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令和4年第3回区議会定例会での発言

更新日

2022年9月16日

(令和4年9月7日(水曜日)、第3回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

令和4年第3回定例会 区長発言

1.初めに、感染症対策についてです。

新型コロナウイルス感染症の第七波は未だ終息しない状況が続いています。現在、60歳以上の方、基礎疾患を有する方などへの4回目のワクチン接種を実施中ですが、さらに、オミクロン株に対応したワクチンについて、2回目までの初回接種を終えた方を対象に10月中には接種を始められるよう準備を進めてますので、区民の皆様には接種のご検討をお願い申し上げます。


2.次に、物価高騰対策についてです。

最近の原油価格や物価の高騰は福祉施設サービス提供事業者の経営を圧迫し、サービス低下につながりかねない状況が危惧されています。そこで、福祉施設サービス提供事業者に対し、光熱水費等の一部を補助することで安定した事業運営を支援し、利用者に対するサービス水準を維持するために、必要な補正予算案を上程しています。

また、急激な物価高騰は学校給食の食材費にも影響を及ぼしています。これまで区立の小中学校では、献立の工夫や食材の変更などで対応してきましたが、学校現場の努力だけでは従来の給食提供が難しくなってきています。そこで、食材購入費の一部を区で補助するための経費も補正予算案として上程しています。保護者の給食費に係る負担を増やすことなく、これまでどおりの栄養バランスや量を保った学校給食を引き続き提供していきます。


3.次に、スタートアップ支援事業についてです。 

新しいアイデアや独自の技術を持つ多様なスタートアップが集積する都市を目指し、支援事業を開始してから2年が経過しましたが、この間、本区におけるスタートアップを取り巻く環境は、大きな進化を遂げています。

環境づくりに共に取り組むコンソーシアム組織のメンバー企業は100社を超え、コミュニティができつつあります。エコシステムの国際化に向け、昨年度開始したスタートアップ・ビザ制度は、現在10社以上の海外企業に活用されており、それに加え、共創の場を提供することで支援体制を充実させています。また、実証実験の採択数も40を超えており、本区は国内トップレベルのスタートアップ都市になってきていると自負しています。

今後、世界に伍するスタートアップエコシステム拠点として更に成長していくため、国際競争力を持ったスタートアップの創出という次のステップに向かいたいと考えます。そこで、民間企業と連携してグローバル・スタートアップ育成機関を設立するために、必要な補正予算案を上程しています。育成プログラムの実施や国際的な起業家の誘致を行い、本区の課題解決や区民福祉の向上に寄与する事業の創出を引き続き図ってまいります。


4.次に、デジタル地域通貨についてです。

本区では、長引くコロナ禍においても持続的かつ渋谷区らしい産業振興と地域コミュニティの活性化を図るため、新たに区独自のデジタル地域通貨の導入準備を進めています。先月、区ニュースでもご紹介したとおり、デジタル地域通貨の名称は「ハチペイ」に決定し、ハチ公をモチーフにしたキャラクターを活用しながら、多くの方に親しまれるものにしていきたいと考えています。

現在、サービスの開始に向けて、加盟店の募集を行なっていますが、導入費用を無料にするほか、ご負担いただく決済手数料についても、中小事業者などは無料としていますので、是非多くの事業者に参加してほしいと考えています。

また、サービス開始に当たっては、より力強く区内事業者や区民生活を応援していくため、さまざまなキャンペーンを行う予定であり、その経費を補正予算案として上程しています。例えば、マイナンバーカードで区民認証をした区民については、1万円をチャージすると50パーセントのポイントが上乗せされるプレミアム付きチャージキャンペーンなど、利用する区民にメリットがある施策を積極的に実施し、区内産業の活性化につなげていきます。


5.次に、デジタルデバイド解消事業についてです。

今年度は、区内のスタートアップ企業が開発した健康増進アプリを活用し、実証事業参加者の方々に更にスマホを使いこなしていただけるよう取り組んでいます。この健康増進アプリの散歩や脳トレで貯まったポイントは電子マネーに交換可能で、将来的にはデジタル地域通貨「ハチペイ」と連携し、キャッシュレスサービスの促進にもつなげていきます。

また、予約不要で気軽に相談ができる「スマホサロン」を新たに開始しました。サロンにはデジタル活用支援員を配置し、気軽におしゃべりしながらスマホ操作を学べますので、区民の皆様には是非一度ご利用いただきたいと思います。


6.次に、子ども医療費助成についてです。

現在、中学生までを対象としている子ども医療費助成ですが、子育て世帯への経済的負担の軽減策として、東京都の制度に合わせて高校生等までに対象を拡大いたします。これに伴い、来年度の制度導入に向けて、システム改修や制度周知などの準備を進めるための補正予算案を上程しています。


7.次に、不妊治療助成についてです。

今年4月から不妊治療が保険適用となりましたが、保険適用後も自己負担が発生することから、治療を受ける方の経済的負担を軽減し、より治療を受けやすくなるよう、自己負担の一部を助成するための経費を補正予算案として上程しています。

