- TOP
- 区政情報
- 区長の部屋
- 区長のあいさつ・発言
現在のページ

令和7年 新年交歓会 区長挨拶
更新日
2025年1月24日
(令和7年1月6日(月曜日)、令和7年新年交歓会で述べた長谷部健区長の挨拶を掲載します。)
令和7年 新年交歓会 区長挨拶
新年、おめでとうございます。
本日は、区民の皆さまをはじめ、名誉区民、各国大使、多くの関係者の方々にご出席を賜り、新しい年を迎えることができたことを、大変嬉しく思います。
昨年を振り返ると、元日に能登半島地震が発生し、甚大な被害がもたらされました。被災された皆さまには心からお見舞いを申し上げます。渋谷区においても複数の自治体と防災に関する協定を結ぶなど、災害時に備えた取り組みを進めています。
また、学校建て替えや渋谷駅周辺再開発、玉川上水旧水路緑道再整備をはじめとして、これまで先人の方々が築き上げた歴史や財産など多くの地域資源をこれから先10年、100年先も見据え、次の世代に継承していけるよう、まちのリデザインを推進してまいります。
未来の学校プロジェクト
そのうえで、学校建て替え計画では、「未来の学校プロジェクト」として学校をコミュニティーの核と捉え、整備を進めてまいります。
いよいよ今年の夏から、青山キャンパス(仮設校舎)での学びがスタートします。また、スポーツセンター内の西原キャンパス(仮設校舎)も昨年末より着工しております。
計画・設計にあたり、探究学習をはじめとする子どもたちの多様な学習スタイルへの対応を目指して、子どもたちがタブレットや本で情報収集しながら学べる共有空間である「ラーニング・コモンズ」を中心とする、新たな空間づくりに取り組んでいます。昨年には、「ラーニング・コモンズ」の空間をいち早く小学生にも体験してもらうため、加計塚小学校、広尾小学校および臨川小学校に設置しました。
「未来の学校は、もう、ここにある。」というメッセージのもと、従来の仮設校舎の持つイメージを払拭するとともに、保護者や子どもたちが安心して、期待感を持って学校生活を送れるよう、しっかりと準備を進めてまいります。
広尾中学校と一体的に整備する新渋谷図書館は、1階と2階が緩やかにつながる空間構成とし、図書館全体に視線が抜ける、安心感と一体感のあるオープンな図書館になるよう整備を行います。本を読むだけでなく、学び合いや研究を深める会話のできる場、出会いや多世代の交流の場を創出し、多様な活動や居場所が共存するような空間構成を計画しています。
広尾中学校と松濤中学校は令和7年度に、代々木中学校は令和8年度に、順次、着工予定です。子どもたちと学校に集う人々が「ちがいを ちからに 変える」ことができる学校づくりを進めてまいります。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_1未来の学校プロジェクト-1(PDF 960KB)
R7新年交歓会区長挨拶スライド_1未来の学校プロジェクト-2(PDF 688KB)
渋谷駅周辺再開発
次に、渋谷駅周辺の開発についてです。渋谷駅東口地区においては、令和6年7月に渋谷アクシュが開業し、青山方面への新たな歩行者ネットワークが創出されました。
さらに、渋谷駅前の目抜き通りである宮益坂と道玄坂を擁する大山街道では、区民や来街者に開かれたウォーカブルな街並みを創出していきたいと考えています。令和6年度から、渋谷郵便局前の一部区間の整備を先行して開始しており、令和7年度末の完成に向け、工事を進めています。坂下や坂上で進められている再開発事業地との一体的な街並みについても実現していきたいと考えており、2030年代に全線の完成を目指しております。
また、歩行者ネットワークについては、渋谷駅を中心に、西の道玄坂上と東の宮益坂上をデッキでつなぐ歩行者導線「スカイウェイ」を整備する予定です。これにより谷地形がフラットにつながり、上り下りすることなく渋谷駅を東西に移動することが可能になります。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_2渋谷駅周辺再開発(PDF 773KB)
玉川上水旧水路緑道再整備
続いて、玉川上水旧水路緑道では、地域における多様な活動を育むことを意図した「FARM」というコンセプトのもと、地域に愛され、世界に誇れる空間となることを目指し、今まで以上に緑豊かな環境とするとともに、歩きやすくデザイン性のある園路、地域の方々が一緒にご利用いただける農園などを整備します。また、高さを工夫した照明を設置し、夜間の利用に必要な照度を確保するとともに、過度な明るさやまぶしさを避け、夜間でも安心して利用できる空間とする予定です。
