放課後などデイサービスや集いの場としても活用できるよう、本定例会に条例改正の議案を提案しました。

2 次に、教育について3点申し上げます。

1点目は、未来の学校プロジェクトです。
まず、ハード面では、本年8月末に「西原キャンパス」を開設します。広い廊下に多様な家具を配置し、教室と廊下を一体的な学びの空間とするラーニング・コモンズなど、生徒が主体的に学べる多様な環境を整備します。また、「青山キャンパス」に移転する神南小学校では、3つのエリアからスクールバスを運行し、通学の安全確保と負担軽減を図ってまいります。
次に、ソフト面では、探究「シブヤ未来科」を更に充実させるため、一部の区立中学校に探究専門教員を配置します。また、各中学校の特色の見直しに向けた検討を進めます。ICT教育や探究、英語教育など、本区の強みを活かしながら、これからの時代に必要な力を育むカリキュラムを検討し、区立中学校全体の魅力を高めていきたいと考えています。
2点目は、朝の見守り事業「朝キッズ」についてです。保護者の子育てと仕事の両立を支援するとともに、児童が安心して始業前の時間を過ごせるよう、本年4月から全区立小学校で実施します。読書や自習、友達との交流のほか、運動遊びなどのプログラムにも参加できるようにし、有意義に思い思いの時間を過ごせる場所にしていきます。
3点目は、学校建て替えロードマップの見直しについてです。
これまで、建設市況の変化を踏まえ工期などを検証し、有識者や教員、保護者、区民などで構成する「渋谷区立学校建て替えロードマップ改定検討委員会」で議論を重ね、検討を進めてきました。
老朽化による教育環境への影響を踏まえると、工期延伸による計画の長期化は大きな課題です。このため、見直しの方針としては、新たな仮設校舎を複数箇所に整備し、地域毎に並行して建て替えを進めることで、工期延伸の影響を抑えることとしています。
改定ロードマップは、今定例会で区議会にご報告するとともに、今後、保護者や地域の皆様に丁寧に周知し、ご理解を頂きながら進めてまいります。

3 次に、子育て支援について3点申し上げます。

1点目は、公立保育園で実施する「子どもみらい創造プログラム」についてです。
本事業は、公立保育園において、園児の多様な可能性を育む保育・教育の充実を目指し、英語や体操、スポーツ・文化芸術、水泳を導入するものです。就学までに、「やってみたい」、「楽しい」、「知りたい」といった思いを就学後も育んでいけるよう様々な遊び、活動を体験できるようにプログラムを提供していきます。
2点目は、保護者の帰宅が遅くなる時などに、子供を安全な施設に預けられる「トワイライトステイ」事業についてです。宿泊の必要のない夜間のみの預かりを実施し、育児支援を充実させます。
3点目は、居場所事業についてです。私立幼稚園である鶯谷さくら幼稚園から、公私連携型認定こども園に移行した上で、子供たちの居場所となる事業も展開していきたいとの話を頂いています。当該地域には、居場所事業を実施する候補地が無かったことから、大変ありがたい申し出であり、区民の皆様にとってより良い施設となるよう、丁寧に相談に応じてまいります。

4 次に、スポーツ振興についてです。

「シブヤ部活動改革プロジェクト」では、子供たちが楽しく参加できる渋谷オリジナルのユナイテッドクラブの充実と、教員の働き方改革を進める部活動の地域展開を推進しています。新年度は、区立中学校全てに、運動部活動の専門的な指導を担うユナイテッドコーチの配置が完了し、文化部活動の吹奏楽部にも新たに着手します。
引き続き、推進体制となる渋谷区スポーツ協会、学校、教育委員会と連携を図り、平日および休日の一体的な取組を進めてまいります。

5 次に、地域公共交通についてです。

坂が多く、南北の移動がしづらいなどの特徴のある本区では、全ての人の移動機会の向上を目指し、昨年9月より区内北西部において、デマンド交通の実証実験を開始したところです。
開始から5カ月間の延べ利用者数は、約1万人であり、非常に多くの人にご利用いただいていますが、新年度からは、区内全域にエリアを拡大して、実証実験を行ってまいります。
引き続き、誰もが移動しやすく、また高齢者や子育て世帯の人なども快適に住み続けられる街を目指して、本区に合ったより良い地域公共交通の在り方を検証してまいります。

