令和2年第4回区議会定例会での発言

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    令和2年12月15日

 本日ここに、令和2年第4回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
欧米諸国では、新型コロナウイルス感染の再拡大に拍車がかかっています。新規感染者数が過去最多を更新し、再びロックダウンや外出制限などの感染防止策を講じています。  
一方、日本国内においても、先月には感染者数が10万人を突破し、増加基調になってきており、収束の道筋は見えません。本区も連日、複数の感染者が発生し、ウィズコロナの時代に入ってきたと感じています。
また、季節性インフルエンザとの同時流行も懸念され、今後も感染の推移から目が離せない状況が続いていくものと思われます。引き続き、国や東京都の動向を見据えつつ、これまでの対応方針を継続しながらも、臨機応変に適切な対応を行ってまいります。
本定例会でも、改めて新型コロナウイルス感染症関連の補正予算案を上程しご審査を仰ぐものです。
1 初めに、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
これからインフルエンザ流行期を迎えるに当たり、発熱等の症状で、新型コロナウイルス感染症との区別が難しい患者の増加が見込まれます。また、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の普及に伴って、通知を受ける方が増えることも想定されます。
東京都は「新型コロナウイルス感染症に関する検査体制整備計画」を策定し、現在の最大稼働時で約4.6万件の検査体制を、ピーク時の検査需要として見込まれる1日当たり約6.5万件まで拡充するとしています。また、発熱等の症状があった場合には「かかりつけ医」が対応する医療体制の整備を進めるとともに、相談する医療機関がない方や「COCOA」で通知を受けた方を対象にした24時間電話対応の「東京都発熱相談センター」を設置しました。
本区におきましても、東京都の新たな相談体制、診療体制を区ニュース、区ホームページ等で区民の皆様に周知し、適切な利用をご案内する外、これまでと同様、濃厚接触者など感染の可能性が疑われる方への相談対応や受診調整等に取り組んでいきます。また、引き続き区内でのPCR検査体制を十分に確保するため、医師会や区内医療機関と連携しつつ、渋谷区地域外来・検査センターの運営を継続していきます。さらに、区民の皆様が発熱等の症状発生時に、最寄りの医療機関で安心してスムーズに診療や検査が受けられるよう、医師会の協力の下、診療・検査体制を整えます。
本定例会では、こうした渋谷区地域外来・検査センターの運営及び医療機関における検査実施と連絡調整体制の整備に係る経費を補正予算案に計上しております。
2 次に、ハロウィーンの対応についてです。
 今年のハロウィーンは土曜日に当たり、相当な人出が懸念されました。一方で、密集、密接の極みとなるハロウィーンの人出を如何に抑制し、新型コロナウイルスの感染リスクを減らすかが課題でした。
そこで、ハチ公広場の渋谷区民憲章ボードや商店街のフラッグに外出自粛のメッセージを掲出するとともに、私自身がメディアを通じてハロウィーン期間中に渋谷を訪れることを自粛するよう、直接呼びかけました。そして、来街者を抑制するための新たな対策が、音楽アーティストのオンラインライブ配信とインターネット空間に仮想のまちを再現した「バーチャル渋谷」の活用です。ハロウィーンを渋谷で楽しみたい人は、アバター(分身)として「バーチャル渋谷」を訪れてもらう試みです。
また、昨年に引き続き「渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例」に基づき路上飲酒を禁止し、渋谷駅周辺のコンビニエンスストア等に酒類の販売自粛の協力を求め、職員によるパトロールを実施しました。さらに、規模を縮小したものの昨年同様、民間警備員を配置し、不測の事態にも備えました。
こうした対策により、当日の人出は昨年比で4割減とも言われ、ごみも大量に減り、特に大きな事件、事故が発生することもありませんでした。警察関係者及び地元商店会の皆様のご協力にも改めて感謝申し上げます。
来年以降のアフターコロナにおいては、皆がマナーとルールを守り、秩序と賑わいが同居するハロウィーンにしていきたいと考えています。
3 次に、防災についての取組です。
