直接参政制度とは
住民は自分たちが選挙で選んだ代表者を通じて地方自治行政に参加していますが、これだけでは住民の意思を地方公共団体の運営に必ずしも十分に反映することができません。
真に住民が地方公共団体の運営に参加していくためには、選挙で選んだ代表者が住民の意思に反するような行動をとるようなとき、住民が直接、自分たちの意思を実現するための手段が保障されていなければなりません。
このような考え方から設けられているのが、直接参政の制度です。
直接請求
条例の制定・廃止・改正の請求
選挙権のある区民(選挙人名簿に登録されている人)の1/50以上の連署をもって、その代表者が区長に条例の制定・廃止・改正の請求をすると、区長は20日以内に議会を招集し、意見をつけてこれを議会にはかります。
(地方自治法第12条1項、第74条~第74条の4)
事務の監査請求
選挙権のある区民(選挙人名簿に登録されている人)の1/50以上の連署をもって、その代表者が監査委員に、区の事務や教育委員会、選挙管理委員会などの事務について監査の請求をすると、監査委員は請求のあったことについて監査します。
(地方自治法第12条2項、第75条)
議会の解散請求
選挙権のある区民(選挙人名簿に登録されている人)の1/3以上の連署をもって、その代表者が選挙管理委員会に議会の解散を請求すると、選挙管理委員会はこれを有権者の投票に付し、選挙人の有効投票中、過半数の賛成投票があったときは、議会は解散します。
(地方自治法第13条1項、第76条~第79条)
議員、区長などの解職請求
選挙権のある区民(選挙人名簿に登録されている人)の1/3以上の連署をもって、その代表者から選挙管理委員会に対し、議員や区長の解職の請求をすると、選挙管理委員会はこれを有権者の投票に付し、選挙人の有効投票中、過半数の賛成投票があったときは、議員や区長は職を失います。
また、同じ手続きで、その代表者から区長に対し、副区長・選挙管理委員・監査委員・教育委員などの解職の請求をすると、区長はこれを議会にはかり、議員の2/3以上が出席し、その3/4以上の同意があったときは、対象となった人はその職を失います。
(地方自治法第13条2項・3項、第80条~第88条)
(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第8条)
住民監査請求
区長や委員会または委員、職員などについて、違法もしくは不当な公金の支出、財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行、公金の賦課・徴収、財産の管理を怠る事実があると認められるときは、区民は単独でも、これらを証する書面を添えて監査委員に対し監査を求め、防止や是正などの必要な措置を求めることができます。
監査委員は60日以内に監査を行い、請求に理由があると認めるときは、議会や区長などに対して必要な措置をとることを勧告します。
(地方自治法第242条)
住民訴訟
監査請求をした人は、監査委員による監査の結果もしくは勧告、議会や区長などの措置などに不服があるときは、監査請求にかかる違法な行為、怠っている事実につき、訴訟を提起することができます。
(地方自治法第242条の2)
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