○渋谷区文化財保護条例

平成一四年一二月一〇日

条例第四四号

渋谷区文化財保護条例(昭和五十年渋谷区条例第三十四号)の全部を改正する。

目次

第一章 総則(第一条―第四条)

第二章 文化財の登録及び指定(第五条―第九条)

第三章 文化財の保護等(第十条―第十四条)

第四章 管理義務等(第十五条―第二十条)

第五章 文化財保護審議会(第二十一条―第二十六条)

第六章 雑則(第二十七条―第二十九条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号。以下「法」という。)第百八十二条第二項の規定に基づき、法及び東京都文化財保護条例(昭和五十一年東京都条例第二十五号。以下「都条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で区内に存するもののうち、区にとって文化的に重要であり、かつ、価値の高いものの保存と活用に必要な措置を講じ、区民の文化的向上に貢献することを目的とする。

(一部改正…一七年一三号)

(定義)

第二条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

 有形文化財 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書、金石文その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料

 無形文化財 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの

 有形民俗文化財 生活、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習及び民俗芸能に用いられる衣服、器具、家屋等の物件で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの

 無形民俗文化財 生活、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習及び民俗芸能で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの

 史跡 貝塚、古墳、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの

 名勝 庭園、橋りょうその他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの

 天然記念物 動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象を生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの

(区の責務)

第三条 区は、文化財が歴史及び文化の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎を成すものであることを認識し、その保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない。

2 渋谷区教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、文化財を調査し、その所在及び保存状況を明らかにするとともに、文化財の保護に関する区民の自主的活動の育成、区民への情報の提供その他の措置を執り、区民の文化財の保護に関する意識の高揚に努めなければならない。

3 教育委員会は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

(区民等の責務)

第四条 区民は、文化財の保護に努めるとともに、区がこの条例の目的を達成するために行う施策に協力しなければならない。

2 文化財の所有者、権原に基づく占有者、保持者、保持団体及び保存に当たっているものは、文化財を大切に保存するとともに、できる限りこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。

3 文化財の所有者その他の関係者で、文化財の保存に影響を及ぼす行為をしようとするものは、区が文化財の保存に関し行う指導又は助言を尊重しなければならない。

第二章 文化財の登録及び指定

(文化財の登録)

第五条 教育委員会は、区内に存する文化財のうち特に保存する必要があると認めるものを次に掲げる渋谷区登録文化財(以下「区登録文化財」という。)に登録することができる。

 渋谷区登録有形文化財

 渋谷区登録無形文化財

 渋谷区登録有形民俗文化財

 渋谷区登録無形民俗文化財

 渋谷区登録史跡

 渋谷区登録名勝

 渋谷区登録天然記念物

2 教育委員会は、前項の規定による登録をするに当たり、あらかじめ次に掲げるものの同意を得なければならない。

 前項第一号第三号及び第五号から第七号までの文化財については、所有者及び権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)

 前項第二号及び第四号の文化財については、保持者、保持団体及び保存に当たっているもの(以下「保持者等」という。)

(登録の解除)

第六条 教育委員会は、区登録文化財が区登録文化財としての価値を失ったときその他特別の理由があるときは、前条第一項の規定による登録を解除することができる。

2 区登録文化財について、法若しくは都条例の規定による指定を受けたとき、又は次条の規定により渋谷区指定文化財の指定を受けたときは、前条第一項の規定による登録は、解除されたものとする。

3 教育委員会は、前条第一項の規定による登録を受けた渋谷区登録無形文化財又は渋谷区登録無形民俗文化財(以下「区登録無形文化財等」という。)の保持者が心身の故障により保持者として適当でなくなったと認められるとき、保持団体がその構成員等の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるときその他特別の理由があるときは、当該登録を解除することができる。

4 区登録無形文化財等の保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したときは、前条第一項の規定による登録は、解除されたものとみなす。

(文化財の指定)

第七条 教育委員会は、区登録文化財のうち、特に重要なものを所有者等又は保持者等の同意を得て次に掲げる渋谷区指定文化財(以下「区指定文化財」という。)に指定することができる。