本区は、区民、在勤者、事業所、防災関係機関等と連携して、総合防災訓練、地域防災訓練など、様々な訓練を積み重ね、災害発生に備えてきました。
しかし、とりわけ区民の訓練参加者の高齢化が課題であったため、若いファミリー世代にも、訓練に興味・関心を持ち、防災意識を高めていただきたいという思いから、平成28年度から渋谷防災フェスを、また、平成30年度から渋谷防災キャラバンを実施してきました。
本年は、オリンピック・パラリンピックが予定され代々木公園の利用ができない理由があったことから、防災フェスは当初から中止となり、その上、新型コロナウイルスの感染拡大により、防災キャラバンも予定の開催が困難となりました。そのため、防災キャラバンは、オンライン開催へと新たな取組を始めました。
これまで、8月には「台風と豪雨災害」、9月には「避難所運営」、10月には「親子防災」、11月には「防災とテクノロジー」というように、毎回テーマを絞り、動画を用いて、わかりやすく親しみやすい内容になるよう心掛けてきました。オンラインであればどこでも参加でき、アーカイブを見ることもできます。
今年度の残り3回は「首都直下地震」をテーマとして、多くの皆様の興味や関心を引く有意義なプログラムになるよう準備を進めているところです。
また、現在はユーチューブによる配信という方法をとっているため、アクセスできない方々への配慮として、今後インターネット上以外の様々な場所でも繰り返し視聴できるように、防災、減災について数年先まで役立つ情報も意識的に盛り込んでいます。アフターコロナにおいても、地域の防災訓練や防災講話の機会を捉えて一人でも多くの方々に視聴していただき、防災意識の高揚を図ってまいります。
4 次に、デジタルトランスフォーメーションの推進についてです。
本区は「渋谷区実施計画2020」において「ICT利活用等による行政運営の効率化」を重点施策として掲げ、他の自治体に先行して各種ICT施策の推進に積極的に取り組んできました。コロナ禍において、官民を問わず多くの職場で三密状態を回避するために、在宅勤務やオンライン会議等「新しい生活様式」への早急な対応が求められる中、本区は、デジタル化への対応を大きな負担もなく迅速に実現できた数少ない自治体です。このデジタルトランスフォーメーションの流れを今後も止めることなく、更に推進していきます。
取組の一つとして、来年1月から、住民記録、税などの本区の基幹系システムを最新のものに更新します。単なるシステムの入替えではなく、1.業務の標準化・効率化、2.システムの保守性の向上、3.更なるセキュリティ対策の強化、4.システム環境の利便性向上と、これら四つの観点から現状の業務を分析し、一層の業務の効率化と区民サービスの向上を図ります。併せて、RPAやAIを積極的に活用し業務の自動化も進めてまいります。
5 次に、教育における取組についてです。
本年9月、教育タブレット端末を含む教育ICT基盤を更新し、まもなく3か月が経過します。
現在、教育委員会では、授業のハイブリッド化を推進するとともに、遠隔・オンライン教育により不登校の児童生徒の学習を支援する「渋谷リモート」に取り組んでいます。
取組の一つとして、遠隔・オンライン教育におけるスムーズなコミュニケーションを実現し、これまで以上に授業を配信しやすい環境を整備するため、各学校に外付けのWEB会議専用カメラを新たに配備する予定です。この取組により、登校できない子ども達も学校にいるときと同じ様に学習できることになります。
 次に、学校施設の長寿命化計画策定についての取組です。
これまで検討委員会では、ICT環境、ユニバーサルデザインなど、時代のニーズに応える教育環境の整備のみならず、避難所機能や公共施設との複合化・共用化など、地域の拠点としての学校づくりという観点からも「学校施設の目指すべき姿」について議論されてきました。
加えて、区内で小規模校と大規模校の二極化が見受けられる現状において、将来を見据えた学校施設整備のため、学校施設の改築又は大規模改修並びに適正規模及び適正配置を一体的なものとした長寿命化計画を策定するため「学校施設の適正規模・適正配置の基本的考え方」についても、国の動向を注視しつつ整理を進めています。
来月には素案を公表することとしており、その議論も踏まえ、教育委員会では、学校選択希望制について検討を始めています。
本区では、平成16年度に新小・中学校1年生が入学する時から、学校選択希望制を導入し、16年が経過しました。長寿命化計画策定の際にも議論となった「地域と学校の関係」をどう考えるか、また、中学校における「特色ある学校づくり」をどのようにしていくのか、といった観点からも検討を進めてまいります。
