渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想〈改定版〉 平成31年(2019年)3月 渋谷区 ダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けて 〜「渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想」の策定に寄せて〜 本区は、平成28年(2016年)12月に策定した新たな「渋谷区基本構想」の中で、ロンドン、パリ、ニューヨークと並ぶ世界に誇れるような成熟した国際文化都市を目指すことを表明しています。また、本区の未来像を「ちがいをちからに変える街。渋谷区」として掲げ、「ダイバーシティ&インクルージョン」の考え方を大切にし、人種、性別、年齢、障害を超えて渋谷区に集まる全ての人の力をまちづくりの原動力とし、「街の主役は人」としています。 こうした中で本区を取り巻く人口構造や社会環境も絶えず変化を続けており、2年後の「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に向けても本区には、国内外からの多数の観光客やパラリンピアンをはじめとする渋谷を訪れる誰もが、安全に移動し施設を利用することができるバリアフリーの整備をすることで、渋谷に住む人々とともに交流し新たな文化や情報を発信することができます。これからも本区が世界に誇れるような魅力あふれる都市であり続けるためにバリアフリーという都市基盤の整備にしっかりと取り組んでまいります。 さらに、高齢者や障害者等の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、その社会参加に積極的に協力する「心のバリアフリー」の浸透が必要です。心のバリアフリーの浸透は、障害の有無などにかかわらず、誰もが人格と個性を尊重し支え合い、ともに生きる共生社会の実現につながるものです。本区は、これを「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」のレガシーとして残す取り組みを強めつつ、心のバリアフリーにとどまらない未来を明るくする福祉とは何かを追求・実践していきます。 そこで本区では、このような取り組みを集中的に一体的に推進するために、「100年に1度」と言われるような大規模な整備・再開発が進行中の渋谷駅周辺地区を重点地域と定め、「渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想」を策定しました。今後は、区民や事業者と区がさらに連携し、駅からまちへとバリアフリーを広げ、誰にとってもやさしく安全で快適に移動できるまちづくりを目指していきます。 結びにあたり、当基本構想の策定にあたりまして長期間にわたり現地でのバリアフリー点検や熱心な協議・検討にご尽力いただいた関係各位、パブリックコメントなどにご意見やご提案をお寄せいただいた皆様に厚く御礼申し上げます。 平成30年(2018年)3月 長谷部健 目次 1.構想の策定にあたって 1ページ 1の1 バリアフリー基本構想の目的と概要 1ページ 1の2 構想の位置づけと目標年次 4ページ 2.渋谷駅周辺地区の生活関連施設・経路及び区域の設定 5ページ 3.バリアフリー化の基本方針 7ページ 4.生活関連施設・経路の整備方針 8ページ 5.心のバリアフリーの取組方針 13ページ 6.特定事業の設定 18ページ 7.今後の推進に向けて 20ページ 参考資料 資料1 策定の経緯 26ページ 資料2 まち歩き点検による区民意見 29ページ 資料3 ヒアリング等による区民意見 43ページ 資料4 区民部会の検討概要 46ページ 資料5 街頭アンケート調査による意見 51ページ 資料6 事業者のバリアフリーの取組状況 53ページ 資料7 渋谷区バリアフリー推進協議会委員名簿 56ページ 資料8 用語解説 57ページ 本文中で「アスタリスク」印を右上に付した語句は、巻末の「用語解説」において説明しています。 1.構想の策定にあたって 1の1 バリアフリー基本構想の目的と概要 かっこ(1)背景と目的 ●バリアフリー法「アスタリスク」に基づき、渋谷駅周辺地区を重点整備地区注に定め、バリアフリー基本構想「アスタリスク」を策定します。 急速な高齢化と少子化が同時進行し、人口減少社会を迎えた我が国では、高齢者や障害者なども含めた、すべての人たちが社会活動に参加し、自己実現するための施策が求められています。 そこで、公共交通機関、建築物、道路、公園などのバリアフリー「アスタリスク」化を推進し、高齢者、障害者等の移動や施設利用の利便性、安全性の向上を図るため、2006年12月に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(バリアフリー法)がせこうされました。 バリアフリー法では、駅を中心とした地区や公共施設等が集まる地区において、重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進するため、区市町村が、一定の地区(重点整備地区)を定め、その地区のバリアフリー化の事業の推進に関する計画(バリアフリー基本構想)を策定することができます。 渋谷区では、道路、公園、公共的な建築物等を整備する際、東京都福祉のまちづくり条例「アスタリスク」に則り、バリアフリーに配慮したまちづくりを進めてきました。今後は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、より一層充実したバリアフリーの実現が急務となっています。 また、2016年4月にせこうされた「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法「アスタリスク」)では、社会的障壁を取り除くために、必要かつ合理的な配慮を行うことや、配慮を行うための環境整備として、バリアフリー化の実施に努めることが求められています。 これらを踏まえ、多くの人が訪れる、また、大規模な開発が進展する渋谷駅周辺地区において、公共交通機関、建築物、道路、公園などの一体的なバリアフリー化を推進するとともに、これをモデルとして区内全域のバリアフリーの充実を進めるため、バリアフリー法に基づき、「渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想」を策定します。 注)重点整備地区:区市町村が、バリアフリー化の事業の推進に関する計画(バリアフリー基本構想)を定める地区として、駅を中心とした地区や公共施設等が集まる地区など、一定の範囲を定めるもの。 2ページ かっこ(2)重点整備地区の設定 バリアフリー法「アスタリスク」において、重点整備地区「アスタリスク」の要件は、次のまる1からまる3のように定められています。 まる1 不特定多数の人が利用する、または、高齢者、障害者等の利用が多い、鉄道駅、公共施設、商業施設等があり、かつ、それらのあいだの移動が通常徒歩で行われる地区 まる2 まる1の施設及びそれらの施設のあいだを結ぶ経路について、バリアフリー「アスタリスク」化の事業が特に必要な地区 まる3 総合的な都市機能の増進を図るうえで有効かつ適切な地区 上記の要件を踏まえ、以下の設定理由により、「渋谷駅周辺地区」を重点整備地区として設定します。 なお、渋谷駅周辺地区以外のバリアフリー化の推進については、渋谷駅周辺地区における今後の実施結果を踏まえ検討していきます。 ■渋谷駅周辺地区の設定理由 渋谷駅は、4社8線の鉄道路線が結節するとともに、都内最大級のバスターミナルを持ち、国内有数の利用者数があります。 渋谷駅の徒歩圏には、区役所や文化総合センター大和田など、全区的な利用のある公共施設が立地するとともに、百貨店等の商業施設やホテルなどもあり、不特定多数の人が利用する施設が集積しています。 渋谷駅は、多層階に分散する駅施設の乗り換え動線に対してバリアフリーが不十分となっています。 渋谷駅を中心とした地区では、公共と民間の協力のもと、渋谷駅の機能更新と再編、駅前広場や道路などの公共施設の再編・拡充、駅ビルの再開発といったまちづくりが一体的に進められており、これらのまちづくりとの連携により、バリアフリー化を推進することができます。 渋谷駅を中心としたまちづくりでは、商業・業務・文化機能の集積を活かし、世界に開かれた生活文化の発信拠点となる“渋谷”の実現を目指しており、重点的かつ一体的なバリアフリー化事業の実施が都市機能の増進を図るうえで有効かつ適切な地区と考えられます。 3ページ かっこ(3)バリアフリー基本構想の概要 バリアフリー基本構想「アスタリスク」には、主に以下の内容を定めます。 まる1 生活関連施設 不特定多数の人が利用する、または、高齢者、障害者等の利用が多い、旅客施設、官公庁施設、文化施設、福祉施設、病院、商業施設など 詳細は5から6ぺーじ まる2 生活関連経路 生活関連施設と生活関連施設を結ぶ経路 詳細は5から6ぺーじ まる3 重点整備地区「アスタリスク」の区域 生活関連施設と生活関連経路で構成されるバリアフリー「アスタリスク」化を重点的かつ一体的に進める区域 詳細は5から6ぺーじ まる4 基本方針等 重点整備地区のバリアフリー化を進めていくための基本的な方針など 詳細は7から17ページ まる5 特定事業「アスタリスク」 基本方針等に基づき、施設管理者がバリアフリー化に取り組む事業 詳細は18から19ページ まる6 その他の事項 構想策定後の進行管理、実施段階における住民参加、長期的な課題への対応など 詳細は20から25ページ 重点整備地区のイメージ 鉄道駅を中心に官公庁、福祉施設、公園、病院、商業施設の生活関連施設が生活関連経路で結ばれ、その全体を重点整備地区の区域で囲んでいる図 4ページ 1の2 構想の位置づけと目標年次 かっこ(1)構想の位置づけ 本構想は、「バリアフリー法「アスタリスク」」及び国が定めた「移動等円滑化の促進に関する基本方針「アスタリスク」」に基づき策定するものです。また、「渋谷区基本構想「アスタリスク」」、「渋谷区長期基本計画「アスタリスク」」に即すとともに、関連する分野別計画や渋谷駅周辺整備の関連計画などと整合を図った構想とします。 バリアフリー基本構想の位置づけ バリアフリー法やじるし移動等円滑化の促進に関する基本方針やじるし渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想 東京都福祉のまちづくり条例やじるし渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想 障害者差別解消法やじるし渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想 渋谷区基本構想(2016年10月策定)やじるし渋谷区長期基本計画2017年から2026年やじるし渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想 関連計画 まちづくりマスタープラン、高齢者保健福祉計画、障害者保健福祉計画、子ども・子育て支援事業計画、自転車安全利用指針、渋谷駅周辺整備の関連計画、渋谷駅周辺の地区計画 などと連携、整合やじるし渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想 かっこ(2)構想の目標年次 ●目標年次は2027年度、短期目標として2020年度を設定します。 本構想の目標年次は、渋谷駅中心地区の整備完了予定に合わせ、概ね10年後の2027年度に設定します。 また、東京オリンピック・パラリンピックの開催される2020年度を短期の目標年次に設定します。 5ページ 2.渋谷駅周辺地区の生活関連施設・経路及び区域の設定 かっこ(1)生活関連施設の設定 ●生活関連施設の候補施設を設定し、本構想の取り組みへ参画した施設を生活関連施設とします。 生活関連施設とは、「高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する旅客施設、官公庁施設、福祉施設その他の施設」をいいます。(バリアフリー法「アスタリスク」第2条第21号 イ) 渋谷駅周辺地区では、バリアフリー法の趣旨、地区の状況等を踏まえ、下表の対象範囲から生活関連施設の候補施設を抽出し、本構想の取り組みへ参画した施設を生活関連施設に定めます。 なお、生活関連施設の候補施設には、建設中の施設も含めることとします。 