令和3年第3回区議会定例会での発言

  • 更新日:
    令和3年9月13日

(令和3年9月13日(月曜日)、第3回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

令和3年第3回定例会 区長発言
 
 本日ここに、令和3年第3回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
 
1 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
本年8月以降、国内では、感染力が極めて強いデルタ株が猛威を振るい、全国的な感染拡大の様相を呈しています。
東京都における新規陽性者数は、一日当たり5千人を超えたこともあり、これまで経験したことのない爆発的な感染拡大となっています。
本区においても、8月には新規陽性者数が百人を超える日がしばしば見受けられ、今なお予断を許さない状況下にあり、患者対応を始めとするコロナ対策を最重要事項として、全庁的な応援体制と外部人材の導入により、おおよそ百人態勢で臨んでいます。
また、感染者の急増に伴い、7月下旬から重症者の入院調整など医療の確保が困難な状況になったため、重症化リスクのある方へのパルスオキシメーターの配布や、症状悪化時の対応として、渋谷区医師会と連携した往診医の派遣など、安心して在宅療養ができる体制を確保しました。さらに、感染拡大防止に対する積極的疫学調査については、家庭内の外、学校や幼稚園、保育園及び高齢者や障がいのある方の福祉施設、医療機関等を重点的に取り組んでいます。
今後も患者数の増加が危惧される中、流行の規模に応じて体制の強化を図ってまいります。
感染拡大及び重症化を抑制するためには、ワクチン接種をスピード感を持って推進していく必要があります。本区は、7月19日から「NHK渋谷フレンドシップシアター」、8月3日から「幡ヶ谷社会教育館」の2か所を、9月末まで集団接種会場として増設しました。取り分け、新規陽性者に占める割合が高い20代から40代の方への接種が急務と考え、平日や日中に仕事をお持ちの方が接種しやすいように土日、祝日及び夜間の対応も行ったところです。
また、個別接種医療機関や集団接種会場に行くことができない事情のある要配慮者に対する接種については、渋谷区医師会のご協力の下、自宅訪問により希望者への接種を今月初旬に完了しました。
区民の接種率については、2回目の接種を完了した高齢者は、80%を超え、区全体の2回目の接種率も60%に迫っており、他の自治体に比べても遜色ない水準となっています。
ワクチン接種がお済みでない区民の皆様にはご自身はもとより、ご家族や身近な人を感染から守るためにも、是非、接種をお受けいただき、感染の収束に向けご協力をお願いいたします。
本区は、10月末までに区全体で70%を超える接種率を目指し、引き続き渋谷区医師会と協力してワクチン接種を推進してまいります。
 
2 次に、東京2020大会についてです。
今月5日に、13日間に渡るパラリンピック競技の熱戦を終え、東京2020大会が閉幕しました。
本大会は、新型コロナウイルスの感染拡大により、過去に経験のない緊急事態宣言下での開催となりました。選手及び大会関係者の皆様には、コンディションづくりや感染予防対策に大変なご苦労があったものと拝察いたします。取り分け医療関係者の皆様には、通常の医療に加えて一方ならぬご尽力を賜り、改めて敬意を表すとともに感謝を申し上げます。
困難な状況下での大会でしたが、選手の皆様が連日、素晴らしいパフォーマンスを繰り広げ、互いをリスペクトし合う姿勢は、多くの人に、障害の有無を超えて感動と共感をもたらしたものと思います。正に、スポーツの持つ力と価値を改めて示してくれました。
本区では、これまでパラスポーツを中心として「する・見る・支える・応援する」を標榜してオリンピック・パラリンピック推進事業に取り組んできました。
こうした取組を大会開催の価値あるレガシーとして継承していくために、今後もパラスポーツの大会実施など、様々な形で継続して実施し「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現に向けて大きな原動力にしていきたいと考えています。
 
3 次に、教育における取組についてです。
この度「渋谷区いじめ防止等対策推進条例」の制定について、議案を上程し、ご審議頂くこととしています。
いじめ防止等の対策については、平成25年9月28日に「いじめ防止対策推進法」が施行されて以降、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進することが、一層、求められてきたところです。
これまでも、区立小中学校では、いじめを未然に防止する対策やいじめが起こったときの早期発見と対応は、重要な課題と捉え、取り組んできました。
しかしながら、いじめが発生する背景が複雑化・多様化する中で、学校がいじめを防止し、また、迅速かつ的確に対応できるようにするためには、社会全体の力を結集し、いじめに対峙することが必要です。
このような思いから、学校はもとより、区、教育委員会、保護者の責務、そして、地域住民及び関係機関の役割を明確に示すことで、より緊密な連携を促進し、もって体制の強化を図るため、本条例の制定を考えたところです。
本区としましても、教育委員会とともに、子ども達が安心して学校生活を送ることができるよう、尽力してまいります。
 
