編集という仕事柄、あちこちの地域活動を見たり聞いたりするのですが、人が暮らすまちのさまざまな風景に出会うと、とてもうれしくなります。公園で子どもたちと一緒に植物を植えた後、大人たちが公園の真ん中で小さなテーブルを囲んでコーヒーを飲みながら話に盛り上がっているのを見ても「なんか楽しそう!」と思います。こども食堂で強面のおじさんがでっかいお鍋で黙々とシチューを煮ていたりするのを見るとキュン!としてしまうし、無口で気難しそうなおじさんが緑道の脇の花壇で黙々と花を植えているのもイイ! 若者が「この店のアイスは絶対においしいんですよ!」とか言って、私らのような訪問者を引き連れて自慢の店に連れていってくれて、お店のオーナーを我がことのように一生懸命自慢してくれたりすると、なんだか私もうれしくなって、思った以上に買い込んじゃったりする。おすすめのコロッケを食べていると、高齢者や車椅子の人や子どもたちが「こんちは!」と言ってくれる。そういう風景を見るたびに、みんな地元を愛していて、地元にも愛されているんだなあと、どこかちょっと嫉妬のような、うらやましさというか憧れというか、ここは良い地域だなあ、とジーンとしてしまうのです。地域活動は、どんなにちょっとしたことだったローカルアクションは居場所づくりの第一歩 あきる野市にある「100日荘」の壁に貼られた、子どもたちの言葉まちのお休み処「100日荘」では、気軽に入れるのが土間。滞在時間が長い子たちのためには、和室や2階がある文・写真=紫牟田伸子(編集部)住んでいる地域に気の合う仲間や、一緒に過ごして楽しい人が増えていく。自分らしさを発揮したり、人のためになったり、楽しさを共有したりするのがローカルアクションです。地域の暮らしを楽しくすることがローカルアクションですから、そこには必ず居場所が生まれるのです。26ローカルアクションがつくるまちの居場所
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