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令和5年第3回区議会定例会での発言
更新日
2023年9月25日
(令和5年9月20日(水曜日)、第3回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)
令和5年第3回定例会 区長発言
本日ここに、令和5年第3回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会および区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
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初めに、前副区長による職員間コミュニケーションツール(チームズ)上での不適切投稿が明るみになり、区議会議員の皆様に多大なご迷惑をおかけしましたことを改めてお詫び申し上げます。あわせて、区民並びに関係者の皆様にも、大変なご不信とご心配をおかけしましたことに重ねてお詫び申し上げます。
任命権者として責任を痛感しており、今後は再発防止に意を注ぎ、失われた区民の信頼の回復に全力を尽くしてまいります。
2 次に、新型コロナウイルス感染症についてです。
本年5月、感染症法の5類に類型が変更された後も、国内や海外では新しい変異株が流行し、本区でも8月28日からの1週間で、1医療機関あたり11人の新型コロナ患者が診断されるなど、5月以降で最も多い患者数となっています。
医療機関への受診者が増えるに伴い、高齢者を中心に入院患者数も増加しており、現在、新型コロナウイルスは先の第8波と同じくらいの流行状況となっています。高齢者や基礎疾患を持っている方は重症化しやすく、新型コロナウイルスが誰にとっても安全なウイルスになったと言い切るには時期尚早です。
このような中で社会活動を維持するためには、私達が家族や地域社会を守るために自分自身の責任で、手洗いやマスク着用などの基本的な感染予防対策を適切なタイミングで実施することが重要です。
また、本日から新型コロナワクチンの令和5年秋開始接種が始まります。今回は重症化予防を目的としているため、65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する方など重症化リスクの高い方は、是非ワクチン接種をご検討ください。
本区では、これからも新型コロナウイルスの流行状況や感染予防の情報を更新し、区民の皆様へ発信するとともに新型コロナワクチンの接種体制を整えるなど区民の命と健康を守るための施策を着実に進めてまいります。
3 次に、渋谷駅周辺の迷惑路上飲酒およびハロウィーンへの対策についてです。
本年5月に新型コロナウイルスが5類感染症となり、それまでの行動制限や営業自粛などがなくなり、街に以前のような賑わいが戻ってきています。
その中で、渋谷駅周辺の繁華街にはインバウンドを含め来街者が急速に増え、新たな課題が深刻になってきました。コロナ禍を経て大幅に増加した渋谷駅周辺の路上飲酒は、それ自体が通行の妨げとなるだけでなく、ポイ捨てによるゴミの散乱や騒音などの問題行為を招く温床となっており、迷惑路上飲酒として街の秩序が脅かされる事態が生じています。
こうしたことから、先月「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」を発出し、今月から渋谷センター街など迷惑路上飲酒が深刻化しているエリアを中心に、自粛を促すパトロールを開始しました。
今後も様々な手段を用いて、国内のみならず海外に向けても、迷惑路上飲酒の現状や危機感を周知しながら、対策を講じていきます。
来月にはハロウィーン期間を迎えます。主催者のいない渋谷のハロウィーンについて、昨年までは「マナーとモラルを守って楽しんで欲しい」という趣旨を述べてきました。
しかし、現時点での来街者の状況から、今年は昨年までと全く異なり、雑踏事故の懸念など安全・安心の確保が難しい状況にあると強い危機感を抱いています。
そこで「渋谷はハロウィーンイベントの会場ではありません」をキャッチコピーとし、ハロウィーン目的で渋谷駅周辺に来ないで欲しいというメッセージを明確に発信することとしました。
さらに、ハロウィーン期間中は、警察による警備・交通規制に協力するのはもちろんのこと、各鉄道事業者や地元商店会・町会との連携をこれまで以上に強化し、区民・来街者の安全・安心の確保に、より一層努めてまいります。
4 次に、福祉についてです。
本年4月より開始した重層的支援体制整備事業では既に複数のケース対応を行っています。80歳代の母親と50歳代のひきこもりの息子の世帯の事例や、いわゆるゴミ屋敷にお住まいの方の事例など複数部署にまたがる課題のケースについて関係所管を集めた支援会議を開催し、適宜対応しています。この先、更なる増加が見込まれる困難かつ複合的なケースへの対応について、引き続き庁内横断的に取り組んでまいります。