 渋谷区指定有形文化財

 渋谷区指定無形文化財

 渋谷区指定有形民俗文化財

 渋谷区指定無形民俗文化財

 渋谷区指定史跡

 渋谷区指定名勝

 渋谷区指定天然記念物

(指定の解除)

第八条 教育委員会は、区指定文化財が区指定文化財としての価値を失ったときその他特別の理由があるときは、前条の規定による指定を解除することができる。

2 区指定文化財について、法又は都条例の規定による指定を受けたときは、前条の規定による指定は、解除されたものとする。

3 教育委員会は、前条の規定による指定を受けた渋谷区指定無形文化財又は渋谷区指定無形民俗文化財(以下「区指定無形文化財等」という。)の保持者が心身の故障により保持者として適当でなくなったと認められるとき、保持団体がその構成員等の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められるときその他特別の理由があるときは、当該指定を解除することができる。

4 区指定無形文化財等の保持者が死亡したとき又は保持団体が解散したときは、前条の規定による指定は、解除されたものとみなす。

(告示、通知、登録書又は指定書の交付等)

第九条 教育委員会は、第五条の規定による登録をしたとき及び第七条の規定による指定をしたときは、その旨を告示し、区登録文化財又は区指定文化財の所有者等又は保持者等(以下「管理者等」という。)に通知するとともに、登録書又は指定書を交付しなければならない。

2 教育委員会は、第六条の規定による登録の解除又は前条の規定による指定の解除をしたときは、その旨を告示し、管理者等に通知しなければならない。

3 管理者等は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに登録書又は指定書を教育委員会に返付しなければならない。

4 登録及び登録の解除並びに指定及び指定の解除は、第一項及び第二項の規定による告示があった日からその効力を生じる。

第三章 文化財の保護等

(保存地域の設定等)

第十条 教育委員会は、区指定文化財の保存のため必要があると認めたときは、所有者等の同意を得て、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。

2 教育委員会は、所有者等の同意を得て、区指定文化財の保存に必要な施設を設置し、所有者等に管理させることができる。

(管理等に関する勧告)

第十一条 教育委員会は、区登録文化財及び区指定文化財(以下「区文化財」という。)の管理、修理若しくは復旧又は保持(以下「管理等」という。)に関して必要があると認めるときは、その管理等について勧告することができる。

(報告)

第十二条 教育委員会は、必要があると認めるときは、管理者等に対し、区文化財の現状又は管理の状況につき報告を求めることができる。

(経費の負担)

第十三条 区文化財の管理等に要する経費は、管理者等の負担とする。ただし、区指定文化財の管理等において、当該管理等に多額の経費を要し、当該管理者等がその負担に堪えないときその他特別の理由があるときは、区は、当該区指定文化財の管理者等に対し、その経費の全部又は一部について予算の範囲内で補助金を交付することができる。

(補助金の返還等)

第十四条 区は、前条ただし書の規定による補助金の交付を受けるもの又は受けたものが次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又はそのものに対し既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還をさせることができる。

 管理等に関し、この条例又は教育委員会の指示に違反したとき。

 補助金交付の条件に違反したとき。

 虚偽その他不正の方法により補助金の交付を受けたことが明らかになったとき。

第四章 管理義務等

(管理義務)

第十五条 区文化財の管理者等は、この条例及び教育委員会の指示に従い、常に注意を払って、当該区文化財の管理をしなければならない。

(管理責任者)

第十六条 区文化財の所有者等は、特別の理由があるときは、自己に代わり、当該区文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

2 所有者等は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも、同様とする。

3 管理責任者には、前条の規定を準用する。

(権利義務の承継)

第十七条 区文化財の管理者等を変更したときは、変更後の管理者等は、当該区文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による変更前の管理者等の権利義務を承継する。

2 前項の規定による変更をするときには、変更前の管理者等は、当該区文化財の引渡しと同時にその登録書又は指定書を変更後の管理者等に引き渡さなければならない。

(届出事項)