渋谷駅周辺地区の生活関連施設の候補施設 種類 対象範囲 公共交通の鉄道駅 一日平均3000人以上の乗降がある鉄道駅 注1 建築物の行政施設 区役所・出張所等、商工会館、保健・福祉施設、文化施設、地域コミュニティー施設、学校、税務署、法務局、年金事務所、ハローワークなど 建築物の金融機関 銀行、郵便局等 建築物の商業施設・集客施設 物品販売店(店舗面積1000平米以上)注2、映画館・ホールとー(床面積1000平米以上)注3 建築物の宿泊施設 ホテル(床面積1000平米以上)注3 公園 公園、児童遊園地 ろがい駐車場「アスタリスク」 都市計画駐車場 注1:「移動等円滑化の促進に関する基本方針「アスタリスク」」の整備目標に定められている鉄道駅を抽出 注2:大規模小売店舗立地法「アスタリスク」において大型店と規定している物品販売店を抽出 注3:東京都の「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例「アスタリスク」」において、新築、改築等の場合にバリアフリー「アスタリスク」化が義務付けされる施設を抽出 6ページ かっこ(2)生活関連経路の設定 生活関連経路とは、「生活関連施設相互間の経路となる道路、駅前広場、通路等」をいいます。(バリアフリー法「アスタリスク」第2条第21号 ロ) 渋谷駅周辺地区では、以下の経路を生活関連経路に設定します。 なお、生活関連経路には、整備予定の道路も含めます。 ・渋谷駅及びバスターミナルと生活関連施設を結ぶ経路 ・生活関連施設同士を結ぶ経路 ・できる限り歩道のある経路 かっこ(3)区域の設定 渋谷駅周辺地区の区域は、原則、以下の要件をもとに設定します。 ・渋谷駅を中心とした徒歩圏内(概ね500メートルの範囲)とする ・生活関連施設及び生活関連経路を含む範囲とする ・区域の境界はできる限り道路、鉄道等の施設の境界とする ・区域の境界となる道路に面して生活関連施設がある場合、区域はその施設の敷地を含める 具体的な生活関連施設及び生活関連経路並びに渋谷駅周辺地区の区域は、別紙1に示すとおり設定します。 7ページ 3.バリアフリー化の基本方針 渋谷駅周辺地区において、すべての人にとって、移動しやすく、利用しやすい環境を実現するため、以下に示す方針に基づき、区民等注1、事業者注2、区が連携し、ハード「アスタリスク」面とソフト「アスタリスク」面のバリアフリー「アスタリスク」化を進めます。 かっこ(1)ハード面の方針 まる1 渋谷駅を中心とした徒歩圏内において、不特定多数の人が利用する施設や道路等を対象に、区と事業者が連携して一体的なバリアフリー化を推進します。 まる2 高齢者、障害者を含むすべての人が、渋谷駅から不特定多数の人が利用する施設へ円滑にアクセス「アスタリスク」できるように、また、地区内の回遊性「アスタリスク」にも配慮し、道路や通路のバリアフリー化を推進します。 まる3 高齢者、障害者を含むすべての人が、快適に利用できるように、施設のバリアフリー化を推進します。 まる4 渋谷駅周辺のまちづくりと連動してバリアフリー化を推進します。 まる5 公共交通機関の乗り換え動線のバリアフリー化を推進します。 まる6 空間構成、案内サイン、人的対応などを効果的に組み合わせ、わかりやすい経路を確保し、適切に誘導します。 かっこ(2)ソフト面の方針 まる1 ハード面の整備と一体的にソフト面の取り組みを進めます。 まる2 区は、区民等や事業者の理解を深めるため、広報活動、啓発活動等を進めます。 まる3 事業者は、高齢者、障害者等の要望を真摯に受け止め、利用者にとって使いやすい施設の改善を推進します。 まる4 事業者は、高齢者、障害者等に対するせつぐう・介助に関する知識や技術の向上を図るため、職員等の教育の充実を図ります。 まる5 区民等は、高齢者、障害者等への接し方や支援の方法を取得し、理解と協力を深めます。 まる6 区民等は、視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」や多機能トイレ「アスタリスク」など、必要としている人が利用できるように、ルールを守り、マナーの向上に取り組みます。 注1)区民等とは、区民のほか、渋谷駅周辺に勤めている従業者、渋谷駅周辺に通学している学生、その他渋谷駅周辺の利用者を含めた人です。 注2)事業者とは、渋谷駅周辺で、生産・営利等一定の目的を持って、継続的に事業を運営する組織、団体のことです。 8ページ 4.生活関連施設・経路の整備方針 バリアフリー「アスタリスク」化の基本方針(7ページ参照)にしたがって、渋谷駅周辺地区のハード「アスタリスク」面のバリアフリー化を進めるため、各施設管理者等は、以下に示す整備方針に基づき、生活関連施設及び生活関連経路のバリアフリー化に取り組みます。 かっこ(1)公共交通のバリアフリー化 ア 鉄道駅 まる1 高齢者、障害者を含むすべての人が安全かつ円滑に移動できるよう、駅前広場や道路など駅の外部から改札口を経てホームまで、バリアフリー化された経路を確保します。 まる2 案内サインは、情報の内容、表示の方法などを考慮して、見やすさとわかりやすさを確保するとともに、駅内外の連続性、統一性に配慮し設置します。 まる3 運行情報の案内、列車接近の警告、事故等の緊急情報については、文字及び音声などにより情報提供します。 まる4 視覚障害者が円滑に移動できるように、視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」や点字、音声などによる案内を設置します。 まる5 円滑な乗降を確保するため、列車との段差及び隙間をできる限り小さくします。 まる6 ホームからの転落を防ぐため、ホームドア「アスタリスク」または内方線付き点状ブロック「アスタリスク」を設置します。 イ バスのりば まる1 車椅子使用者やベビーカー使用者が、バスに円滑に乗り降りできるように、バス乗降場を整備します。 まる2 バス停の位置を案内する視覚障害者誘導用ブロックを設置します。 まる3 電気設備の状況等を考慮し、設置可能な場合、バスの運行情報を文字や音声などで知らせる案内設備を設置します。 まる4 歩行空間や地下埋設物への影響などを考慮し、設置可能な場合、上屋やベンチを設置します。 9ページ ウ タクシーのりば まる1 歩道と車道のあいだの段差や勾配は、車椅子使用者等がタクシーに円滑に乗り降りできるように、タクシー乗降場を整備します。 まる2 タクシー乗降場の位置を案内する視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」を設置します。 まる3 空間が確保できる場合、上屋を設置します。 (2)道路等のバリアフリー化 ア 歩道等 まる1 歩道は、路面の平坦性、適切な段差や勾配の確保など、高齢者、障害者を含むすべての人が安全かつ円滑に移動できる構造とします。 まる2 視覚障害者の安全を確保するため、歩行者の通行動線上の歩道から車道へ出る手前には、視覚障害者誘導用ブロックを設置します。 まる3 視覚障害者誘導用ブロックは、JISの規格に合わせた形状とします。また、色はきいろを原則とし、舗装の色との対比による視認性を十分に確保します。 まる4 歩道のない 道路では、歩行者の安全性向上への工夫を行います。 まる5 歩行空間の機能を十分に維持・保全するため、看板・商品等の歩道上の障害物の排除と適切な管理を行います。 イ 信号機・横断歩道・横断歩道橋 まる1 高齢者、障害者等が安全に横断できるよう、信号機の設置された横断箇所では、適切な歩行者用青時間を確保します。 まる2 道路を横断する視覚障害者の安全を確保するため、主要な生活関連経路には、音響式信号機「アスタリスク」を整備するとともに、必要に応じてエスコートゾーン「アスタリスク」を設置します。 まる3 必要に応じて、青延長用押しボタン付き信号機や青時間の残り時間・待ち時間を表示する経過時間表示機能付き信号機を整備します。 まる4 横断歩道橋による横断が必要な箇所では、高齢者、障害者等が安全かつ円滑に横断できるように、横断歩道橋へのエレベーターの設置、沿道施設のエレベーターの活用、横断歩道設置に合わせた横断歩道橋の撤去などの対策を講じます。 注)信号機・横断歩道等は、歩道がない場合など、整備が行えない場合があります。 10ページ ウ 自転車対策 まる1 放置自転車は、視覚障害者がぶつかったり、車椅子使用者やベビーカー使用者の通行の妨げになることから、自転車駐車場の確保とともに、放置自転車の撤去を進めます。 まる2 歩行者の安全を確保するため、自転車通行環境の整備を行います。 まる3 放置自転車の排除、自転車事故の防止を図るため、自転車利用に関するルールの周知とマナーの向上を図ります。 エ 案内サイン まる1 案内サインは、見やすくわかりやすいものになるよう、地区全体の連続性、統一性に配慮し設置します。 かっこ(3)建築物のバリアフリー化 ア 出入口・駐車場 まる1 敷地に接する主たる道路及び駐車場から建築物の主要な出入口までバリアフリー「アスタリスク」化された経路を確保します。 まる2 出入口に戸を設ける場合は、自動式引き戸など、車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とします。 まる3 視覚障害者が出入口の位置を確認できるように、視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」や音声案内を設置します。 まる4 駐車場を有する施設には、出入口に近い位置に、車椅子使用者等の乗降に配慮した駐車スペースを確保します。 イ 施設内の通路 まる1 主要な出入口から施設内の受付や案内所等まで、バリアフリー化された経路を確保するとともに、視覚障害者誘導用ブロックを設置します。 まる2 施設内の通路は、車椅子使用者やベビーカー使用者が円滑に移動できる幅員「アスタリスク」を確保します。 ウ 受付・窓口 まる1 受付や窓口のカウンターは、その一部を車椅子使用者が利用できる構造とします。 まる2 受付や窓口には、筆談用具を備えるとともに、見やすい位置に筆談用具があることを表示します。 まる3 呼出しを行うカウンターでは、音声による案内のほか、聴覚障害者や高齢者の利用に配慮して、視覚情報による案内を行います。 11ページ エ エレベーター まる1 車椅子使用者がかご内からバックで出る際、後方を確認できるように、かごの入口正面壁面に鏡を設置します。 まる2 視覚障害者がエレベーターの昇降方向、ドアの開閉、到着した階がわかるように、それらを知らせる音声案内を設置します。 まる3 エレベーターの扉にガラス窓を設けるなど、エレベーターの緊急停止時に聴覚障害者が外部と連絡できる手段を講じます。 オ 階段 まる1 階段には、片まひ者等の利用を考慮し、両側に手すりを設置します。 まる2 手すりは、体重をかけたときに滑りにくく、冬期の冷たさに配慮した材質とします。また、手すりのたん部には、現在位置及び上下階の情報等を点字で表示します。 まる3 視覚障害者に階段の位置を知らせるため、階段の上たん部に点状ブロック「アスタリスク」を設置します。 まる4 階段の踏み外しを防ぐため、段鼻「アスタリスク」(すべり止め)に色を付けるなど、段の境目が識別できるようにします。 カ トイレ等 まる1 大便器及び小便器の1箇所以上に手すりを設置します。 まる2 ペーパーホルダー、便器洗浄ボタン、非常用呼出しボタンは、視覚障害者や肢体不自由者に配慮し、JIS規格に沿った配置とします。 まる3 車椅子使用者が円滑に利用することができるトイレを設置します。 まる4 車椅子使用者用トイレの出入口は、自動式引き戸など、車椅子使用者が容易に開閉して通過できる構造とします。 まる5 オストメイト「アスタリスク」用の水洗器具を設けたトイレを設置します。 まる6 トイレには、ベビーチェアやベビーベッドを設置します。 まる7 建築物の用途及び規模に応じて、大人用の着替えやおむつ交換のできる大型ベッドの設置、乳幼児連れが授乳のできる場所やおむつ交換のできる場所の確保を行います。 注)近年、多機能トイレ「アスタリスク」に利用者が集中し、広い空間を必要とし、そこしか使えない車椅子使用者が利用できない問題が生じています。そのため、車椅子使用者が使用できるトイレを確保したうえで、それ以外の機能をトイレ全体にできる限り分散して配置し、利用者がかち合わないように配慮することが必要です。 12ページ かっこ(4)公園のバリアフリー化 ア 出入口 まる1 主な出入口は、車椅子使用者が円滑に通行できる構造とし、出入口に車止めを設置する場合は、車椅子使用者が通行可能な部分を確保します。 まる2 出入口には、道路との境界を示すため、点状ブロック「アスタリスク」を設置します。 イ 園路・階段 まる1 主な園路は、路面の平坦性の確保など、高齢者、障害者を含むすべての人が安全で円滑に移動できる構造とします。 まる2 階段には、片まひ者等の利用を考慮し、両側に手すりを設置します。 まる3 視覚障害者に階段の位置を知らせるため、階段の上端部に点状ブロックを設置します。 まる4 階段の踏み外しを防ぐため、段鼻「アスタリスク」(すべり止め)に色を付けるなど、段の境目が識別できるようにします。 