Shibuya_booklet_fix
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― ウォーカブルなまちにすることで、渋谷内の各地がつながっていくところが大きなポイントですね。では続いて、坂井さん。近年の民間での基盤整備をはじめとした、再開発について教えていただけますか?長谷部区長:区民に”どこにシティブランドを感じているか?”とアンケートを取ると「渋谷駅周辺よりも、明治神宮、代々木公園の緑」に誇りを持っている人が多いことがわかりました。表参道はファッションストリートのように見えていますが、あれは明治神宮の参道です。渋谷ならではの魅力は、参道という日本の文化に海外の文化が混じり合い、ミックスカルチャーによる独自文化が形成された街になっていることだと思います。そう思った時に、街と街をつなぐ道として手付かずに残っている西参道と北参道を整備していくことで、またそこに新たな文化が生まれるのではないかと感じています。また、甲州街道沿いにある2.6kmの玉川上水旧水路緑道がありますが、そこもコミュニティーを育成するという意味で「ファーム」というテーマでさまざまな仕掛けをし、愛着を持てる空間を作っていこうと思っています。新宿にも近い笹塚・幡ヶ谷・初台エリアも、それぞれ一つの街を強くするのではなく、つながって魅力を作っていくことにトライしたいです。坂井代表:渋谷駅は誕生以降、次々と鉄道が乗り入れて、今では、1日300万人を超える方々が日々利用していらっしゃいます。これは世界第2位で、さらに路線バスは1日9万人。これは、川崎・京都に続いて、僅差なのですが日本第3位とのことで、このように渋谷駅は交通の要所となっています。歴史を振り返ってみると、1934年に関東初のターミナル百貨店として東横百貨店ができました。この20年後、戦後の1954年に東急会館(のちの東急百貨店東横店西館)ができています。当時、日本一の高さだったのですが、特筆すべきはこの中に東横劇場があり、演劇や歌舞伎、落語、ロックもやっていました。その直後に、プラネタリウムのある東急文化会館ができます。当時は、そういうところから渋谷発の文化が生まれたのではと思います。東急文化会館の五島プラネタリウムの屋根が見える(1959年)©SHIBUYA CITY RECORD27

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