これまで、区民の皆さまにご意見を頂きながら設計を進め、昨年の夏、笹塚緑道から再整備工事に着手しています。現在、緑道のみどりとの相性を考慮して、園路の部分には補色関係になるような赤褐色でデザインされたテラゾ舗装が施されております。テラゾ舗装は、平坦性や耐久性があることに加え、循環型社会の実現に配慮して、国内で発生したコンクリートの解体素材などを活用しています。持続可能な社会を目指すことは都市に住む私たちの責任であり、決して安くはありませんが、2.6kmの道に意味を持たせ、シティプライドを育むために必要な投資として大変意義があるものと考えています。
玉川上水旧水路緑道再整備のコンセプトやこれまでの経緯、再整備後のイメージなどを広く周知するため、令和6年12月、代々木緑道内に情報発信施設をつくりました。模型や動画を通して、再整備のイメージを詳しくお伝えしていますので、ぜひ、お立ち寄りください。
徐々に将来の緑道の形が見え始め、地域の皆さまからも完成を楽しみにしているといったお声が寄せられています。その期待に応えるため、本年は、大山緑道や幡ヶ谷緑道などの工事を順次進めて、ササハタハツエリアの価値向上、シティプライドの醸成につなげていきます。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_3玉川上水旧水路緑道再整備(PDF 988KB)
海外都市交流
続いて、海外都市交流についてです。渋谷区では、成熟した国際都市の実現に向けて、これまで積極的な国際交流を続けてまいりました。令和6年は、5月31日にアメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市と、6月26日にペルー共和国リマ市ミラフローレス区と、それぞれ姉妹都市協定を締結いたしました。
多種多様な民族と文化が共生するハワイ州ホノルル市は、「おもいやり」を意味する「マラマハワイ」をスローガンとし、「ちがいを ちからに 変える街。」を掲げる渋谷区とも共通点が多い都市です。
ホノルル市とは昨年、ハワイ大学女子バスケットボールチームや学校給食、シブヤ未来科を通じた交流を行いました。今後は産業観光や環境問題に関する事業連携なども行なっていきます。
続きまして、リマ市ミラフローレス区についてです。同区はペルーを代表する観光都市で、多くの観光客を魅了する渋谷区と共通する点が多く、駐日ペルー共和国大使館は渋谷区にあることから、これまでも民芸品制作のワークショップ、アートの展示会を共催するなど交流を深めてきました。
今後は、文化交流はもちろんのこと、互いに推進しているスタートアップ企業の連携など経済分野における交流などを通じて、さらなる事業連携を行なってまいります。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_4海外都市交流(PDF 991KB)
りばぁさいど原宿
次に、りばぁさいど原宿についてです。令和6年12月1日に重症心身障がいのある人や医療的ケアを必要とする人を含む身体障がい児者を主な対象とした神宮前三丁目障がい者福祉施設「りばぁさいど原宿」が開設しました。
建物は地上4階地下1階の5階建てで、1階には診療所、カフェ、会議室、2階には児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業、機能訓練事業、3階には生活介護事業、短期入所事業、園庭、4階には障がいに関する相談支援事業、利用者の訓練用プール、5階には遊戯室をそれぞれ整備しています。
障がいのある人へ、子どもから大人まで各ライフステージに合わせた支援の提供を行うとともに、障がいの重度化・高齢化や「親なき後」を見据えて地域生活を支援していくための面的整備を進めていきます。今後も、障がいのある人が望む暮らしを支え、切れ目のない支援を行い、共に支え合う地域づくりを目指して支援体制を整備していきます。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_5りばぁさいど原宿(PDF 662KB)
本町区民施設
次に、本町区民施設についてです。地域の皆さまをはじめ多くの方々に親しんでいただいていた渋谷本町学園第二グラウンドの体育館は、築50年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいました。そこで、老朽化施設の更新、防災機能の強化、分散されていた行政サービスの効率化を目的として建て替えを行うこととしました。
新しい本町区民施設は、出張所機能、区民施設、スポーツ施設、保育・幼児教育施設、防災備蓄倉庫などの機能を持つ複合施設となります。区民施設とスポーツ施設の複合施設という特色を生かし、地域コミュニティーへの利便性向上、多様な文化やスポーツなどに触れる機会の創出を図り、区民が健康で生き生きと暮らす、魅力ある地域づくりの拠点として、地域に愛される施設にしていきたいと考えています。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_6本町区民施設(PDF 453KB)