ウ トイレ・駐車場 まる1 トイレを設置する場合は、高齢者、障害者を含むすべての人が使いやすいものとします。 まる2 駐車場を設置する場合は、車椅子使用者等の乗降に配慮した駐車スペースを設けます。 13ページ 5.心のバリアフリーの取組方針 渋谷駅周辺地区のバリアフリー「アスタリスク」化を進めるためには、生活関連施設及び生活関連経路のバリアフリー化といったハード「アスタリスク」面の整備とともに、バリアフリー化の基本方針(7ページ参照)に示したソフト「アスタリスク」面の取り組みも不可欠です。 特に、高齢者、障害者等の困難を自らの問題として認識し、心のバリアを取り除き、その社会参加に積極的に協力する「心のバリアフリー「アスタリスク」」を推進することが重要です。 心のバリアフリーを推進するため、区民等、事業者、区がそれぞれ、高齢者、障害者等との関係や立場を踏まえ、以下の取り組みを進めることとします。 かっこ(1)区民等の取り組み ●区民等は高齢者、障害者等に対する理解と協力を深めます。 歩道がバリアフリー化されていても、歩道上の商品や看板のはみ出し、駐車やちゅうりんがあると、歩行者の通行の妨げになります。 また、自転車の存在を認知しづらい視覚障害者、後ろから来る自転車に気づきにくい聴覚障害者、素早い行動をとりにくい車椅子使用者や高齢者、ベビーカー使用者などにとって、歩道を走る自転車は大変危険な存在となります。 一般トイレを利用できる人が多機能トイレ「アスタリスク」を利用していて、多機能トイレしか利用できない人が使えない、車椅子使用者やベビーカー使用者がなかなかエレベーターを使えないなど、本当に必要としている人が必要な設備を使うことができないという問題が指摘されています。 このような問題を解決するためには、一人ひとりの配慮が必要です。また、施設の整備が十分でない場合でも、ちょっとした気づかいや支援などがバリアフリーにつながるため、一人ひとりができることからはじめることが重要です。 このため、区民等は以下の取り組みを進めます。 まる1 自転車を適切な場所に止める、道路に商店の看板を置かないなど、ルールを守り、マナーの向上に努めます。 まる2 「困っているときにどのような支援をすればよいのか」など、高齢者、障害者等への接し方、支援の方法などを習得し、理解と協力を深めます。 まる3 高齢者、障害者等の困難さや困りごとを体験し理解する機会や学習の場への参加や、行政や事業者に対しての情報提供、バリアフリーに関する活動への参加など、一人ひとりが自発的にバリアフリーへの取り組みに努めます。 14ページ お手伝いのときの心構え まず、声をかけてみましょう その人が本当はどんなことで困っているのか、どうしてもらいたいと思っているのかは、直接本人に尋ねてみないとわからないものです。なかには、できるだけ助けを借りずに、自分の力でやりたいと思っている人もいます。まずは、声をかけることから始めましょう。 断られても、がっかりすることはありません 目の不自由な人でも、車いすの人でも、毎日通っている道で慣れているからお手伝いは必要ない、という人もいます。断られても決してがっかりすることはありません。あなたの親切は確実にその人に伝わっています。 相手が何を手伝ってほしいのかを聞きましょう お年寄りや障害のある人などの体の具合は、人によって違います。手伝ってほしいことも、人それぞれです。ひょっとすると、良かれと思ってしたことで、その人にいやな思いをさせるかもしれません。勝手な思い込みや判断をしないで、その人が何を必要としているかをよく聞くことが大切です。 決して無理はしないようにしましょう 無理をしてけがをしたり、させたり、こわい思いをさせてしまっては、せっかくのお手伝いも逆効果です。特に、急な坂道で車いすを押したり、慣れない場所で、自分の知らないところへ目の不自由な人を案内することは、大変危険です。「自分はできないかも」「ちょっと自信がない」と思ったら、周りの人に声をかけて手伝ってもらいましょう。 出典:心のバリアフリーガイドブック(国土交通省関東運輸局) 15ページ 障害者に関係するマークの例 障害者のための国際シンボルマーク 障害のあるかたが利用しやすい建築物や公共輸送機関であることを示す、世界共通のマークです。車椅子使用者だけでなく、障害のあるすべてのかたのためのマークです。 盲人のための国際シンボルマーク 世界盲人連合で1984年に制定された世界共通のマークで、視覚障害者の安全やバリアフリー「アスタリスク」に考慮された建物・設備・機器などにつけられています。 信号や音声案内装置、国際点字郵便物、書籍、印刷物などに使用されています。 耳マーク 聴覚に障害があることを示し、コミュニケーション方法に配慮を求める場合などに使用されているマークです。 また、自治体、病院、銀行などが、聴覚障害者に援助をすることを示すマークとしても使用されています。 ほじょ犬マーク 身体障害者補助けん法に基づき認定された補助犬(盲導犬・介助犬・ちょうどうけん)を受け入れる店の入口などに貼るマークです。 不特定多数の人が利用する施設(デパートや飲食店など)では、補助犬の受け入れが義務付けられています。 オストメイト「アスタリスク」マーク オストメイト(人工肛門・人工膀胱をぞうせつしたかた)を示すシンボルマークです。 オストメイト対応のトイレ等の設備があることを示す場合などに使用されています。 「はくじょうSOSシグナル」普及啓発シンボルマーク はくじょうを頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「はくじょうSOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。 手話マーク ろう者等が筆談で対応を求めるときに提示したり、窓口等で手話対応できることを知らせるために作成されたマークです。 筆談マーク ろう者等が筆談で対応を求めるときに提示したり、窓口等で筆談対応できることを知らせるために作成されたマークです。 16ページ かっこ(2)事業者の取り組み 事業者は職員等のせつぐう・介助に関する知識や技術の向上に取り組みます。 不特定多数の人が利用する鉄道・バス等の交通機関や、行政施設、銀行、商業施設、宿泊施設等においては、移動や施設の利用を手助けするためのせつぐう・介助に関する知識や技術の向上が必要です。 このため、各事業者は以下の取り組みを進めます。 まる1 移動や施設の利用を手助けするための知識や技術を身につける研修など、職員教育の充実に向けて取り組みます。 まる2 知的障害、精神障害、発達障害のある人は、人とのかかわりあいやコミュニケーションが困難な場合があるため、状況に応じた適切な応対ができるよう取り組みます。 まる3 聴覚障害者とのコミュニケーションについては、声のかけ方を理解するとともに、筆談ボード等を用意して筆談対応を進めます。 まる4 文字や言葉によるコミュニケーションが困難な障害者、外国人等に配慮し、コミュニケーションボード「アスタリスク」の設置に努めます。 コミュニケーションボード コミュニケーションボードとは、聴覚障害者や知的障害者、日本語がわからない外国人など、言葉(文字と話し言葉)によるコミュニケーションが困難な人の補助をするためのボードで、絵、写真、文字、数字などが記されており、それらを使ってコミュニケーションを図るものです。 障害者等に対し言葉でうまく伝えきれないときや口頭での会話が難しいと感じたときに、ボード等を差し出して必要な項目を指したり、障害者等に指さしてもらったりしながら会話をします。 コミュニケーションボードの例 コミュニケーションボードの写真 出典:交通エコロジー・モビリティ財団 17ページ かっこ(3)区の取り組み 区は区民等や事業者の取り組みを促進します。 心のバリアを解消するためには、さまざまな人がバリアフリー「アスタリスク」に関する理解を深め、一人ひとりができることから取り組むことが重要です。そのため、区は区民等や事業者が取り組みの輪を広げていけるように、心のバリアフリー「アスタリスク」について持続的に周知し、情報を発信することが必要です。 このため、区は以下の取り組みを進めます。 まる1 区民等と事業者が取り組むべき心のバリアフリーについて、啓発講演会の実施など、啓発・広報活動を進めます。 まる2 高齢者、障害者等との交流会や講習会の開催、小中学校における教育の実施など、区民等の具体的な行動につなげるための支援を進めます。 まる3 渋谷駅周辺地区のバリアフリー化を通じて、区民等からの情報収集を行うとともに、区民等同士の情報交換の機会を設けるなど、区民等のバリアフリーに関する情報の共有化を推進します。 ヘルプカード「アスタリスク」の普及啓発 ヘルプカードは、障害者や生活するうえで支援を必要とするかたに、区が配布しているカードです。 カードには、緊急時の連絡先、支援や配慮してほしいことなどが記入できます。 ヘルプカードの写真 出典:渋谷区ホームページ ヘルプマーク「アスタリスク」の普及啓発 ヘルプマークは、外見からはわからなくても援助が必要な人のためのマークです。このマークを身に着けた人を見かけた場合は、電車・バス内で席をゆずる、困っているようであれば声をかけるなど、思いやりのある行動をお願いします。また、災害時等は、安全に避難する支援をお願いします。 ヘルプマークの写真 出典:東京都ホームページ 18ページ 6.特定事業の設定 かっこ(1)特定事業について ●特定事業「アスタリスク」は、バリアフリー法「アスタリスク」により、事業計画の作成と事業の実施が、各事業者に義務付けられます。 特定事業とは、重点整備地区「アスタリスク」におけるバリアフリー「アスタリスク」化を実現するため、生活関連施設や生活関連経路を対象に、各事業者が取り組む事業です。 特定事業には、対象施設別に以下に示す種別があります。また、これらの他に、重点整備地区のバリアフリー化のために必要な事業を「その他の事業」として設定することができます。 バリアフリー基本構想「アスタリスク」に定めた特定事業については、事業計画の作成と、その事業計画に基づく事業の実施が、バリアフリー法において義務付けられます。 特定事業等の種別 対象施設 名称 事業の内容 旅客施設(駅) 公共交通特定事業 ・旅客施設におけるエレベーター、視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」、多機能トイレ「アスタリスク」の整備、ホーム上からの転落防止対策など 道路 道路特定事業 ・歩道の段差 ・勾配の改善、歩道の平坦性の確保、視覚障害者誘導用ブロックの設置など ろがい駐車場「アスタリスク」 ろがい駐車場特定事業 ・車椅子使用者用駐車施設「アスタリスク」の整備、多機能トイレの設置など 都市公園 都市公園特定事業 ・園路の幅員「アスタリスク」の確保、傾斜路の設置、多機能トイレの設置、車椅子使用者用駐車施設の整備など 建築物 建築物特定事業 ・特定の建築物における、出入口 ・廊下等の幅員の確保、階段の手すりの設置、多機能トイレの設置、車椅子使用者用駐車施設の整備など 信号機等 交通安全特定事業 ・音響機能、歩行者用青時間延長機能、経過時間表示機能を付加した信号機の整備など その他 その他の事業 ・バス停における上屋やベンチの設置 ・道路上のサイン、案内板の設置など 各特定事業の具体的な内容は別紙2に示すとおりです。 19ページ かっこ(2)特定事業の検討の流れ 特定事業「アスタリスク」は、区民部会におけるまち歩き点検 注の結果から、バリアフリー「アスタリスク」化の課題を抽出し、その課題をもとに、事業者による改善策の検討を経て、設定しました。 特定事業の検討の流れ 対象施設・経路の設定 区民部会(5月から10月)街歩き点検 課題の整理 事業者部会(10月19日)改善策検討の依頼 事業者部会(10月から1月)特定事業の調整 区民部会(12月から1月)ソフト面の対応策の検討 事業化の検討 特定事業 ・概ね10年後(2027年度)を目標年次として、事業を実施するもの ・短期的に取り組み可能なものは2020年度を目途 詳細は別紙2 今後検討が必要な事項 ・実施時期が明示できないなど事業実施にはさらに検討が必要なものなど 詳細は別紙3 注)まち歩き点検:利用者の視点で具体的なバリアフリーに関する問題点や課題を抽出するため、鉄道駅、施設、道路、公園を対象に実施した現場の点検。 20ページ 7.今後の推進に向けて かっこ(1)特定事業計画の作成と事業実施 ●本構想策定後、1年以内に特定事業計画「アスタリスク」を作成します。 本構想策定後、バリアフリー法「アスタリスク」の規定により、各事業者は、本構想で定めた特定事業「アスタリスク」を計画的かつ着実に実施するため、特定事業計画を作成します。 この特定事業計画は、速やかな事業の実施に向け、本構想策定後1年以内に作成するものとします。 