Shibuya_booklet_fix
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― 池田さん鵜養さんにお伺いします。大山街道の整備や駅前広場の整備という話が出ています。こういった、空間を使ってこれからどんなことをしていきたいっていう思いはありますか?池田小夏:大山街道の整備によって広がる空間にオープンカフェが連続して並んでいたら素敵だなと思います。海外に行った際に、オープンカフェが連続して並んでいる通りを歩いたことがありますが、その時に飲食店の活気が通りの活気になって、それがまた街自体の活気にも繋がっていると感じました。日本では法律などの規制もあって、難しい部分もあるかと思いますが、建物と道の境を感じずににぎわいが広がるような空間があったら嬉しいなと思います。鵜養亮太:大山街道整備によって広がる歩行空間を生かして、スポーツイベントができたら魅力的だなと思っています。例えば、サンロッカーズ渋谷や、SHIBUYA CITY FCなど、渋谷のスポーツチームが地域と連携して活動することで、渋谷を好きになる人を増やしていくことができたら、今以上にシティプライドをもった人が溢れる街になるのではないかと思います。スポーツは地域の活性化に繋がる可能性があると感じています。― 最後にみなさんに渋谷駅周辺の整備が完了する見込みの10年後の渋谷について語っていただきたいと思います。まずは、長谷部区長。区長はスマートシティを推進されていらっしゃいますが、大山街道、それから駅前広場など歩いて楽しい道路や広場が整備された10年後。渋谷が目指すスマートシティはどんな街になっていると考えていますか?長谷部区長:これから街中で色々なデータを取っていこうとしています。これが蓄積されてくると、歩行者動線はもちろん、災害時などはデータに基づいて「こういう風にやっていくといいんじゃないか」というのが明確にわかってくると思います。渋谷にあるクリエイティビティーとそのデータを組み合わせて、さまざまなことを追求していくステップになると思います。世界でもそういった事例がありますので、渋谷もこれをしっかりと追求していきたいなと、準備を進めているところです。― 10年後を見据え、渋谷カルチャーをさらに広めていくために区長が考えていらっしゃることはありますか?長谷部区長:行政としてできることとしては、ベースを作る、土台を作ることだと思います。例えば、道を整備すればそこで新しい文化が生まれてくるような仕掛けなど。あとは次の世代にも、渋谷の街で夢を描いてもらえるのはすごくうれしいし、スマートシティについても一緒に頑張っていきたいなと思っています。― 若い世代にも期待ですね。鵜養さんと池田さんの所属されている田原ゼミでは、人口減少社会における地域政策や社会保障の研究などをされているとお聞きしております。10年後人口減少が進む中で、渋谷を持続させるためにどんなことが必要だと考えていますか?池田小夏:街のにぎわいを維持するためにも、デジタルが重要なツールになると考えています。10年後はやはり、ハード面でのバリアフリー化などが進むと思いますが、整備したハード面をより生かすためにも、どこに何があって、どうアクセスができるのか見える化を進めることが欠かせないと考えています。見える化を進めることで、バリアフリーを必要とする方であったり、海外から来た方など、渋谷を訪れる多くの方の行動範囲が広がって、にぎわいが街全体に広がっていくのではないかと思います。鵜養亮太:10年後は、渋谷に住む人や訪れる人達同士が繋がりを持てる環境作りが大切になると私は思います。渋谷にはまだスポーツをする文化というのが根付いていないと感じるため、スポーツを通して多様な人々が交流できるような場を設けることで、人口減少が進む中でも人と人との繋がりによってにぎわいを持続させることができるのではないかと思います。37

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