ちがいをちからに変える街。渋谷区

マイポータル
  1. TOP
  2. 区政情報
  3. 区長の部屋
  4. 区長のあいさつ・発言
  5. 現在のページ

令和5年第4回区議会定例会での発言

更新日

2023年12月8日

(令和5年11月27日(月曜日)、第4回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

令和5年第4回定例会 区長発言

本日ここに、令和5年第4回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会および区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

 1 初めに、福祉について2点申し上げます。

1点目は、敬老事業についてです。
本区では毎年、長年にわたり社会に貢献してきた高齢者の健康と長寿を祝い、敬老の意を表する目的から、敬老金や米寿祝い品の贈呈、百歳表慶、敬老大会などの敬老事業を展開しています。
中でも敬老金贈呈事業は、毎年、75歳以上の高齢者全員を対象に、コロナ前までは、地域の民生委員が1軒1軒訪問し、お祝いの贈呈と合わせて近況を確認することで、全国に類を見ない高齢者の見守り施策として大きな役割を果たしてきました。
しかし、現在、次の課題に直面しています。
(1)団塊の世代が75歳以上となる2025年以降、対象者の更なる増加が見込まれること
(2)民生委員がこれまでのように対象者全員を訪問することは、昨今の社会情勢などから難しくなると考えられること
(3)少子高齢化が加速する中、限られた予算を適正に配分するために、将来負担を考慮する必要があること
以上の課題を踏まえ、事業の持続可能性の観点から抜本的な見直しを行う時期に来ていると考えます。
本事業は現金を配ることだけを目的とした事業ではなく、民生委員による高齢者の生活実態の把握が大きな目的となっていることから、見直しにあたっては、金額や対象年齢を改める一方で、見守りとしての側面は、新たな手法も取り入れながら、更なる強化を図ります。地域包括支援センターを始めとした既存の人的資源や地域の資源を最大限活用し、地域全体で見守り機能を担う仕組みを構築するとともに、IoTやAIセンサーなどの最新技術を活用するなど、より多角的に見守り施策を展開します。
来年度からの実施に向け、是非、議員の皆様からも課題解決のため様々なご提案を頂き、見直しを進めていきたいと考えていますのでご協力をお願いいたします。
2点目は、次期「渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」および「渋谷区障がい福祉推進計画」についてです。
本区では「渋谷区基本構想」の福祉分野のビジョンである「あらゆる人が、自分らしく生きられる街へ。」の実現を目指し、現行計画を実施してきました。
この間、新型コロナウイルス感染症の発生により、様々な社会活動が制限されましたが、高齢者福祉施策では、認知症対策や介護予防事業、全国に先駆けた高齢者デジタルデバイド解消事業、障がい者福祉施策では、相談支援体制の充実、グループホームの拡充に着実に取り組んできたところです。現在、その実績と課題を踏まえ、来年度から新たに始まる次期計画の策定を進めています。
高齢者福祉および障がい者福祉、両分野の諸課題について「介護保険運営協議会」および「自立支援協議会」でご議論いただき、高齢者の計画は今月、素案が完成しました。障がい福祉は来月素案が完成する予定です。
これらを基に、住民説明会やパブリックコメントを実施し、広く皆様のご意見・ご要望を反映できるよう努めます。
策定に当たっては、地域包括支援体制の充実、介護サービス基盤・人的基盤の整備、地域で暮らし続ける体制づくりなどに取組み、地域共生社会の実現に向けて引き続き取り組んでまいります。

2 次に、デジタル地域通貨「ハチペイ」についてです。

現在、30%ポイント還元キャンペーンを実施しており、多くの方にご利用いただき好評を得ています。一方で長引く物価高騰は区民生活に大きな影響を与えており、区民限定のキャンペーンを実施してほしいという声も聞いています。そこで、マイナンバーカードで認証した区民限定のキャンペーンとして、プレミアム率50%のハチペイデジタル商品券キャンペーンを来年2月から実施することとし、必要な経費を補正予算案として本定例会に上程しています。引き続き区内産業の活性化と区民の経済的負担の軽減を図ってまいります。

3 次に、教育についてです。

「未来の学校」プロジェクトでは、新しい学校の基本計画や、仮設校舎の設置とともに、これらのハードの整備に先行して、小中学校での教育内容も「新たな学び」への転換を図る準備を着実に進めています。
来年度からは全小中学校が、文部科学省の「授業時数特例校」の指定を受け、子供たちが主体的に探究的な学びや課題解決型の学びに取り組む「シブヤ未来科」の拡充を図ります。
さらに、ICT環境を活用した最新の学習コンテンツの導入を段階的に進めるとともに、先月からは、毎日の学習の振り返りや日記機能をデジタル化した「HACHIアプリ」を学習タブレットに導入しました。
これらの取組は、既に実装されている教育ダッシュボードとともに、我が国の教育DXの最先端を走るものであり、国や産業界からも大きな注目を集めています。
また、学校を地域のスポーツやコミュニティの拠点とするため、具体的なシミュレーションを重ねた検討を深めており、これも新たな発想での議論が必要です。
シブヤモデル「未来の学校」の実現のため、ハード・ソフト両面での検討や取組を、前例に捕らわれることなく大胆に進めてまいります。

4 次に、DX推進についてです。

来年1月より、総合コールセンターを発展させた「コンタクトセンター」が稼働します。従来の電話でのご案内に加え、ショートメッセージや動画でのご案内を行うなど、様々なデジタルツールを活用して問合せにお答えしていきます。また、わざわざ電話をかけなくても、チャットボットをはじめ一人ひとりのニーズに合った方法で、お困り事を解決できる環境を目指します。

5 次に、渋谷駅周辺のまちづくりについてです。

渋谷駅前桜丘口地区第一種市街地再開発事業については、平成10年に地権者による再開発準備組合が設立されてから25年目となる今月末に「渋谷サクラステージ」と命名された建物が竣工します。
桜丘地区では、地形の高低差によるバリアフリー動線の不足、国道246号やJR線によるまちの分断が、地域の大きな課題となっていました。本事業では、こうした課題を解消するために、JR線を横断する東西の自由通路が整備されるとともに、地下通路、デッキ、アーバン・コアを整備し、多層にわたる安全で快適な歩行者ネットワークが構築されます。
このような、人(ひと)中心でウォーカブルなまちづくりが進展することで、来街者の利便性が高まるとともに、まちの賑わいが渋谷駅周辺全体に波及し、渋谷の魅力が大きく向上することを大いに期待しています。

関連コンテンツ