また、日常の維持管理や小規模な改良などで対応できる課題については、特定事業計画の作成にかかわらず、適宜実施していきます。 かっこ(2)事業の進行管理 ●協議会を継続し、事業の進行管理を行います。 本構想策定後、特定事業計画の作成及び事業の実施は、各事業者が各々進めていくことになりますが、「渋谷区バリアフリー推進協議会「アスタリスク」」において、事業の実施状況やスケジュールなどの進捗管理・調整を行い、着実にバリアフリー「アスタリスク」化を推進します。 また、区は、事業の実施状況等を踏まえ、必要に応じて特定事業計画の見直しについて検討します。 なお、区や事業者は、ホームページや広報紙などを活用し、事業の進捗状況や実施された事業等を広く区民等へ周知します。 かっこ(3)今後検討が必要な事項など課題への対応 ●協議会において、課題への対応を継続的に検討していきます。 本構想の検討において、事業化の検討を行った事業のうち、スペースの確保、予算の措置、施設所有者との調整など、さまざまな理由により、「特定事業」として位置づけることのできなかった事業課題を「今後検討が必要な事項」として整理しました。 これらの課題についても、「渋谷区バリアフリー推進協議会」において、検討の状況などを把握するとともに、事業者に対して具体化への取り組みを要請していきます。 21ページ かっこ(4)利用者の意見の反映 ●事業の実施段階や完成後のチェックにおいて、利用者の意見を取り入れます。 区は、だれもが利用しやすい整備を推進するため、事業を実施する際に、必要に応じて、高齢者、障害者等の区民から具体的な整備内容や配慮すべき事項などの意見を聴く機会を設け、その意見の反映に努めます。 また、施設の完成後においても、各事業者と連携し、高齢者、障害者等の区民と共に、施設の利便性などのチェックを行い、より使いやすい施設となるよう改善に取り組みます。 なお、利用しやすいと評価された改善策やソフト「アスタリスク」面の対応策などの事例については、「渋谷区バリアフリー推進協議会「アスタリスク」」へ報告し事業者へ周知するなど、優良事例の共有と蓄積を進めます。 かっこ(5)建設中の施設のバリアフリー化 ●本構想の策定過程で挙がった区民意見を建設中の施設へ伝えます。 本構想では、生活関連施設に建設中の施設も含めています。これらの施設は、バリアフリー法「アスタリスク」及び東京都の「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例「アスタリスク」」並びに「東京都福祉のまちづくり条例「アスタリスク」」に基づきバリアフリー「アスタリスク」化が図られることになります。 生活関連施設候補となる建設中の施設についても、今後、「渋谷区バリアフリー推進協議会」において、バリアフリー化の実施状況を確認していくとともに、本構想の策定過程において区民から挙がった指摘や要望等についても施設管理者等へ伝え、利用者の視点に立ったバリアフリー化の実現を図ります。 また、新たに生活関連施設に該当する施設が建設される場合も、区は施設管理者等に対し本構想の取り組みへの参画を呼びかけます。 22ページ かっこ(6)生活関連施設の拡充等 ●生活関連施設の拡充等を継続して検討します。 生活関連施設の候補施設のうち、本構想の生活関連施設に位置づけられていない施設があります。 区は、これらの施設に対しても、継続的に本構想への協力を呼びかけ、随時、生活関連施設の拡充を図るとともに、必要に応じて、生活関連経路の追加、重点整備地区「アスタリスク」の区域の拡大を検討していきます。 かっこ(7)小規模施設のバリアフリーの取り組み ●小規模施設の改善を誘導する取り組みを進めます。 本構想では、不特定多数の人が利用する行政施設、銀行、商業施設、宿泊施設等を生活関連施設に位置づけましたが、渋谷駅周辺地区のまち全体のバリアフリー「アスタリスク」化を進めていくためには、小規模な物品販売店、飲食店、理容・美容室、診療所等においてもバリアフリーの理解・取り組みが必要です。 区は、今後、これらの施設を対象としたバリアフリー点検の実施や商店会における研修会の実施など、生活に身近な小規模施設の改善を誘導するような取り組みについても、渋谷駅周辺の区民、学生、町会、商店会などと連携を図りながら進めます。 かっこ(8)バリアフリーに関する情報の発信 ●バリアフリーに関する情報発信を進めます。 まちなかの移動・回遊の利便性向上を図るためには、区民だけでなく来訪者にもわかりやすい情報発信が不可欠です。車椅子使用者やベビーカー使用者をはじめ高齢者、障害者にとっては、トイレやエレベーターなどのバリアフリーに関する情報は特に重要です。 来訪者がまちなかを円滑にかつ快適に移動できるよう、区では、ホームページを活用したバリアフリーマップの作成など、渋谷駅周辺のバリアフリーに関する効果的な情報発信の方法について検討します。 23ページ かっこ(9)教育機関との連携 ●教育機関と連携し、心のバリアフリー「アスタリスク」の普及啓発を進めます。 本構想の策定において、特に、まち歩き点検注の実施では、学生ボランティアの協力を得ながら実施しました。 区は、今後、本構想の推進においても、引き続き教育機関や学生の協力を得ながら進めていくことにより、若い世代へ心のバリアフリーの普及啓発を進めていきます。 注)まち歩き点検:利用者の視点で具体的なバリアフリーに関する問題点や課題を抽出するため、鉄道駅、施設、道路、公園を対象に実施した現場の点検。 かっこ10 工事中の歩行者に対するバリアフリー対策 ●工事中における歩行者の適切な誘導を行います。 渋谷駅を中心とした地区では、基盤整備、鉄道改良、道路改良等の工事が、集中的かつ長期的に実施されています。 工事のため、日頃通い慣れた通路の使い勝手が大きく変わり、歩きにくかったり、迷ったりするおそれがあります。特に、高齢者、障害者等は、工事によるちょっとした変化が大きな負担になります。 そのため、工事中の歩行者動線の情報を的確に発信するとともに、各事業者と連携して、人的対応も含めた適切な誘導を行います。 24ページ かっこ11 案内サイン共通化整備との連携 ●案内サイン共通化整備との連携により、わかりやすい案内誘導の整備を進めます。 渋谷駅周辺では、世界に開かれた生活文化の発信拠点・渋谷にふさわしく、初めて訪れる人にもわかりやすい案内誘導の実現を目指して、「渋谷駅前サインガイドライン」を策定し、案内サインの共通化整備を進めています。 本構想においても、生活関連施設や生活関連経路のバリアフリー化にあたり、見やすさとわかりやすさの確保とともに、地区全体の連続性、統一性の配慮を整備方針に定めており、案内サイン共通化整備との連携により、渋谷駅及びその周辺において、わかりやすい案内誘導の整備を進めます。 かっこ12 災害時の高齢者、障害者等に対する支援体制の検討 ●災害時の高齢者、障害者等に対する支援体制の検討を進めます。 渋谷駅周辺において大規模な地震等の災害が発生した場合のソフト・ハード両面の防災対策を都市再生に合わせて整備するため、2017年3月に、「渋谷駅周辺地域都市再生緊急整備協議会」が「渋谷駅周辺地域都市再生安全確保計画」を策定しました。 この計画において、関係する行政機関及び事業者は、災害時に特別な支援が必要な高齢者、障害者等に対する支援体制を検討することとしています。 また、渋谷駅周辺では、行政機関、地域内の業務施設や商業施設の事業者等により、「渋谷駅周辺帰宅困難者対策協議会」が組織され、災害時の混乱防止に関係者が協力して取り組むための「渋谷駅ルール」を策定し、毎年、ルールの実証のために帰宅困難者対策訓練を実施しています。 これらの取り組みと連携し、災害時の高齢者、障害者等に対する支援体制の検討を進めます。 25ページ かっこ13 ICTを活用した情報のバリアフリー化 ●ICT(情報通信技術)を活用した情報のバリアフリー「アスタリスク」化の推進を検討します。 2016年に東京都を訪れた外国人旅行者数は約1310万人で、そのうち4割以上の約570万人が渋谷を訪れていると言われています。2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、渋谷を訪れる外国人旅行者はますます増加することが予想されます。 外国人旅行者が旅行中に困ったこととしては、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」や「多言語表示の少なさ・わかりにくさ」が挙げられており、言葉や情報のバリアが課題となっています。 これらの課題に対応するため、近年、ICT(情報通信技術)を活用したコミュニケーションの支援や情報提供・案内表示の充実などの技術開発が進められています。 ICTを活用した技術は、外国人だけでなく、情報入手に不便を感じている視覚障害者や聴覚障害者にも役立つものであり、また、災害時等の情報伝達への活用も考えられます。 区は、渋谷駅周辺において進めている「5Gインターネット先進エリア(次世代通信網の整備)」等の技術を活用し、外国人や障害者等を含む渋谷駅周辺への来訪者に対する情報案内や移動支援の推進について検討します。 26ページ 参考資料 資料1 策定の経緯 かっこ(1)策定の体制 本構想の策定体制は、以下に示すとおりです。 渋谷区バリアフリー推進協議会「アスタリスク」が一段目にあり、次の段に区民部会、事業者部会、庁内検討部会があって、協議会に結び付けられている 区民部会(課題の抽出)は事業者部会と庁内検討部会に意見をし、事業者部会と庁内検討部会で改善策の検討を行い、区民部会に示す 学生分科会は区民部会の下に設置され、バリアフリーの情報発信の取組を行う ■協議会 高齢者・障害者等の区民、学識経験者、交通事業者、施設管理者、関係機関、渋谷区などで構成し、本構想の協議、調整を行う。 ■区民部会 高齢者・障害者等の区民で構成し、利用者の視点で具体的なバリアフリー「アスタリスク」に関する問題点や課題を抽出するため、鉄道駅、施設、道路、公園を対象に、現場での点検(まち歩き点検)などを行う。 ■事業者部会 交通事業者、施設管理者で構成し、まち歩き点検などで抽出された課題に対して改善策の検討を行う。 ■庁内検討部会 区役所内の関係各課で構成し、特定事業「アスタリスク」などの検討、調整を行う。 ■学生分科会 渋谷区内の学生等で構成し、小規模施設のバリアフリー化推進等に向けて、バリアフリー情報発信などの取り組みを行う(平成30年度より設置)。 27ページ かっこ(2)策定の流れ 本構想の策定の流れは、以下に示すとおりです。 4月27日第1回庁内検討部会、策定の進め方、まち歩き点検の概要、点検の対象施設、街歩き点検の予定 5月30日第1回協議会、策定の進め方、まち歩き点検の方法、点検の対象施設・方法 5月から7月 区民部会 まち歩き点検の実施 主に公共施設 6月13日第1回事業者部会 策定の進め方、まち歩き点検の概要 7月から9月 区民部会 まち歩き点検の実施 民間施設 9月4日 第1回区民部会 点検結果の確認(中間) 10月2日 第2回区民部会 点検結果の確認(全体) 10月12日 第2回協議会 点検結果の報告 整備方針等の検討 10月19日 第2回事業者部会 改善策検討の依頼 12月4日 第3回区民部会 ソフト「アスタリスク」面の対応策検討 12月26日 第2回庁内検討部会 改善策検討 1月26日 第3回庁内検討部会 特定事業の確認 1月29日 第4回区民部会 ソフト面の対応策検討 2月5日 第3回協議会 構想素案の検討 2月19日から3月5日 パブリックコメント「アスタリスク」 3月20日 第4回協議会 構想案の検討 3月30日 構想の策定 28ページ かっこ(3)本構想の一部改定について 2018年3月策定の本構想について、以下に示す改定を行いました。 ア 「生活関連施設・経路の整備方針」の改定【本編9ページ】 本構想の「生活関連施設・経路の整備方針」の「道路等のバリアフリー化」に、視覚障害者誘導用ブロックの形状と色に関する内容を追加しました。 イ 「生活関連施設」の改定【別紙1】 本構想に示した生活関連施設の候補施設に基づき、生活関連施設の追加を検討し、新たに金融機関4施設、商業施設7施設、宿泊施設1施設を追加しました。 ウ 「特定事業」の改定【別紙2】 本構想に基づく事業の進捗状況や上記の生活関連施設の追加を踏まえ、以下に示す特定事業の追加、修正を行いました。 2018年度に実施した事業の反映 2017年度にまち歩き点検を実施した施設で、本構想策定以降に事業の調整が整った施設の追加 2018年度に追加の生活関連施設について、まち歩き点検の結果に基づき事業の調整を行い、その調整が整った施設の追加 その他、目標時期の見直し、名称の変更 エ 「今後検討が必要な事項」の改定【別紙3】 2018年度に追加の生活関連施設について、まち歩き点検の結果に基づき事業の調整を行い、その結果から「今後検討が必要な事項」を追加しました。 