4 次に、区立中学校の部活動の支援についてです。
これまで部活動は、生徒たちがスポーツや文化活動を自主的・自発的に行う中で多くの喜びや達成感を覚え、さらに、集団において互いに切磋琢磨することにより、豊かな人間性や社会性を培うなど、大きな教育効果を上げてきました。
しかし、生徒が希望する種目や活動が必ずしも整っていないために、多様なニーズに応えられていないこと、運営面でも日々の指導や競技会への引率などにより顧問教員の負担が大きいことといった慢性的な課題を抱えています。
このような状況の下、学校の働き方改革の議論が高まり、文部科学省では、令和5年度以降、休日の部活動の段階的な地域移行の方針を打ち出しています。
本区では、この方針をスピード感を持って対応しなければならない教育課題として捉え、今年度新設したスポーツ部に専門員を配置し、学校や教育委員会等と密接な連携を図りながら「渋谷ならではの部活動改革」を調査・研究してきました。
11月から試行事業として、サッカーやボウリング等学校の枠を超えた合同部活動や、フェンシングやパソコン等運動部に限ることなく生徒の新たな幅広いニーズに即した種目を地域部活動として新設し、令和4年度からの本格実施を目指していきます。
そして、各種目の指導に当たっては、生徒に、より専門的で魅力的なプログラムが提供できるように、プロスポーツ経験者、競技団体、民間企業等、渋谷の特性を活かした多くのパートナーの皆様にご協力を頂きます。
また、新たな部活動では、段階的な学校の負担軽減や生徒のニーズに対して、柔軟かつ的確に応えていけるように、一般社団法人を10月に設立し、事業運営を担っていただきます。
この法人では、将来的には区立中学校を卒業した方々も継続して活動に参加し、多くの区民が集い、スポーツや文化活動が楽しめる「総合型地域クラブ」を目指します。
本定例会では、こうした部活動支援事業及び一般社団法人の設立・運営に係る経費を補正予算案として上程しております。
 
5 次に、環境施策について申し上げます。
昨今の集中豪雨や記録的な猛暑等の気象災害は、温室効果ガスによる地球温暖化が大きな原因と言われています。
先月公表された国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCの報告書は、人間の活動が気候変動を引き起こし、激しくしていることに議論の余地がないと述べ、各国に温室効果ガス削減の加速を呼び掛けています。
これに先立ち、国や東京都は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを表明しています。
こうした国内外の流れの中で、本区は、自治体レベルでの環境負荷低減の実践が急務との観点から、ごみの減量を目指し、当面、二つの取組を進めます。
一つは、これまでもお伝えしてきた「廃プラスチックの資源化」です。
本年第1回定例会で申し上げたとおり、プラスチック資源回収事業は、来年7月開始を目標に鋭意準備を進めているところです。
現在、特別区で廃プラスチックを資源回収している区の多くが、「容器包装リサイクル法」対象のプラスチックに限定しているのに対し、本区はプラスチック全般を資源として一括回収する先進的な取組を行う予定です。
もう一つは「生ごみの減量の可能性を探る実証事業」です。
水分を多量に含む生ごみの焼却は、大量の二酸化炭素を排出しながら水の処理をしていると考えることができます。
新たに取り組む事業は、生ごみを焼却することなく、微生物による完全な自然分解の可能性を探るという大変ユニークなものです。
その内容は、有機性廃棄物を高速分解させる微生物群を使い、生ごみの処理能力がどの程度発揮されるか等を検証するもので、「渋谷区ふれあい植物センター」及び「特別養護老人ホーム渋谷区あやめの苑・代々木」の2か所に専用容器を設置します。
また、「渋谷区ふれあい植物センター」が清掃工場還元施設であることに鑑み、この実証事業の中で、23区初となる「生ごみの拠点回収」を実施し、その定着の可能性についても研究してまいります。
これらの廃棄物等の発生抑制と循環的利用により、天然資源の消費を抑制し、環境にやさしいまちの実現を目指してまいります。
 
6 最後に福祉について3点申し上げます。
まず、生活にお困りの方への支援についてです。
コロナ禍が続く状況から、本年第2回臨時会においてご議決頂きました「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の申請期間が延長されました。生活に困窮されている方に必要な支援が適切に行き届くよう、対象となる方全員に案内を送付するとともに、窓口におきましても新型コロナウイルスの影響で収入が減少された方などに対し、引き続き安心して相談できる体制を整え、相談者に寄り添った丁寧な対応に努めてまいります。
次に、障がい者福祉施設についてです。
本区初の重症心身障がい児者及び医療的ケアが必要な身体障がい児者を対象とした複合施設である「神宮前三丁目障がい者施設」は、令和6年12月の開設を目指して、先月から工事に着手しました。近隣住民の皆様を始め、隣接する渋谷保育園の園児への安全に十分配慮しながら建設を進め、地域に開かれ、親しまれる施設として整備してまいります。
最後に、高齢者デジタルデバイド解消事業についてです。
高齢者にスマートフォンを2年間無料で貸与する実証事業は、応募頂いた方に対し、スマホを貸与の上、端末やアプリケーションの基本的な操作方法を学ぶための講座を今月6日からスタートしました。まずは、スマホ被貸与者への講座や個別相談会を計画的に実施しスマホの操作に慣れていただくとともに、既にスマホをお持ちの方も含めて、本区独自の「デジタル活用支援員」や「なんでもスマホ相談」を活用しながら、高齢者のデジタルデバイド解消とそれに伴う生活の質の向上に引き続き取り組んでまいります。
今後も「あらゆる人が、自分らしく生きられる街」の実現に向け、福祉の充実を図っていきます。
 
7 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案5件、令和3年度一般会計補正予算案1件、令和3年度国民健康保険事業会計補正予算案1件、令和2年度一般会計歳入歳出決算等4会計の決算審査、契約案件1件、人事案件2件、報告案件6件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

関連ページ