Shibuya_booklet_fix
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また、東京オリンピックの時に渋谷川に流れ込む宇田川や穏田川が暗渠化され、そこから一気に渋谷の街の改造ができるようになったと聞いております。そのタイミングで、東急百貨店本店や西武渋谷ができ、渋谷パルコが50年前にでき、SHIBUYA109ができた。実は、渋谷駅前の交差点がスクランブル化したのも50年前です。今年は渋谷を象徴するハチ公とスクランブル交差点の非常に記念すべき年なのですね。そして、2002年に副都心線と東横線の相互直通が都市計画決定され、東横線を地下化する工事では8年で約8万人の方々が携わりました。最終日はたった3時間半で2m直下に線路を下ろすという工事を行いましたが、1,200人もの工事関係者により一気に集中してできた工事でした。これがきっかけとなって、土地区画整理事業を始めとしたさまざまな事業が駅前で始まっていきました。その中で特筆すべき工事を3つあげます。1つ目は東急百貨店の解体工事です。東館・中央館・西館から成り、特に中央館は真下に山手線埼京線が走っていますので、非常に難しい工事になりました。両側の東館と西館から中央館を吊り、ブロック化しながら慎重に解体していくという難工事でした。2つ目は、銀座線です。本設のホームを明治通り上に作り軌道を敷くのに、3年に亘り3回ほど線路を切り替えています。また、最後の駅を移動する際は、5,000人が6日間かけて動かしたそうです。3つ目はJRさんの工事です。なんと5年かけて5回の線路切り替えを行っています。もともとは埼京線のホームが350mほど南にあったのですが、それを山手線のホームと並列の位置に移動する工事です。また、今年の1月なので記憶に新しいかもしれませんが、山手線の内回り外回りを島式ホームといわれる同一ホームとするための線路切替工事が終わったところです。このように大工事が脈々と続いていく中で、現在は西口側の工事に取り掛かっているところです。鉄道工事に加えてビル工事も進んでおり、駅を中心とした五街区5つのビル、その広さは合わせて85万平米にものぼります。さらに五街区の周辺でも、東急グループのみならず、いろいろな会社の方が開発をされています。2019年に開業した渋谷スクランブルスクエア東棟屋上階の渋谷スカイも、連日大勢の方々にご利用いただいております。― さまざまな方面からの再開発についてわかりやすく教えていただきました。ちょうど皆さんがいらっしゃる東口地下広場の下に雨水の貯留槽があるということですね。本当に災害にも強い街、渋谷になっているなと感じます。続きまして、国土交通省東京国道事務所 石井事務所長。国での基盤整備について教えていただけますでしょうか?石井事務所長:渋谷は地形の問題や、さまざまな交通機能によって道が分断されているところがあり、昔は地上に降りて、そこから歩道橋に登ってまた降りて反対側に行っていましたが、道路上空を使った歩行者デッキによって分断された歩道をつなげ、さらに再開発と連携しながら、歩道からビルに直接入れるように整備し、また、道路の地下空間を利用して地下の歩道を作るなど、歩行者の安全性や利便性が向上するような歩行者ネットワークを形成し街の一体化に貢献していこうという思いで進めています。渋谷駅西口側の工事の様子渋谷フクラスと渋谷サクラステージをつなぐ西口地下歩道28

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