29ページ 資料2 まち歩き点検による区民意見 かっこ(1)まち歩き点検の概要 ア 目的 渋谷駅周辺におけるバリアフリー基本構想「アスタリスク」の策定に向け、具体的なバリアフリー「アスタリスク」に関する問題点や課題、改善策などを、利用者の視点で抽出するため、まち歩き点検(現地点検)を行いました。 イ 実施概要 実施期間 2017年5月29日(月曜日)から10月16日(月曜日) (24回) 2018年10月2日(火曜日) (1回) 対象施設 建築物54施設 (行政施設13、銀行等10、商業施設等22、宿泊施設9) 鉄道駅、駐車場、公園、道路、バスのりば 参加者数 (延べ人数) 高齢者・障害者等141人 (肢体不自由者40、車椅子使用者12、視覚障害者23、聴覚障害者27、高齢者24、育児中の人13、知的障害者の親2) 学生ボランティア201人 30ページ 学生ボランティア募集のお知らせ 渋谷区が学生ボランティア大募集 渋谷駅周辺のバリアフリー化を推進するため、障害者のかた等と一緒に街のバリアを点検しませんか 例えば街にはこんなバリアがあります 横断歩道前面部に勾配があり待っていられない 歩道が狭く電柱が進行の妨げとなっている 点字ブロックがつながっていない 手すりを使うと階段を斜めに上り下りしなければならず危険 駅舎内に段差がある 手すりの両端に水平部分がなく、階段途中から手すりが始まっている 点字ブロックの上にちゅうりんする自転車 主な活動内容 1 障害者のかた等と渋谷駅周辺の施設をまわり、どんなバリアがあるかを点検・記録します 2 区が開催するワークショップに参加して、点検の結果を確認したり、みんなで共有したりします。 点検日程 6月6日(か)社会福祉協議会(渋谷区宇田川ちょう5の2) 6月9日(金)区民サービスセンター(渋谷区渋谷2の21の1) 6月21日(すい)みたけの丘・しぶや(渋谷区渋谷1の18の9) 6月23日(金)観光協会(渋谷マークシティ4階) ※すべて午前10時から正午まで 開始時刻の10分前までに上記施設の入り口まえ付近にお越しください 申し込み 各店兼備の1週間前までに必要事項を記入の上、下記申し込み先までメールにてお申し込みください 申し込み後、担当より詳細について、改めてご連絡いたします 必要事項 氏名、電話番号、メールアドレス、住所、性別、年齢、大学名及び学部、点検希望日(複数可) 31ページ ウ まち歩き点検の点検日と対象施設 点検日 対象施設 2017年 5月29日(げつ)商工会館・消費者センター 6月1日(もく)文化総合センター大和田 6月6日(か)渋谷区社会福祉協議会、渋谷区役所まえ公共地下駐車場 6月9日(金)東急線渋谷駅、渋谷ヒカリエ、区民サービスセンター 6月12日(げつ)渋谷区役所仮庁舎 6月21日(すい)渋谷東急れいホテル、みたけの丘・しぶや 6月23日(金)セルリアンタワー東急ホテル、渋谷マークシティ、渋谷区観光協会 6月26日(げつ)東急東横店、JR線渋谷駅、京王井の頭線渋谷駅 7月3日(げつ)リフレッシュ氷川、並木ばし児童遊園地、ふれあい植物センター 7月5日(すい)NHK放送センター(ホール、スタジオパークなど) 7月11日(か)Bunkamura 7月14日(金)渋谷年金事務所、ハローワーク渋谷 7月19日(すい)いちまるきゅうめんず、三井住友銀行渋谷支店 7月21日(金)しぶやいちまるきゅう、渋谷エクセルホテル東急 8月22日(か)みずほ銀行渋谷中央支店、東急本店 8月24日(もく)渋谷東武ホテル、東京法務局渋谷出張所、渋谷税務署 8月29日(か)りそな銀行渋谷支店、ここちしぶや、ヒューマントラストシネマ渋谷 9月1日(金)三菱東京UFJ銀行渋谷支店、渋谷グランベルホテル 9月8日(金)東急ハンズ渋谷店、ホテルユニゾ渋谷 9月14日(もく)渋谷とうえい、渋谷郵便局 9月19日(か)ニトリ渋谷公園通り店 9月22日(金)ヤマダ電機らび渋谷、めがドン・キホーテ渋谷本店 9月27日(すい)中央労働金庫渋谷支店、ホテルメッツ渋谷、東急ステイ渋谷新南口 10月16日(げつ)渋谷もでぃ、東急線渋谷駅 2018年 10月2日(か)とーほーシネマズ渋谷、ユニクロ渋谷道玄坂店 32ページ かっこ(2)まち歩き点検における主な意見 ア 出入口・出入口までの通路 道路と敷地の段差  意見 道路と敷地のあいだに段差があるため、車椅子使用者の通行が困難。  要望 車椅子使用者やベビーカー使用者などがスムーズに通行できるように、道路と敷地のあいだの段差を解消してほしい。 出入口の傾斜 意見 出入口の傾斜が急。  要望 車椅子使用者が自力で上ることができるように、出入口の勾配を緩やかにしてほしい。 スロープの手すり  意見 スロープに手すりがない。杖歩行の場合、スロープで滑りやすい。また、肢体不自由者には、足を踏ん張ることができず、勾配で歩くことが困難な人がいる。 緩やかな勾配でも足腰に負担を感じるため、手すりが必要。 スロープに手すりがあるが、片側にしかない。手すりは、片まひ者等の利用を考慮すると、スロープの両側に設けることが必要。  要望 スロープの両側に手すりを設置してほしい。 出入口のドアの構造  意見 出入口が開き戸になっている。車椅子使用者が容易に開閉できるようにしてほしい。 手動式の回転ドアはじそうしき車椅子の場合、開きながら通行することが困難。  要望 出入口のドアは、自動ドアなど、車椅子使用者が容易に開閉して、通過できる構造にしてほしい。 視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」  意見 視覚障害者誘導用ブロックなど、視覚障害者のための案内設備がない。 視覚障害者誘導用ブロックの上にマットが置かれており、視覚障害者が通行する際に、誘導用ブロックを利用できない。 視覚障害者誘導用ブロックの位置が壁に近づき過ぎている。  要望 道路から受付まで視覚障害者誘導用ブロックを設置するなど、視覚障害者のための案内設備を設置してほしい。 視覚障害者誘導用ブロックを利用できるように、玄関マットの配置を調整してほしい。 視覚障害者誘導用ブロックの位置を調整してほしい。 33ページ イ 階段(屋外・屋内) 階段の手すり 意見 階段に手すりがない。歩行が困難な人などが安全に階段を昇降できるように階段には手すりが必要。階段の手すりが片側にしかない。手すりは、片まひ者等の利用を考慮すると、階段の両側に設けることが必要。階段の手すりが必要な人にとって、緊急時に避難が必要な場合、階段に手すりがないと逃げ遅れる可能性がある。金属製の手すりは、冬など寒いと冷たくなり、使いにくい。 要望 階段の両側に手すりを設置してほしい。手すりは、気温が低い場合でも冷たさを感じにくい材質にしてほしい。 階段の段鼻「アスタリスク」 意見 階段の段差が見分けにくく、踏み外す危険がある。 要望 段鼻(すべり止め)に色を付け、段の境目を見やすくしてほしい。 階段上たん部の点状ブロック「アスタリスク」 意見 階段の上端部に点状ブロックが設置されていないため、視覚障害者には階段の位置がわからず、転落のおそれがある。 要望 視覚障害者に階段の位置を知らせるため、階段の上端部に点状ブロックを設置してほしい。 階段のふみづら「アスタリスク」 意見 出入口の階段が斜めになっている。同一の階段で、ふみづらの幅が一定でないと、視覚障害者が階段を踏み外すおそれがある。 要望 階段のふみづらの幅を一定にするなど、視覚障害者の安全な昇降に配慮してほしい。 34ページ ウ 通路等(屋内) 通路の幅 意見 通路に案内板や机が置いてあり、通行しにくい。 要望 通路は車椅子使用者の通行に配慮した幅を確保してほしい。 視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」の位置 意見 視覚障害者誘導用ブロックに接近して机やついたてが置かれており、視覚障害者がぶつかるおそれがある。 要望 視覚障害者誘導用ブロックは、視覚障害者が安全に利用できるように、設置したブロックの周囲に余裕を確保してほしい。 階段の転落防止 意見 傾斜路のかたん右側に下りの階段があり、車椅子使用者の転落等の事故のおそれがある。 要望 階段の存在を注意喚起するなど、階段からの転落防止策を講じてほしい。 エ エレベーター かご内の鏡 意見 かご内に鏡が設置されていない。鏡は車椅子使用者がバックで出るとき、出入口回りの人や床を確認するために必要。鏡の位置が高い。 要望 車椅子使用者がかごから後ろ向きで出る際、後方を確認できるように、鏡を設置してほしい。車椅子使用者が後方を確認できるように、鏡の位置を調整してほしい。 音声案内 意見 エレベーターに音声案内がない。視覚障害者は、エレベーターの昇降方向、ドアの開閉、到着した階などがわからないので、それらを知らせる音声案内が必要。エレベーターの音声案内が小さく、聞き取りにくい。 要望 エレベーターに音声案内を設置してほしい。エレベーターの音声案内の音量を大きくしてほしい。 ボタン・操作盤の位置 意見 車椅子使用者にとって、乗降ロビーのボタン、かご内の操作盤が、高い位置にあり、利用しにくい。 要望 車椅子使用者に対応したボタンと操作盤を設けてほしい。 緊急時の対応 意見 緊急停止したときの連絡手段がインターホンだけでは、聴覚障害者が外部の人とやり取りができない。 要望 エレベーターの扉にガラス窓を設けてほしい。エレベーターが緊急停止したときに、聴覚障害者が外部と連絡できる手段を設けてほしい。 35ページ オ 案内所、受付、窓口 カウンターの高さ 意見 カウンターの高さが高いため、車椅子使用者が利用しにくい。車椅子使用者は目線が低いため、立ったまま話すと見下ろされたように感じ、威圧感を受ける場合がある。 要望 車椅子使用者が利用できるカウンターを設けてほしい。車椅子使用者用カウンターがない場合、カウンターから出て、目線の高さを合わせて会話するように配慮することが必要である。 筆談対応 意見 受付等に筆談ボードがない。また、筆談での対応を図る旨の表示がない。 要望 聴覚障害者とのコミュニケーションに配慮し、筆談ボードを用意してほしい。合わせて、筆談での対応を図る旨を表示し、聴覚障害者がその表示を指差しすることにより意思疎通が図れるようにしてほしい。 筆談対応の表示の例 筆談マークと耳マークの写真 36ページ カ トイレ(一般) 和式トイレ 意見 高齢者などの下肢機能が低下している人は、和式トイレの利用が困難。 要望 和式のトイレを洋式に変えてほしい。 トイレの手すり 意見 トイレ内の手すりは、高齢者などの下肢機能が低下している人の立ち上がりを補助したり、用便中の姿勢を安定させるのに有効である。トイレに手すりが付いているが、便器から立ち上がる際、つかめる位置にない。 要望 トイレに手すりを設置してほしい。トイレの手すりの位置を調整してほしい。 男性用小便器 意見 男性用小便器に手すりがない。高齢者や障害者などには、りついを保持するため、手すりが必要な人がいる。 要望 男性用小便器に手すりを設置してほしい。 トイレ内の設備の表示 意見 和式トイレは使えないので、入ってから和式だとわかり、順番待ちに並び直すことがある。ベビーチェアがあるトイレとないトイレがあるが、外から区別がつかないと利用しにくい。 要望 トイレの扉などにトイレ内にある設備の表示をしてほしい。 37ページ キ 多機能トイレ 多機能トイレの有無 意見 車椅子使用者が利用できるトイレがない。 要望 車椅子使用者が利用できる多機能トイレ「アスタリスク」を設置してほしい。 トイレのドア 意見 多機能トイレのドアが重い。多機能トイレのドアが開いた状態で止まらない。多機能トイレのドアが折れ戸になっており、車椅子使用者には開閉が困難。ドアの鍵が操作しづらい。 要望 車椅子使用者やベビーカー使用者などのドアの開閉、通過を考慮して、自動ドアに変えるか、ドアが開いた状態で止まるようにしてほしい。ドアの鍵は、大きなレバー式のものにしてほしい。 トイレの手すり 意見 多機能トイレの手すりが片側だけしかない。 要望 障害者用トイレには、両側に手すりを設置してほしい。 トイレ内のスペース 意見 ごみ箱の置いてある位置が悪く、車椅子が転回しにくい。トイレに介助者と入る場合、多機能トイレほどの広さは必要ない。大人が2人はいれる広さのトイレがあるとよい。ベビーカーを外に止めておくのが心配なので、ベビーカーも一緒にはいれる広さのトイレがあるとよい。 要望 車椅子の転回に支障のないように、ごみ箱を置いてほしい。ベビーカー、大きな荷物、介助者なども一緒にはいれる広めのトイレを、多機能トイレとは別に設けてほしい。 38ページ (多機能トイレのつづき) オストメイト「アスタリスク」用の設備 意見 オストメイト用の汚物流しがない。 要望 トイレにオストメイト用の汚物流しを設置してほしい。 男女共用のトイレ 意見 介助者が異性の場合、男子用トイレ、女子用トイレは利用しにくい。 