原宿の丘複合施設(仮称)
次に、原宿の丘複合施設(仮称)についてです。
ケアコミュニティ・原宿の丘は、築60年以上が経過し老朽化が進んだことから、地域の皆さまから寄せられた多くのご意見やご要望に基づいて「ケアコミュニティ・原宿の丘建て替え基本計画」を作成し、令和7年度から建て替えに着手し、令和11年度に新たな複合施設として開設する予定です。
基本計画では、1.原宿・神宮前地域のシティプライドを育む施設、2.誰もが快適に利用できるサステナブルな施設、3.より多くの人が広く利用できるインクルーシブな施設、とすることを基本方針として定めています。建て替え後は、区民施設機能、子育て支援機能、児童館機能、避難所機能を併せ持つ複合施設として整備することを計画しております。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_7原宿の丘複合施設(仮称)(PDF 418KB)
二の平渋谷荘
次に、二の平渋谷荘についてです。二の平渋谷荘は、老朽化により設備や建物に経年劣化が見られたことから、令和5年7月で一時閉館し、リニューアル工事を実施しています。客室やロビーなどの全面的な改装、サウナスペースの新設、ワーケーションスペースの新設、客室の増室を行い、令和7年7月にリニューアルオープンする予定です。さらに皆さまに愛される区民保養施設になっていますので、リニューアル後の二の平渋谷荘にぜひご期待ください。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_8二の平渋谷荘(PDF 387KB)
災害時相互応援協定
続いて、災害時相互応援協定についてです。昨年元日に発生した能登半島地震では、主要道路の寸断に伴う集落孤立やライフラインの寸断などにより、被災者救援が思うように進みませんでした。渋谷区で発災した場合、人口も多いことから広域避難も想定に含む必要があります。これまでもさまざまな自治体と防災に関する協定を結んでまいりましたが、災害時の体制をより強化するため、令和6年は8月に宮城県石巻市と、10月に栃木県宇都宮市、長野県茅野市、山梨県甲府市と、11月に福島県郡山市と、それぞれ防災時相互応援協定を結びました。この協定により、物資および資機材などの提供や職員の派遣、被災者を一時収容するための施設の提供およびあっせんなどが可能になりました。今後は、平時からの防災情報の共有はもちろん、行政の広範な分野における連携や、住民同士の交流も進めていきたいと考えています。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_9災害時相互応援協定(PDF 507KB)
デジタル地域通貨事業「ハチペイ」
次に、渋谷区のデジタル地域通貨事業「ハチペイ」についてです。
ハチペイは、おかげさまで好評をいただき、現在のユーザー数は16万6千人を達成し、そのうちマイナンバーカードを使って区民認証をしていただいている人も4万7千人を超えました。ハチペイを使える店舗も増え、約4,100店舗となっています。令和6年12月には、30%ポイント還元を実施し、多くの皆さまにご利用いただきました。
また、長引く物価高騰が区民の皆さまの生活に大きな影響を与えていることから、令和7年2月から、区民限定でプレミアム率50%のハチペイデジタル商品券キャンペーンを実施します。このキャンペーンでは、1万5千円分のお買い物ができるデジタル商品券を1セット1万円で、お一人2セットまで購入できます。
デジタル商品券を購入し、お買い物で使うためには、スマートフォンにハチペイアプリをインストールすることや、マイナンバーカードで区民認証をする必要がありますが、区内10カ所でサポート体制をとりますので、ぜひこの機会に使っていただきたいと思います。
R7新年交歓会区長挨拶スライド_10デジタル地域通貨事業「ハチペイ」(PDF 742KB)
以上、現在進めている施策の一部をご紹介させていただきました。今後とも、未来に向けた持続可能な行財政運営を推進し、区民福祉のさらなる向上に取り組んでまいります。引き続き、区民の皆さま、区議会、関係者の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
最後になりますが、この一年が皆さまにとって健康で、実りの多い年となることをご祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。
ありがとうございました。