また、本事業開始に合わせて本庁舎2階に「福祉なんでも相談窓口」および地域に出向いて相談を受ける「巡回型なんでも相談窓口」を開始しています。ここでは既存の相談体制では対応が難しかった相談を受け付けており、課題の早期発見、早期対応に結び付けています。この相談窓口を11月1日に文化総合センター大和田内に新設し、相談体制の更なる拡充を図ります。合わせて、重層的支援体制整備事業を共に担う団体が集い、交流や協議を行う渋谷区地域共生サポートセンター、通称「結(ゆい)・しぶや」を併設し、地域づくりや伴走支援のため、NPOや地域団体と日頃から顔の見える関係構築を図ってまいります。
なお、渋谷区共生サポートセンター設置条例案を本定例会に提出しております。
5 次に、学校の建て替えについてです。
青山キャンパス仮設校舎を設置し、広尾中学校などの建て替えを進める計画に続き、スポーツセンターの敷地の一部を利用した仮設校舎の整備と、周辺の小中学校の建て替え事業が始まります。
スポーツセンターの仮設校舎は、来年度工事に着手し、令和8年度から代々木中学校が使用を開始する予定です。その後15年間にわたり周辺5校の建て替えの仮設校舎として使用します。本定例会に上程した補正予算に、仮設校舎賃借に係る債務負担の設定を計上しています。スポーツセンターをご利用されている皆様にはご不便をおかけすることとなりますが、子供たちの「未来の学校」のために、ご理解を賜りたいと思います。
また、代々木中学校では、学校関係者や地域の方々による「建て替え準備委員会」を立ち上げ、新校舎の基本計画の策定に着手しました。地域の特色を生かした夢のある「未来の学校」の計画ができあがることを期待しています。
6 次に、国際交流についてです。
本区では、これまで、トルコ共和国にあるウスキュダル区との友好都市協定締結をはじめ、小中学生の派遣研修やスポーツ青年団の受入れ、区内にある大使館を中心としたイベントなど、海外都市との交流を深めていきました。一時期、新型コロナウイルス感染症の影響を受けましたが、活発な国際交流を継続して行っています。
その中でも、ペルー共和国とは様々な文化交流を行ってきましたが、本年は外交関係樹立150年を迎えることもあり、先日はペルー料理を学校給食で提供するなど新たな取組を実施しました。今後一層の両国の交流を深めるため、ペルー在日大使館を通じ、ペルー共和国の本国とも強く連携を図っていくことを確認しました。
また、本区と同じく世界に影響力を持つ国際都市ハワイ州ホノルル市においては、産業観光や文化、スポーツなどの区民交流の親和性が高く、さらにはSDGsや気候変動などの共通の課題に対して、お互いから学び、共に取組みを行うべく事業連携について対話を続けています。
今後は、両都市ともに更なる交流を深めることで区民生活の充実を図り、互いに持つポテンシャルを最大限活かし国際都市として発展することを目的として、都市協定締結を前提とした連携を進めていきます。
7 次に、デジタル地域通貨「ハチペイ」についてです。
昨年11月の開始以来、商店会や地域のお店をはじめ多くの店舗に加盟していただくとともに、様々なキャンペーンを通して御利用いただいている方も増えつづけています。
今年度も8%のポイント還元キャンペーンを実施しているところですが、ハチ公生誕100年とハチペイ1周年に当たる11月に30%ポイント還元キャンペーンを実施し、区内商業の活性化と区民の経済的負担の軽減を図ってまいります。
8 次に、スポーツ振興についてです。
水道道路を活用した北渋RunRunフェスタは、昨年度、国内初の公道1マイルレースとして、盛大に行われました。現在、11月12日の開催に向けて、参加エントリーを始めるなど実行委員会の皆様と準備を進めています。今年度はランナーへの応援や大会の祝祭感を地域全体により広げていけるよう、コース周辺で商店街などと連携したサブイベントを実施していきます。
また、令和7年には、東京で「第25回夏季デフリンピック大会」が100周年の記念大会として開催されます。区内の東京体育館では開・閉会式と卓球競技が予定され、今後、大会の周知や気運醸成事業に取り組んでいきます。デフスポーツを知り、体験することで、コミュニケーションや情報のバリアをなくし、障がい者への理解をより一層進めていきたいと考えています。
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以上、当面の課題などについて申し上げましたが、本定例会には、条例案7件、令和5年度一般会計補正予算案1件、令和4年度一般会計歳入歳出決算など4会計の決算審査、契約案件2件、指定管理者の指定案件1件、人事案件2件、報告案件7件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。