要望 異性介助に配慮し、男女共用のトイレを設けてほしい。 トイレの機能分散 意見 多機能トイレ「アスタリスク」は、車椅子使用者などの障害者だけでなく、高齢者、乳幼児連れなど多様な人が利用可能なことから、利用集中の問題が生じている。 要望 トイレの計画にあたっては、建物用途及び規模を考慮した上で、ひろさ等を含めた機能の分散配置を検討し、トイレを利用する高齢者、障害者、乳幼児連れ等が、それぞれの利用形態に合わせたトイレを選べる環境を作る必要がある。 39ページ ク 乳幼児等用設備 ベビーチェア 意見 トイレにベビーチェアがない。男子用トイレにベビーチェアがない。ベビーチェアに座らせた子どもが立ち上がったり、落ちそうになったりすることがあるので、ベビーチェアが便器から離れていると不便。ベビーチェアに座らせた子どもがトイレの扉の鍵を開けてしまうことがある。 要望 トイレにベビーチェアを設置してほしい。男子用トイレと女子用トイレの区別が有る場合は、それぞれのトイレにベビーチェアを設置してほしい。ベビーチェアは、手が届く位置に設置してほしい。ベビーチェアに座らせた子どもがトイレの扉の鍵を開けられないように、鍵の位置や形状、別の鍵の設置などの工夫をしてほしい。 ベビーベッド 意見 トイレにベビーベッドがない。施設内におむつ替えができる場所がない。男子用トイレにベビーベッドがない。 要望 トイレにベビーベッドを設置してほしい。おむつ替えができる場所を設けてほしい。男子用トイレと女子用トイレの区別が有る場合は、それぞれのトイレにベビーベッドを設置してほしい。 40ページ (乳幼児等用設備のつづき) 授乳室 意見 授乳できる場所がない。授乳の場所を尋ねると多機能トイレ「アスタリスク」を案内されることがあるが、授乳は食事にあたるので、トイレでの授乳は避けたい。 要望 多機能トイレではなく、授乳ができる場所を設けてほしい。 ケ 駐車場 車椅子使用者用駐車施設「アスタリスク」 意見 車椅子使用者用の駐車施設がない。 要望 車椅子使用者用の駐車施設を設けてほしい。 コ 情報伝達設備 ATMの呼出し 意見 ATMでトラブルが発生したときに、聴覚障害者はインターホンでは対応できない。 要望 聴覚障害者用の問い合わせボタンを設けるなど、音声以外の方法で問い合わせできるようにしてほしい。 インターホン 意見 インターホンで係員とやり取りができるようになっているが、聴覚障害者は利用できない。 要望 モニターカメラを設置するなど、聴覚障害者が連絡を取れるようにしてほしい。 41ページ サ 案内板・サイン 案内板 意見 案内板の文字が小さく、見づらい。 要望 案内板の文字を大きく、見やすくしてほしい。 受付の案内 意見 受付を案内するサインがない。受付の表示が小さい。 要望 受付を案内するサインを設置してほしい。離れた位置からでもわかるように、受付の表示を大きく、目立つようにしてほしい。 エレベーターの案内 意見 エレベーターを案内するサインがない。出入口を入ったすぐのところに、エレベーターを案内するサインがあるとわかりやすい。 要望 出入口を入ったところから見える位置に、エレベーターを案内するサインを設置してほしい。 トイレの案内 意見 トイレを案内するサインが小さく、目立たない。トイレのサインがわかりにくい。デザインされたサインはわかりにくい。トイレの名称表示が「トイレ」と「化粧室」の2通りあり、わかりにくい。 要望 トイレを案内するサインを大きく、目立つようにしてほしい。トイレを案内するサインは、標準的なピクトグラムを用いて、じいたの色とコントラストつけるなど、わかりやすくしてほしい。トイレを案内するサインの表記は統一してほしい。 サインの配置 意見 エレベーターを降りたところに、トイレや授乳室など、必要な情報を案内するサインがない。サインの位置が高く、見づらい。床に表示してあるサインは、光の反射で見づらい。その上に人が立っていたら見えない。トイレを案内するサインが、トイレに近い通路にはなく、トイレに近づかないとわからない。 要望 エレベーターを降りたところから見える位置にトイレや窓口などを案内するサインを設置してほしい。サインは、だれもが見やすい高さ及び位置に設置してほしい。サインは動線と対面する向きに掲示してほしい。サインは、利用者の動線の分岐点や曲がり角に設置してほしい。 42ページ シ その他(ソフト面の対応等) 職員等の対応 意見 車椅子使用者は、立って使用するカウンターの場合、上から見下ろされているようになり、威圧感を感じる場合がある。補聴器を使っている人など、早口だったり、声が小さかったりすると、聞き取りにくい場合がある。一度にたくさんのことを言われるとわからなくなってしまう人や会話の内容を理解するのに時間がかかる人がいる。 要望 車椅子使用者に対応したカウンターがない場合、カウンターから車椅子使用者側に出て、目線の高さを合わせて対応するようにしてほしい。耳が聞こえにくい人などに配慮し、ゆっくり、大きな声で話してほしい。説明や案内は、ゆっくり、丁寧に、繰り返し、話してほしい。 声かけ 意見 車椅子使用者は、出入口の小さな段差や開き戸がある場合など、手助けがあれば、施設に入ることができる。困っていても、自分から伝えられない人がいる。 要望 困っている人を見かけたら、積極的に声をかけてほしい。声をかけて断られても気にしないでほしい。 43ページ 資料3 ヒアリング等による区民意見 まち歩き点検への参加が難しいと考えられる障害者等の意見を把握するため、下表のとおり、ヒアリング及びアンケート調査を実施しました。その回答の概要を以下に示します。 ヒアリング・アンケート調査の実施概要 実施方法 ヒアリング、実施日・配布日 5月13日(ど)、対象団体 渋谷ぱぱままマルシェ実行委員会(育児中の人)、参加人数・回答数 6人 実施方法 ヒアリング、実施日・配布日 5月19日(金)、対象団体 渋谷区てをつなぐ親の会、参加人数・回答数 5人 実施方法 ヒアリング、実施日・配布日 6月9日(金)、対象団体 渋谷区精神障害者家族会太陽の会、参加人数・回答数 5人 実施方法 ヒアリング、実施日・配布日 7月25日(か)、対象団体 ストライドクラブ(就労継続支援B型・就労移行支援)、参加人数・回答数 6人 実施方法 アンケート、実施日・配布日 9月29日(金)、11月17日(金)、対象団体 ふれあい子育てサロンスイミー(幼稚園座談会)、幼稚園連合会説明会、参加人数・回答数 89人 かっこ(1)知的障害者、精神障害者にかかわる主な意見 ア 施設について 知的障害者は色やマークで覚えていることがあるので、トイレのサインは、男女が青と赤で色分けされた一般的な形(ピクトグラム)のものがわかりやすい。(知的障害者) トイレの利用では、異性介助(母親と息子、少数だが父親と娘の場合もある)のため、入る場所に困る。(知的障害者) 多機能トイレ「アスタリスク」に並んでいると「なぜ並んでいるんだ」という目で見られる。多機能トイレほど広くなくてよいので、大人が2人、入ることができる程度のトイレがあるとよい。(知的障害者) 和式のトイレは使えないので、和式か洋式かが入る前にわかるようにしてほしい。また、小便器もズボンをすべて下ろしてしまうので利用しにくい。(知的障害者) イ 鉄道・バスについて 渋谷駅は、いつも工事中で経路が変わるので、よく迷う。(知的障害者、精神障害者) 渋谷駅は迷うことがある。案内の人に聞くことができない人もいるので、サインはわかりやすくしてほしい。(精神障害者) 44ページ サインの色や文字の大きさなど、統一して、はっきり表示してほしい。(知的障害者) バスの行き先に振り仮名を付けてほしい。(知的障害者) 音が苦手な人がいる。アナウンスだけでなく、目でわかるサインや電光掲示板などの文字表示があるとよい。(知的障害者) 感覚が過敏で、閉じられた空間に多くの人がいるところが苦手なので、バスの利用がつらい。(精神障害者) バスについて聞くことができる案内にんがいるとよい。(知的障害者、精神障害者) 駅などで進路の指定が右側や左側など場所により異なるため混乱する。(知的障害者) 駅のホームは後ろから押されないか不安になる。ホームドア「アスタリスク」があるとよい。(精神障害者) ウ 道路、横断歩道について 介助者などと並んで歩くので、歩道が広いとよい。(知的障害者) スクランブル交差点は人が多い。調子が悪いときは、人混みを避けるため、遠回りする人もいる。(精神障害者) スクランブル交差点は、騒音がひどく、怖くて渡れない。(視覚障害者) 目的地まで通る道を変えないので、工事などで通れなくなると混乱してしまう。(知的障害者) 疲れやすいので、水が飲める休憩所があるとよい。(精神障害者) 急におなかの調子が悪くなったり、水分が必要になることがあるので、水飲みばやトイレがもっとあるとよい。(精神障害者) ベンチが少ないので、休めない。(精神障害者) 歩道が狭いところで、たくさんの人が歩いていると、怖いと感じるときがある。(精神障害者) エ 心のバリアフリーについて ヘルプマーク「アスタリスク」を付けていると、シルバーシートに座っていてもわかってもらえる。また、うろうろしていると声をかけてくれる。全国へ普及してほしい。(知的障害者) 電車やバスが遅れると不安になってパニックになることがある。車内放送は、ゆっくり、繰り返し説明をしてほしい。(知的障害者) 声かけ運動は効果がある。困っていることを伝えられない人もいるので、声をかけてほしい。こえかけを断られたとしても気にしないでほしい。(精神障害者) 案内に合わせて、受け入れてもらえているという雰囲気も大事。(知的障害者) 障害を理解してもらうことが大事。(知的障害者、精神障害者) ソフト「アスタリスク」の対応が大事。(知的障害者、精神障害者) 45ページ かっこ(2)子育て世帯の主な意見 ア トイレの利用について おむつ替えのとき、ベビーベッドではじっとしていられないので、靴を脱いで上がれる台があると助かる。 子供が大きくなってきたので、ベビーベッドに立たせて作業している。 ベビーベッドが汚いところがあり、清潔にしてほしい。さくが低いと子どもが乗り越えようとするので危ない。 男子トイレにもベビーベッドなどおむつ替えのできるスペースがあるとよい。 ベビーチェアに座らせたとき、子どもの手の届く位置に扉の鍵があると、鍵を開けてしまうので、位置を工夫してほしい。 大人と子供とベビーカーが一緒にトイレにはいれると利用しやすい。 子供用トイレがなく、男子トイレに子どもだけ行かせるのが心配。女子トイレでは数が少なく、混雑していて間に合わなくなる。 子供用の便座があるとよい。 おむつの自動販売機があればよい。 公衆トイレが汚い。 公園のトイレが汚く、使いにくい。 イ 授乳室の利用について 場所が少ない(大きな店・施設にしかない)。数を増やしてほしい。 待ち時間が長い。 デパートのような授乳室やベビー休憩室があるとよい。 男性でもはいれるが、男性のみでは入りにくい。 ウ 鉄道駅、道路等について 渋谷駅は、いつも工事中で経路が変わるので、よく迷う。 子育て中の人は自転車での移動が多いが、駐輪場が少ない。 道が狭く、歩行者と自転車が分けられていない。 ベンチが少ないので、休めない。 46ページ 資料4 区民部会の検討概要 区民部会では、まち歩き点検の結果をもとに、利用者の視点でバリアフリー「アスタリスク」化の問題点や課題、その改善に向けた提案をとりまとめました。 かっこ(1)第1回区民部会 ア 実施概要 開催時期 2017年9月4日(げつ)14時から15時30分 検討内容 まち歩き点検の結果の確認 参加者数 8人(視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者の親、精神障害者の親、子育て関係者、学生) イ 主な意見 屋外の手すりは材質も重要。金属製の手すりは、冬など寒いと冷たくなるので、気温が低い場合でも冷たさを感じにくい材質にしてほしい。 多機能トイレ「アスタリスク」内のベビーチェアの位置が便器から離れすぎているところがある。ベビーチェアに座らせた子どもが立ち上がったり、落ちそうになったりするので、用便中に子どもを手で押さえられる位置にあるとよい。 知的障害者とその親が介助の場合、広めのトイレがあれば、多機能トイレを利用しないですむ。多機能トイレがあくまで待つことができない子どももいる。 右側通行、左側通行が場所によって違うので、混乱する。空間のわかりやすさ、案内しやすい雰囲気が重要。 障害について知ること、教育が大切。 47ページ かっこ(2)第2回区民部会 ア 実施概要 開催時期 2017年10月2日(げつ)10時から11時30分 検討内容 まち歩き点検の結果の確認、バリアフリー基本構想「アスタリスク」の概要について 参加者数 9人(車椅子使用者、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者の親、学生) イ 主な意見 ハード「アスタリスク」整備ができていなくてもソフト「アスタリスク」対策で解決する場合もある。