第十八条 区文化財の管理者等は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

 区文化財について所有権その他の財産権等に異動を生じたとき。

 区文化財が滅失し、若しくは損傷し、又はこれを亡失し、若しくは盗難にあったとき。

 区文化財の所在地を変更したとき。

 管理者等又は管理責任者の氏名、名称、住所等を変更したとき。

 区文化財の保存方法を変更しようとするとき。

 区文化財を修理又は復旧しようとするとき。

2 区文化財の保持者等又はその関係者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

 保持者等が、心身の故障その他の理由により保持者等として適当でなくなったとき。

 保持者等が死亡したとき又は解散したとき。

(現状変更の制限)

第十九条 区登録文化財の管理者等又は管理責任者は、当該区登録文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会に届け出なければならない。

2 区指定文化財の管理者等又は管理責任者は、当該区指定文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。

(公開)

第二十条 管理者等は、その管理に係る区文化財について、できる限り公開するよう努めなければならない。

2 教育委員会は、区文化財の管理者等に対し、六月以内(渋谷区登録無形文化財又は渋谷区指定無形文化財(以下「区無形文化財」という。)にあっては、十日以内)の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため区文化財の提供を求めることができる。

3 教育委員会は、区文化財の管理者等に対し、三月以内(区無形文化財にあっては、十日以内)の期間を限って、当該区文化財の公開を求めることができる。

4 第二項の提供のために要する経費は、区の負担とする。

5 教育委員会は、第三項の公開及び当該公開に係る区文化財の管理に関し、必要な指示をすることができる。

6 第二項又は第三項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該区文化財が滅失し、又は損傷した場合は、区は、管理者等に対し、通常生ずべき損害を補償する。ただし、管理者等の責に帰すべき理由又は天災等により、滅失し、又は損傷したときは、この限りでない。

第五章 文化財保護審議会

(設置)

第二十一条 文化財の保存及び活用に関する重要事項を調査審議するため、教育委員会に、渋谷区文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第二十二条 審議会は、教育委員会の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議し、答申する。

 文化財の登録及び登録の解除

 文化財の指定及び指定の解除

 前二号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める事項

(組織)

第二十三条 審議会は、委員五人以内をもって組織する。ただし、特別の事項を審議する必要があるときは、臨時委員若干人を置くことができる。

2 委員及び臨時委員は、学識経験者のうちから教育委員会が委嘱する。

(任期)

第二十四条 委員の任期は、二年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 臨時委員は、特別の事項の審議が終わったときは、解職するものとする。

(会長)

第二十五条 審議会に会長を置き、委員の互選により定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめ会長の指名する委員が、その職務を代理する。

(会議)

第二十六条 審議会は、会長が招集する。

2 審議会は、委員及び議案に関係のある臨時委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員及び議案に関係のある臨時委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

第六章 雑則

(記録の作成等)

第二十七条 教育委員会は、法の規定により登録若しくは指定を受けた文化財、都条例の規定により指定を受けた文化財又は区が登録し、若しくは指定した文化財以外の文化財のうち特に必要あるものを選択して、自らその記録を作成し、保存し、又は適当な者に対し、その記録の作成又は保存をさせることができる。

(標識等の設置)

第二十八条 教育委員会は、管理者等の同意を得て、区文化財の保存及び活用に必要な標識等を設置し、管理者等に管理させることができる。

(委任)

第二十九条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会が定める。

附 則

1 この条例は、平成十五年四月一日から施行する。

2 この条例の施行の際、現に改正前の渋谷区文化財保護条例第五条第一号の規定により区重宝に指定されているもの、同条第三号の規定により区民俗資料に指定されているもの、同条第四号の規定により区史跡に指定されているもの及び同条第五号の規定により区天然記念物に指定されているものは、それぞれ改正後の渋谷区文化財保護条例第七条第一号の規定により渋谷区指定有形文化財に指定されたもの、同条第三号の規定により渋谷区指定有形民俗文化財に指定されたもの、同条第五号の規定により渋谷区指定史跡に指定されたもの及び同条第七号の規定により渋谷区指定天然記念物に指定されたものとみなす。

附 則(平成一七年条例第一三号)

この条例は、平成十七年四月一日から施行する。

渋谷区文化財保護条例

平成14年12月10日 条例第44号

(平成17年4月1日施行)

体系情報
第15章 育/第8節 文化芸術
沿革情報
平成14年12月10日 条例第44号
平成17年3月17日 条例第13号