申請は来年1月から開始しますが、本年4月以降に治療を開始した方を対象とし、所得制限も実施しないこととします。

今後も不妊治療を支援するため、国や都の動向を見据えながら適切に事業を展開してまいります。


8.次に、スポーツ振興についてです。

東京2020大会から一年が経ちましたが、区では大会レガシーを継承するため、スポーツ振興事業に取り組んでいます。

まず、区役所15階のスペース428に、ボッチャコート2面を常設しました。年齢や性別、障がいの有無にかかわらず楽しめるボッチャの拠点として活用されることを期待しています。

また、スポーツの秋に向けて8種目のパラスポーツを気軽に体験できる「パラスポーツフェスタ」、パラバドミントンと車いすラグビーの「国際大会」などで、区民観戦やスポーツボランティアが大会を支えていく機会を創出していきます。

さらに、11月には誰もが気軽にランニングを楽しめるイベントとして、水道道路を活用した「北渋1マイルレース」の開催を予定しています。初めての開催に向け準備に多くのご尽力を頂いている実行委員会、地域団体や関係機関の皆様に感謝申し上げます。

1マイルレースは国内のロードレースでは例がなく、渋谷区自身を「15平方キロメートルの運動場」と捉えるまちづくりの一環として、今後ますます発展していくよう取り組んでいきます。


9.に、まちづくりについてです。

「都市再生ステップアップ・プロジェクト渋谷地区渋谷一丁目地区共同開発事業」では、東京都と渋谷区は昨年3月に事業協定を締結し、両者が共同して、民間の資金及び経営能力の活用により、相互に隣接する東京都児童会館跡地の都有地と旧第二美竹分庁舎及び渋谷区立美竹公園の区有地について、一体的な活用の実現を目指すこととしました。

地元アンケート結果等を踏まえ事業実施方針を作成し、昨年8月の事業者募集要項などの公表、学識経験者等外部委員による審査を経て、本年3月に事業予定者を決定・公表しました。

本事業では、児童会館の歴史を踏まえた人材育成が行える創造文化教育機能を持つ施設を整備するほか、渋谷区立美竹公園の再整備を行い、公園の地下にはスポーツを通じた交流を行うことができる多目的ホールを設置します。この多目的ホールは避難所を兼ねており、防災力の向上が期待されます。

今後は、事業予定者との基本協定の締結、来年度に予定されている定期借地権設定の契約について、それぞれ区議会のご審議を経て事業を進めてまいります。


10.次に、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進について2点申し上げます。

1つ目は「デジタルコミュニケーションプラットフォーム」の一次リリースについてです。

区民一人ひとりのニーズに的確に対応していくための仕組みである「デジタルコミュニケーションプラットフォーム」が間もなく稼働します。今月末の一次リリースでは、渋谷区子育てネウボラに関するオンラインでの相談予約を先行導入し、本人同意に基づいて、組織をまたいだ情報連携を開始します。また、今年度末には区民一人ひとりにパーソナライズされたサービスを提供するポータルサイトをリリースする予定です。

2つ目は「(仮称)シブヤ・スマートシティ推進機構」の設立についてです。

複雑化・多様化していく都市の課題に対し、産官学民が連携し取り組むための組織を立ち上げます。この連携組織ではデータや技術を活用し、組織や分野の垣根を越えて取り組むべき課題やテーマについて検討から施策創出までを共に行い、渋谷区の価値向上を目指します。


11.次に、区制施行90周年についてです。

来月4日に開催予定の区政功労者表彰式では「区制施行90周年」と冠し、区政の発展に尽くされた12名の方々に対する区政最高の栄誉である「区政功労者」の表彰を行うことに加え、本区が日本財団と進めている区内の公共トイレ整備事業に対し、企画・立案のほか多額の私財をご提供いただいた柳井康治(やない こうじ)氏について、特別区政功労表彰を行います。

また、式典では、本年10月に迎える区制施行90周年を記念し制作している「90周年記念誌」の紹介及び記念映像の上映も行います。この記念誌は、区民及び渋谷区に関わる多くの方にご覧いただけるよう、区有施設をはじめ区内書店にもご協力いただき配布するほか、電子ブックでも配信するものです。

この他、過去の広報誌や広報取材写真など貴重な資料をデジタル化し、渋谷区のアーカイブとして誰もが閲覧することができる専用サイトを構築します。区制施行90周年を契機に先人たちの軌跡をたどり原点を見つめ直すことで、現在の渋谷のカルチャーを再認識し、今後の区政の新たな発展の可能性を模索してまいります。


12.以上、当面の課題等について申し上げましたが、本定例会には、条例案16件、令和4年度一般会計補正予算案1件、令和3年度一般会計歳入歳出決算等4会計の決算審査、契約案件1件、指定管理者の指定案件3件、その他の議決案件1件、報告案件6件をご提案しております。

よろしくご審議のほどお願い申し上げます。


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