知的障害者は雰囲気に敏感。歓迎されていないことを察知する。 トイレに並んでいても中の設備がわからず使えない場合がある。 公園のトイレに段差がある場合がある。トイレにはいれないのが一番不安。 歩道の勾配が一定でなく緩急の変化があると、つまずく危険がある。 道路と敷地のあいだにある幅の狭い段差(側溝の段差)が危険。 授乳室のある場所がわかるといい。公共施設も増やしてほしい。 筆談可能という表示はカウンターにおいてほしい。入口にもあると入りやすい。 駅のバリアフリールート「アスタリスク」は、複数の改札がある場合、各改札に1ルート必要ではないか。 スクランブル交差点は、人が多くぶつかりそうなので、怖くて横断できない。 信号機の経過時間表示も特定事業「アスタリスク」に入れてほしい。 48ページ かっこ(3)第3回区民部会 ア 実施概要 開催時期 2017年12月4日(げつ)10時から12時 検討内容 改善に向けた提案のまとめ、ソフト「アスタリスク」面の対応等の検討(グループワーク) 参加者数 27人(高齢者、肢体不自由者、視覚障害者、聴覚障害者、学生) イ 主な意見 出入口の傾斜がきつい。また、歩道がない道路に接している施設では道路と敷地に段差のある施設がある。 視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」が途中でなくなるなど、有効に設置されていない場合がある。 階段やスロープなどの手すりが十分に設置されていない。 窓口の対応について、障害者への対応の教育が不足していると感じる。 視覚障害者誘導用ブロックが階段の上下になく、階段に滑り止めも設置されていない施設がある。 オストメイト「アスタリスク」対応汚物流しについて、配置によっては視覚障害者が触ってしまうので、区別できるようにしてほしい。また、そういった設備があることを知らない人もいるので啓発も必要。 サインについては、大きくはっきり、わかりやすいもので、トイレの男女は色で分けてほしい。 【ソフト面の対応についての意見】 カウンターの低い位置に呼び出しボタンをつけ、車椅子使用者や視覚障害者が押すと、職員が出てきて対応する。 カウンターに折りたたみ式のテーブルを置いて、車椅子使用者が来たときに記載台として活用する。 49ページ 事前に訪問する時間を伝えて、その時間にドアを開けてもらうなど、職員・店員に対応してもらう。 道路と出入口のあいだの段差は三角板で対応。三角板は目立つ色にして、置いてあることがわかるようにする。 対応が必要な場合は、ボランティアやシルバー人材センターの人で対応する。 ローカウンターでない場合、職員がカウンターの外に出てきて対応する。 かっこ(4)第4回区民部会 ア 実施概要 開催時期 2018年1月29日(げつ)10時から12時 検討内容 区民意見に対する事業者の検討状況の確認、ソフト「アスタリスク」面の対応等の検討(グループワーク) 参加者数 20人(高齢者、肢体不自由者、車椅子使用者、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者の親、学生) イ 主な意見 【小規模施設の利用のための必要な配慮や対応について】 困ったときに声をかけて手助けしてほしい。 視覚障害者に対して、メニューなどの視覚情報を店員が口頭で伝えてほしい。 通路などに商品を置かないようにする。 小規模施設であれば、事業者との距離が近く、ハード「アスタリスク」で問題があってもソフトの対応で解決できる場合があるのではないか。 ちょっとした気配りをお店の人に知ってもらうパンフレットがあるとよい。 スーパーの出入口やエレベーターホールなどにベンチを置くなど、少し休めるような場所があるとよい。 商店街や地域ごとに利用できるトイレを案内するマップがあるとよい。 50ページ 補聴器を使っているので、ゆっくり大きな声で伝えてほしい。若い人は早口で声が小さい。 おせっかいな人が多くいるとよい。 【外出や施設利用で事前に必要な情報と取得方法について】 必要な情報はその施設までのルートと利用できるトイレの場所。 情報の取得方法はスマートフォンやパソコン、電話、口コミ、新聞、週刊誌、渋谷区のニュースや便利帳。 区が、バリアフリー「アスタリスク」情報を蓄積し、発信するとよい。 坂道や人混みの迂回ルートがわかるマップがあるとよい。 外出時は使えるトイレが限られているので、トイレが心配。公園の出入口などにトイレの案内板を設置し、トイレがどこにあるかわかるようにしてほしい。 デジタルサイネージ「アスタリスク」のマップでトイレ情報などが表示できるとよい。 【バリアフリー化における区民の意見の反映方法について】 区民の障害者への理解が不足しているので、障害者との交流、講演会などを実施してほしい。 子どもの頃からバリアフリーを学ぶ機会を設けるべき。 だれもが関心を持つ必要がある。 バリアフリーは人の気持ちがわかれば改善される。 建物を改修する前に障害者を含む利用者と話し合う機会があるとよい。 町会や商店会、シニアクラブ、女性の会、まちづくり協議会などを通じて、バリアフリーの取り組みをPRする。 各お店に目安箱のような意見を入れるボックスやノートがあるとよい。 新庁舎など、今後建設される大規模な施設に対して、意見を言えることが必要。 51ページ 資料5 街頭アンケート調査による意見 渋谷駅周辺のらいがいしゃのうち、高齢者・障害者等が渋谷駅周辺でどのような点にバリアを感じているのか街頭アンケート調査を実施しました。 かっこ(1)実施概要 実施期間 2017年9月6日(すい)から9月15日(げつ)、4日間 回答者数 64人 調査場所 渋谷駅東口広場・ハチ公広場、ヒカリエ付近、マークシティー付近、モヤイ像付近 実施補助者(延べ人数)日本大学、青山学院大学、國學院大學、東洋大学の学生ボランティア 計30人 【回答者の属性】 高齢者11名、肢体不自由者32名、視覚障害者5名、知的障害者1名、ベビーカー使用者15名 【調査場所別の回答者数】 東口広場付近12名、ヒカリエ付近12名、ハチ公広場付近15名、マークシティ付近16名、モヤイ像付近9名 52ページ かっこ(2)主な意見 【渋谷駅周辺で不便に感じるところ】※回答の多いものから列挙 エレベーターの数が少ない。 エスカレーターの数が少ない。 (工事中なので)サインが分かりづらい、迷う。 乗換動線のバリアフリールート「アスタリスク」が遠回りになっている(エレベーターの場所が遠いなど)。 駅が多層な構造でバリアフリーが十分でない。 (エレベーターやエスカレーターは少ないのに)階段が多い。 人込みでぶつかる(視覚障害者誘導用ブロック「アスタリスク」上を歩行中、車椅子で通行中、杖にぶつかる、リュックで押されるなど)。 歩道の舗装面がでこぼこ。 スクランブル交差点は渡り切れない。 スクランブル交差点は広告の音がうるさい。 通路の動線のルールがバラバラ(右側通行のところと左側通行のところが錯綜しているなど)。 該当アンケート調査の様子の写真 53ページ 資料6 事業者のバリアフリーの取組状況 各事業者のバリアフリー「アスタリスク」に関する取り組みの現状や今後の予定などについて、アンケート調査を行いました。その回答の概要を以下に示します。 種類 行政施設(回答2件) 主な回答 【取り組みの現状】 ソフト「アスタリスク」面でのバリアフリーの取り組みとして研修を実施している。 社会的弱者には親切丁寧に対応するよう、社員教育を徹底している。 英語ボランティアが常駐している。 外国人については、英語が堪能な職員が対応する。 【今後の予定、課題等】 ハード「アスタリスク」面について、バリアフリーに配慮した設備を検討している。 賃借ビルの一室であり、賃借する立場の判断だけでバリアフリー化できる状況にない。 種類 銀行・郵便局(回答7件) 【取り組みの現状】 出入口の段差解消、エレベーターの新設、多目的トイレへの改修などを実施している。 コミュニケーションボード「アスタリスク」、じょちょうき「アスタリスク」、筆談器、杖ホルダー「アスタリスク」、老眼鏡を設置している。 ATMの外国語(英語、ポルトガル語)表示をおこなっている。 優先ATM(障害者や、並ぶことが困難なお客様に優先してご利用いただくATM)、優先シート(障害者や妊娠中の人など必要とされている人に優先してお掛けいただくスペース)などを設置している。 ノーマライゼーション「アスタリスク」の取り組みを進めている。 お客様に合わせた声掛け、サポート等をおこなっている。 「サービス・ケア・アテンダント「アスタリスク」」資格の取得を進めている。 認知症サポーター養成講座「アスタリスク」の受講を進めている。 ヘルプマーク「アスタリスク」についての勉強会を実施している。 【今後の予定、課題等】 合理的配慮を求められたときの対応が課題となっている。 ハード面の改修は構造的に対応が難しい場合がある。 54ページ (事業者のバリアフリーの取組状況のつづき) 種類 大規模商業施設・集客施設(回答7件) 主な回答 【取り組みの現状】 バリアフリールート「アスタリスク」の確保、エレベーター、多機能トイレ「アスタリスク」等の整備をおこなっている。 設備環境(ハード「アスタリスク」)・接客(ハート)の両面からのバリアフリー対応をおこなっている。 ユニバーサルマナー検定「アスタリスク」を実施している。 ベビーカー・車椅子の貸し出しサービスをおこなっている。 サービス介助士「アスタリスク」の取得を推進している。 筆談対応をおこなっている。 通訳ナビダイヤルを導入している。 外国人スタッフを配置している。 3か国語(英語、中国語、韓国語)のパンフレット、地図を備え付けている。 英語、中国語の館内放送を実施している。 ピクトグラム「アスタリスク」での案内をおこなっている。 11か国語のデジタルインフォメーションボード「アスタリスク」を設置している。 英会話、文化習慣理解の研修をおこなっている。 人権意識やマイノリティへの配慮についての理解を深める研修を実施している。 ガラス越しに障害のあるかたが見えた場合、率先してドアの開閉をサポートしている。 【今後の予定、課題等】 館内の案内サインの見直しを予定している。 施設の建替えを予定している。 整備費用の予算確保が課題。 55ページ (事業者のバリアフリーの取組状況のつづき) 種類 宿泊施設(回答1件) 主な回答 【取り組みの現状】 サービス介助士「アスタリスク」の取得を推進している。 エレベーター近くの部屋への案内をおこなっている。 ユニバーサルツインルーム(高齢者や車椅子をご利用のお客様に快適にお過ごしいただけるよう工夫をこらした機能的な客室)への案内をおこなっている。 メインフロアに4か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)表示をおこなっている。 種類 鉄道・バス(回答4件) 主な回答 【取り組みの現状】 全駅において、エレベーターによるバリアフリー「アスタリスク」の1ルートの確保をおこなっている。 渋谷駅に乗り入れる一般乗り合いバスはすべてノンステップバス「アスタリスク」(一部の深夜急行バス、空港連絡バス、高速乗り合いバスを除く)となっている。 停留所周辺の環境改善をおこなっている。 全営業所・支所に筆談器を設置し、全車両に筆談用メモ帳を設置し、対応している。 全車両にコミュニケーションボード「アスタリスク」を設置し、対応している。 全駅社員にサービス介助士の取得を推進している。 障害者差別解消法を含めた内容の研修を実施している。 声掛け運動・ヘルプマーク「アスタリスク」のポスターを掲示している。 高齢者疑似体験等をおこなっている。 障害当事者を講師として招いての実践的な研修を実施している。 【今後の予定、課題等】 リフト付き観光バスの導入を検討している。 外国人対応を含めたバリアフリー「アスタリスク」の研修・教育が課題。 