6 次に、防災についてです。

新年度からは、災害への備えとして、区民の皆様が安心して避難生活を送ることができるよう、母子向けの備蓄品の配備や避難所の開設支援アプリの導入などに取り組みます。
あわせて、「渋谷防災キャラバン」を今年度に引き続き、区内11か所で実施します。区民一人ひとりが災害を自分事として捉え、「きて、みて、体験!みんなの防災」をコンセプトに、正しい知識と行動力を身に付ける機会を継続的に提供することで、自助・共助の意識向上を図ります。

7 次に、街の安全対策についてです。

本区では、昨年4月から区民や来街者の安全の確保、快適性の向上を図るため、客引きやスカウト行為などの罰則を強化し、2月16日現在で過料45件と一定の成果を上げています。
しかし、来街者の増加や、利益を上げるため客引きを利用する店舗が存在し、撲滅には至っていません。
警察をはじめ関係機関と連携し、引き続きパトロールなどの対策を講じてまいります。
また、昨年4月から住宅への空き巣などの対策として、区民が住宅に防犯カメラやモニター付きインターホンなどの防犯機器を購入・設置した場合の補助事業を行ってきました。新年度は共同住宅へも対象を拡大し、更なる安全・安心な街 渋谷の実現に取り組んでまいります。

8 次に、民泊についてです。

民泊は、コロナ禍後に施設数が増加し、それに伴い騒音やゴミなどの苦情が増え、健全な住環境の維持が難しい状況にあります。
そのため、住居専用地域に加えて、地域からの要望が強かった住居地域においても、新規届出について制限をするため、本定例会に「渋谷区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例」改正の議案を提案しました。
同時に、課題となっている、マンションの1室でホテル・旅館営業を行う施設についても、新規申請について制限をするため、「渋谷区旅館業法施行条例」を改正し、安全な住環境の確保を図っていきたいと考えていますのでご審議をお願いします。

9 次に、犯罪被害者支援についてです。

昨年4月から関係機関へのヒアリングを通じて情報収集を進め、7月には「犯罪被害者等支援のあり方検討会」を設置し、有識者や警察関係者から幅広いご意見を頂きながら、相談・連携体制の整備、心理的・経済的支援、二次被害の防止のほか、人財育成、広報・啓発など、重要な課題について検討を重ねてまいりました。
これらの議論を踏まえ、犯罪被害者等支援条例(仮称)の制定に向けて、具体的な検討を進めていく審議会を区長の附属機関として設置するため、本定例会に「渋谷区犯罪被害者等支援審議会条例案」を提案しました。
審議会は今後5回程度開催し、被害に遭われた人が必要な支援を確実に受けられるよう、条例、支援体制および施策について丁寧に検討を進めます。また、新年度の早い段階で、支援の基本的な考え方に関するパブリックコメントを実施し、幅広く区民のご意見を伺う考えです。
また、こうした支援は全庁横断的に対応する必要があるため、今年度から始めた職員研修を今後も継続し、各所管が連携をより一層強化することで、犯罪被害者などに寄り添った支援体制を構築できるよう取り組んでまいります。

10 次に、幡ヶ谷社会教育館についてです。

本年6月末をもって施設を閉館し、建て替えを進める計画については、現在も近隣住民および利用団体に対し、丁寧な説明と周知を重ねているところですが、閉館後も社会教育活動をこれまでどおり安心して継続できるよう対策を講じます。
具体的には、社会教育館を無料で利用していた団体が、代替施設の利用区分では有料となる場合には、施設使用料の負担を一部補填する制度を設けるとともに、代替施設として旧本町区民施設敷地に仮設施設を整備することで、活動の継続を支援してまいります。

11 最後に、令和8年度当初予算案の規模について申し上げます。

令和8年度一般会計予算額は、1,525億4,100万円であり、前年度比3.9%の増となっております。
これに国民健康保険事業会計などの3特別会計、529億3,272万9千円を加えた各会計の合計額は、
2,054億7,372万9千円で、前年度比3.7%の増となっております。

本定例会には、条例案15件、令和7年度補正予算案2件、令和8年度当初予算案4件、契約案件7件、その他専決処分の承認案件1件、規約の変更に関する案件1件、人権擁護委員の諮問を含め人事案件4件、報告案件2件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

関連コンテンツ