まちづくりの都市基盤となるハードの整備に加えて、街のにぎわいや地域の活性化をもたらすソフトな演出も重要となっており、渋谷の街のにぎわいづくりについてさまざまな観点からお話を伺いました。― まちづくりについて必要なものは何でしょうか?長谷部区長:「ちがいを ちからに 変える街。」という未来像を掲げる渋谷区にとって、ダイバーシティ、インクルージョンは非常に大切なものであり、また渋谷区の歴史を振り返ってみても、もともとそうやって成り立ってきたのだと思います。渋谷区というのは、約100年前に明治神宮ができ、何もない場所に日本中から人が集まりコミュニティーが形成されていきました。また、戦後は海外からさまざまな文化が集まり、東京オリンピックで道路も整備され、都市が開発されてからはさらに大勢の人が集まる。そういった空気が生まれて、あらゆる人々が世界中から集まってくる街になっていきました。大勢の人たちが集まり混じり合い、認め合って新しい文化を発信してきた街だからこそ、違いを力に変えていくというのは、古くからこの街の原動力であったと思います。― ”混じり合う”が一つのキーワードになりますね。駅周辺だけではなく、渋谷の中でも地域ごとにさまざまな特徴があると感じますが、こういうところも渋谷の魅力でしょうか?長谷部区長:渋谷はエリアによって雰囲気や人々のエネルギーもちょっとずつ違います。それは個性であり、その街に住んでいる人の誇りでもあると思います。そこもまたこの街の魅力ではないでしょうか。32第二部SHIBUYA IDENTITY 変わりゆく渋谷の魅力ー渋谷区で進められているソフトなまちづくりについて語るー
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