56ページ 資料7 渋谷区バリアフリー推進協議会委員名簿 敬称略、かっこ内は前任者 No.1、区分 学識経験者 座長、所属 東洋大学ライフデザイン学部、現職 教授、氏名 たかはしぎへい 2、学識経験者 副座長、日本大学理工学部、准教授、江守央 3、学識経験者、東洋大学ライフデザイン学部、教授、水村容子 4、区民等、渋谷区身体障害者福祉協会、会長、薬丸義朗 5、区民等、渋谷区聴覚障害者協会、会長 越川重夫 6、区民等、渋谷区視覚障害者福祉協会、会長 大沼須摩子 7、区民等、渋谷区てをつなぐ親の会、会長 堀口智子 8、区民等、渋谷太陽の会、会長 本田道子 9、区民等、渋谷区シニアクラブ連合会、連合会長 近藤博行 10、区民等、ふれあい子育てサロン スイミー、理事長 すみい美由紀 11、区民等、渋谷区町会連合会、会長 小林三雄 12、区民等、渋谷区商店会連合会、会長 大西賢治 13、旅客施設及び車両等 鉄道、東日本旅客鉄道株式会社東京支社総務部企画室副課長 岡本孝 かっこ さいまる仁一 14、東京急行電鉄株式会社鉄道事業本部事業推進部沿線企画課長 平江良成 15、東京地下鉄株式会社、鉄道統括部 移動円滑化設備整備促進担当課長 村里誠 かっこ 木津和久 16、京王電鉄株式会社、鉄道事業本部 計画管理部 計画担当課長 藤井一郎 かっこ 志賀英介 17、旅客施設及び車両等 バス、東京都交通局自動車部計画課事業改善担当課長 野澤正幸 18、東急バス株式会社、運輸事業部 運輸計画部 計画課長 原山大輔 19、小田急バス株式会社、運輸部 運行計画担当課長 岡村淳 20、京王電鉄バス株式会社安全技術部 安全推進・サービス向上担当課長 奥田やすひろ 21、株式会社フジエクスプレス業務部長 藤森直登 22、道路管理者 国土交通省 東京国道事務所 交通対策課長 五味やすまさ かっこ 三條憲一 23、東京都 第二建設事務所 管理課長 高橋伸子 24、渋谷区 土木清掃部長 斉藤和夫 かっこ 大澤一雅 25、公園管理者 土木清掃部長 斉藤和夫 かっこ 大澤一雅 26、交通管理者 警視庁 渋谷警察署 交通課長 五十嵐勉 27、建築物管理者 渋谷区 総務部 施設整備担当部長 黒柳貴史 かっこ 加藤健三 28、関係行政機関 国土交通省関東運輸局交通政策部消費者行政・情報課長 遠藤こう かっこ 笠間雅弘 29、東京都 都市整備局 都市基盤部 交通企画課長 長尾はじめ かっこ 谷崎けいいち 30、渋谷区 経営企画部 部長 星野大作 31、福祉部 部長 藤野貴久 32、子ども総合支援センター長 部長 植竹ゆかり 33、都市整備部 部長 加藤健三 かっこ 秋葉英敏 57ページ 資料8 用語解説 【あぎょう】 ■アクセス 目的の場所へ接近すること。または、その交通手段。 ■移動等円滑化の促進に関する基本方針 バリアフリー法第3条に基づき、主務大臣が定める移動等円滑化を総合的かつ計画的に推進するための基本方針(2011年3月改正)。 ■エスコートゾーン 横断歩道の中央部に道路全幅にわたって触覚マーカ(突起帯)を敷設した設備で、視覚障害者の道路横断を支援するもの。 ■オストメイト 直腸・膀胱などの機能障害のため、人工肛門・人工膀胱を使用している人のこと。 ■音響式信号機 歩行者用青信号の表示の開始または表示が継続していることを音響により伝達することができる装置を付加した信号機のこと。 【かぎょう】 ■回遊性 地区内などにおける複数の目的地相互の往来のしやすさ。 ■車椅子使用者用駐車施設 車椅子使用者が自動車のドアを全開した状態で車椅子から自動車へ容易に乗降できるスペースを確保した駐車施設のこと。 ■高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例 バリアフリー法第14条第3項の規定により、東京都内の建築物に対しバリアフリー化の義務付け対象の拡大や整備基準の強化をおこなっている、東京都の条例(2003年12月制定、2006年12月改正)。 ■心のバリアフリー 高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保することの重要性について理解を深めるとともに、視覚障害者誘導用ブロックへのちゅうりん、障害者用駐車スペースへの駐車など、高齢者、障害者等の施設の利用を妨げないこと、必要に応じ高齢者、障害者等の移動及び施設の利用を手助けすること等の支援により、高齢者、障害者等の円滑な移動及び施設の利用に積極的に協力すること。 58ページ ■コミュニケーションボード 聴覚障害者や知的障害者、日本語がわからない外国人など、言葉(文字と話し言葉)によるコミュニケーションが困難な人の補助をするためのボード。ボードに絵、写真、文字、数字などが記されており、それらを使ってコミュニケーションを図ることができる。 【さぎょう】 ■サービス介助士 家事援助等に必要な入浴・排泄・食事などの介護技術を要しない「比較的元気な高齢のかたや障害をもつかたをお客様としてお迎えするときの介助技術」について、公益財団法人日本ケアフィットきょういく機構が認定する資格。 ■サービス・ケア・アテンダント 一般社団法人公開経営指導協会が試験実施・運営する資格。高齢者、障害者等にとどまらず、あらゆる人の立場にたって、公平な情報とサービスを提供するという考え方をもとに、単なる介助技術だけではなく、お客様への気づきや配慮も融合し、サービス品質の向上を図るもの。 ■視覚障害者誘導用ブロック 視覚障害者を誘導するために床面や路面などに敷設される、線状、点状の突起をもったブロックのこと。 ■渋谷区基本構想 20年後を展望した区の未来像を明らかにするものであり、今後の区政の基本理念や長期的指針を示す区と区民の憲章となるもの。渋谷区における計画的な行財政運営の基本的かつ総合的な指針としての位置づけを持つ。 ■渋谷区長期計画 渋谷区基本構想に掲げる未来像を実現するために必要な10年間の各分野における施策の方向性を示すもの。 ■渋谷区バリアフリー推進協議会 高齢者・障害者等の区民、学識経験者、交通事業者、施設管理者、関係機関、渋谷区等で構成し、バリアフリー基本構想の協議、調整を行う組織。 ■重点整備地区 区市町村が、バリアフリー化の事業の推進に関する計画(バリアフリー基本構想)を定める地区として、駅を中心とした地区や公共施設等が集まる地区など、一定の範囲を定めるもの。 ■障害者差別解消法 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(2013年6月制定、2016年4月施行)の略称。国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として制定され、差別の禁止と合理的配慮などを位置づけている。 ■じょちょうき 耳の聞こえにくい人が聞き取りを補助するために使う器具。 ■ソフト 人の気持ちや行動、考え方、制度など、主に運用に関するもの。 59ページ 【たぎょう】 ■大規模小売店舗立地法 大規模小売店舗の立地に際し、その周辺の地域の生活環境を保持するため、大規模小売店舗を設置する者により、その施設の設置及び運営方法が適正に行われることを確保するための手続きを定める法律(1998年6月制定、2000年6月施行)。 ■多機能トイレ 高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児を連れた人など、だれもが円滑に利用できる十分なスペースを確保したトイレ。オストメイト(人工肛門や人工膀胱を使用している人)用の洗浄器、乳幼児のおむつ交換用のベビーベッド、大人用の着替えやおむつ交換等に使用される大型ベッドを備えたものがある。 ■段鼻 階段のふみづらの一番せんたんの部分。 ■杖ホルダー 使用していない杖を立てておくもの。カウンターや記載台などに杖を固定させておくことができる。 ■デジタルインフォメーションボード ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信する案内板。 ■デジタルサイネージ 屋外、店頭、公共空間、交通機関など、あらゆる場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムのこと。 ■点状ブロック 点状の突起を表面に付けたブロック。段差部分、危険箇所の前面、誘導方向が変化する部分などに敷設する。 ■東京都福祉のまちづくり条例 高齢者や障害者を含めたすべての人が、安全、安心、快適に暮らし、訪れることができるまちづくりを進めることを目的に、東京都が定めた条例(1995年3月制定、2009年3月改正)。施行規則において、対象となる施設や整備基準を定めている。 ■特定事業 バリアフリー法に基づく基本構想に記載される事業(バリアフリー化に関する事業)で、公共交通特定事業、道路特定事業、交通安全特定事業、建築物特定事業、ろがい駐車場特定事業及び都市公園特定事業をいう。 ■特定事業計画 バリアフリー基本構想に記載された特定事業に関し、実施する事業の具体的な内容や実施予定期間などを明示する計画。対象施設別に、公共交通特定事業計画、道路特定事業計画、交通安全特定事業計画、建築物特定事業計画があり、各事業者が作成する。 60ページ  【なぎょう】 ■内方線付き点状ブロック 鉄道駅のホームのえんたんを警告するためのブロックで、従来の点状ブロックに加えて、どちらがホームの内側かわかるように、点状ブロックの内側に線状突起を1本追加したブロックのこと。 ■認知症サポーター養成講座 認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」を養成する講座。地域住民、金融機関やスーパーマーケットの従業員、小、ちゅう、高等学校の生徒などを対象に各自治体が実施している。 ■ノーマライゼーション 障害者や高齢者など社会的に不利を負う人々を当然に包含するのが通常の社会であり、そのあるがままの姿で、ほかの人々と同等の権利を享受できるようにするという考え方。 ■ノンステップバス 乗降ぐちの階段をなくし乗降を容易にしたバス車両のことで、床の高さが地上から概ね35p以下のもの。 【はぎょう】 ■ハード 道路や建築物、設備など、主に施設に関するもの。 ■パブリックコメント 行政が計画を策定する際に、あらかじめ計画の原案を公表し、寄せられた意見を考慮して最終決定するための一連の手続き。 ■バリアフリー 高齢者や障害者などが社会生活をしていく上で障壁(バリア)となるものを除去(フリー)すること。もともと、段差などの物理的障壁の除去をいうことが多いが、障害者の社会参加を困難にしている社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも用いられる。 ■バリアフリー基本構想 バリアフリー法第25条の規定により、区市町村が、駅を中心とした地区や公共施設等が集まる地区(重点整備地区)を対象に、重点的かつ一体的なバリアフリー化を推進するため、整備の方針や事業などを定めるもの。 ■バリアフリー法 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(2006年6月制定、2006年12月施行)の通称。高齢者や障害者などの自立した日常生活や社会生活を確保するために、旅客施設・車両等、道路、ろがい駐車場、都市公園、建築物に対して、バリアフリー化基準(移動等円滑化基準)への適合を求めるとともに、駅を中心とした地区や、高齢者や障害者などが利用する施設が集中する地区(重点整備地区)において、重点的かつ一体的なバリアフリー化を進めるための措置などを定めている。 61ページ ■バリアフリールート 障害者などが円滑に移動できる経路。十分な幅員の確保や、段差の解消が図られていることが必要となる。 ■ピクトグラム 抽象化、単純化された絵文字等で表現された視覚記号のこと。 ■幅員 道路、通路、階段などの横方向の長さ。 ■ふみづら 階段の足を乗せる部分。 ■ヘルプカード 障害者等が、災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障害への理解や支援を求めるためのカード。聴覚障害者や内部障害者、知的障害者など、一見、障害者とはわからない人が周囲に支援を求める際に役立つ。東京都がガイドラインを作成し、区市町村が作成、配布をしている。 ■ヘルプマーク 義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、または妊娠初期の人など、外見からはわからなくても援助や配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう作成したマーク。 ■ホームドア(さく) 駅のホームのえんたんに設けられた、ホームと線路を仕切るさく(ドア)。ホーム上の利用者が線路内に立ち入ったり、転落したりするのを防ぐなど安全を確保できる。 【やぎょう】 ■ユニバーサルマナー検定 一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会が実施している検定試験。高齢者や障害者など多様な人々に向き合うために必要な心づかいや適切なサポート方法を学び、身につけることを目的としている。 【らぎょう】 ■ろがい駐車場 道路の路面外に設置される自動車の駐車施設で、一般公共用の駐車施設のこと。 奥付 渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想〈改定版〉 平成31年(2019年)3月 発行:渋谷区都市整備部渋谷駅周辺整備課 郵便番号1 5 0の8 0 1 0 東京都渋谷区宇田川ちょう1番1号 電話 0 3の3 4 6 3の2 9 1 5 ファックス 0 3の5 4 5 8の4 9 1 8