6 次に、区立スポーツ施設の指定管理者制度についてです。
区立のスポーツ施設では、平成30年4月に、スポーツセンター、二子玉川区民運動施設、代々木大山公園運動場、代々木西原公園庭球場の4施設で指定管理者制度を導入しました。このことにより、スポーツセンターのトレーニング室を拡充したり、専門事業者が持つ経験やアイデアを活用した事業を開催したり、様々な充実したサービスが提供されています。
 そこで、新たに、猿楽トレーニングジム、代官山スポーツプラザ、ひがし健康プラザの3施設を一体として指定管理者制度を導入し、更なるスポーツ振興の活性化と区民の健康増進を図りたいと考えます。
 指定管理者の候補者については、先般、指定管理者選定委員会にて、多様化する区民のスポーツニーズへの柔軟かつ迅速な対応や効率的で質の高いサービスの提供等について、提案内容の具体性や実現性等が審査されました。本定例会には、その手続の後、選定した指定管理者の候補者について議案を上程しています。
7 最後に、福祉について3点申し上げます。
まず、高齢者の情報弱者、いわゆるデジタルデバイド対策についてです。
ウィズコロナの時代に求められる「新しい生活様式」では、スマートフォンなどのデジタル機器が生活の質を向上させる役割を担うことが期待されています。しかし、高齢者の多くがスマートフォンを保有していない、あるいは保有していても十分に活用しきれていないといった課題が浮き彫りになっています。先月、高齢者デジタルデバイド解消担当課長を新たに配置し、その解決に向けてスタートを切りました。
区がスマートフォンを保有していない一部の高齢者に、モデル実証としてスマートフォンを一定期間お試しいただく機会を提供するとともに、既に保有している方も含めてサポート体制を構築し、比較的容易に利用できるアプリを提供することなどを事業スキームとし、来年度の実施に向け検討を始めています。高齢者のデジタルデバイド解消に向け全庁的に取り組んでまいります。
2点目は、次期「渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」及び「渋谷区障害福祉推進計画」についてです。
本区では「渋谷区基本構想」の福祉分野のビジョンである「あらゆる人が、自分らしく生きられる街へ。」の実現を目指し、現行計画を実施してきました。高齢者福祉施策では、地域包括ケアシステムの深化・推進、また、障がい者福祉施策では、基幹相談支援センターの設置による相談支援の充実などに取り組んできたところです。現在、その実績と課題を踏まえ、来年度から新たに始まる次期計画の策定を進めています。
 高齢者福祉及び障がい者福祉、それぞれ取組の諸課題について「介護保険事業計画等作成委員会」及び「自立支援協議会」でご議論いただき、今月、各中間のまとめ・素案が完成しました。これを基に、住民説明会やパブリックコメントを実施し、広く皆様のご意見・ご要望を反映できるよう努めます。策定に当たっては、地域包括支援体制の拡充を図りながら、地域共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
福祉の3点目は、介護施設及び障がい者施設におけるPCR検査についてです。
新型コロナウイルス感染の収束が依然として見えない中、重症化リスクの高い高齢者や障がい者が利用する施設では、感染者が発生した場合の影響が大きいため、日々の感染予防対策に加えて適切なPCR検査等により感染者を早期に把握し、感染拡大の防止を図ることが重要です。
本定例会に上程した補正予算案には、施設の職員と利用者の安全・安心を確保する観点から、行政検査の対象とならない新規施設入所者や濃厚接触者に該当しなかった方など、優先度の高い一定の範囲の方を対象にPCR検査を実施するための経費を計上しています。医師会の協力の下、PCR検査を無料で受けられる体制を整え、介護施設及び障がい者施設の職員と利用者の安全・安心の確保に努めてまいります。
ウィズコロナの時代においても「あらゆる人が、自分らしく生きられる街へ。」の実現に向け、福祉の充実を図っていく所存です。
8 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案12件、令和2年度一般会計補正予算案2件、指定管理者の指定案件5件、その他議決案件1件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

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