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渋谷区用途地域等指定方針(全文)

【問い合わせ】都市計画課都市計画係(電話:03-3463-2619)

はじめに

東京都は、平成13年10月に策定した「東京の新しい都市づくりビジョン」の実現を図るため、東京都都市計画審議会答申「東京における土地利用に関する基本方針」を踏まえて「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」を策定し、用途地域等の見直しを行うこととした。

都は、用途地域の見直しの基本方針として、従来の現状追認型、需要対応型の一斉見直しから政策誘導型の見直しへの方向転換をした。

本方針は、東京都の「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」を踏まえるとともに、平成12年に策定した「 渋谷区都市計画マスタープラン 」に基づき、渋谷区の地域特性を生かした用途地域等の見直しを進めていくための基本的な考え方を取りまとめたものである

第1 渋谷区の土地利用方針

1 渋谷区の将来像

渋谷区は、各種の文化施設、教育施設が立地した文教住宅都市としての性格と、渋谷副都心による商業・業務拠点、交通拠点としての二つの性格をもっている。渋谷区基本構想では、「定住できるまち」と「副都心を有するまち」の「二つのまちの調和」を課題として受けとめつつ、「創意あふれる生活文化都市 渋谷−自然と文化とやすらぎのまち」を目指すべき区の将来像としている。

2 まちづくりの目標

基本構想の将来像の実現に向けて 「渋谷区都市計画マスタープラン」 では、以下6点にわたるまちづくりの目標と基本方針を定めている。

  1. 快適で多様な定住空間の形成
    1. 多様な居住者と生活スタイルを支える。
    2. 地域の特性に対応した住宅地形成を進める。
    3. 快適な都市型居住を推進する。
  2. 生活文化を発信する活力ある副都心の育成
    1. 生活文化を創造し、東京を代表する商業・業務拠点をつくる。
    2. 交通結節機能を強化し、集いと交流の空間を形成する。
    3. 個性と魅力あふれるまちなみをつくる。
  3. にぎわいのある身近な生活空間の育成
    1. 住宅地を支える生活拠点をつくる。
    2. 身近な交流とコミュニティの場をつくる。
  4. 人にやさしい環境の形成
    1. 高齢者・障害者等全ての人にやさしいまちづくりを進める。
    2. 環境と調和したまちづくりを進める。
  5. 豊かなみどりといこいの空間の育成
    1. みどりと水の資源を生かし、ネットワーク化を進める。
    2. 地形とまちの特性に配慮した美しいまちなみと景観を実現する。
  6. 災害に強い安全なまちの形成
    1. 生活と防災の基盤である道路・交通網を整える。
    2. 密集市街地の解消と不燃化を進める。

3 土地利用及び市街地整備の方針

土地利用の基本的枠組みで、2つのまちの調和を目指す土地利用を実現するため、将来の土地利用について下記のように地域区分し、方針を定めた。

  1. 商業・業務系市街地
    1. 商業・業務中心地区
      土地の高度利用を推進し、商業・業務・文化機能等の集積を図る。渋谷・新宿の副都心、恵比寿駅周辺では、駅前広場等の交通施設の整備、周辺の住機能と調和した商業・業務機能の集積、都市基盤の整備、魅力ある空間の形成を目指す。
    2. 沿道型商業・業務地区
      景観や住機能との調和に配慮しつつ、商業・業務機能の強化を図る。明治通り、玉川通り、青山通り、六本木通りの各幹線道路沿道については、沿道型商業・業務軸として、快適で魅力ある景観の誘導を推進する。
  2. 複合系市街地
    1. 商業・業務系複合地区
      住機能との共存に配慮し、商業・業務機能、教育・文化機能の集積を図る。副都心・恵比寿駅周辺の外周では、隣接する住宅地の環境と調和した空間形成を目指す。また、原宿駅周辺は特色ある商業地として、周辺の住環境や景観、環境に配慮した土地・建物利用を誘導する。
    2. 住居系複合地区
      住機能を中心とし、住みやすさと利便性を併せ持つ居住空間の形成を目指す。住機能と商業・業務機能の調和を目指し、地域の特性に応じた良好な複合市街地の形成を図る。
    3. 地域商業地区
      区民の日常生活を支える各種生活サービス機能の充実を目指す。初台・幡ヶ谷・笹塚・代々木八幡・代々木上原・広尾の各駅周辺を生活中心と位置づけ、各種生活サービス機能の充実を図る。
    4. 沿道型複合地区
      生活サービス機能の立地とともに、住機能の維持・拡大を図る。甲州街道、山手通りなどの沿道については、住機能との調和に配慮しつつ、土地の有効利用を推進する。
  3. 住居系市街地
    1. 低層住宅地区 独立住宅と集合住宅が調和した、良好な住環境を維持保全する。
    2. 低中層住宅地区
      低層住宅と中層住宅との共存により、ゆとりある住環境の形成を図る。
    3. 中層住宅地区
      都市基盤整備と土地の有効利用により、建物の中層化と住環境の維持・向上を図る。

第2 用途地域等の指定方針

1 用途地域等の指定の基本的考え方

用途地域等の指定についての基本的な考え方は、以下のとおりとする。

  1. 上位計画等との整合
    東京都が策定した「東京の新しい都市づくりビジョン」及び「東京都住宅マスタープラン」との整合に留意し、「東京における土地利用に関する基本方針について」及び「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」を踏まえて用途地域等の指定を行う。
    また、渋谷区が策定している「 渋谷区基本構想 」、「 渋谷区都市計画マスタープラン 」及び「 渋谷区住宅マスタープラン 」の描く都市像を実現する視点から用途地域等の指定を行う。
  2. 現行用途地域等の尊重
    現行の用途地域等は、昭和48年の都市計画法(新法)による初指定から2回の一斉見直し後、平成8年の都市計画法改正に基づく用途地域等の全面的な見直しの中で精査し、住民との充分な協議を経て、それぞれの地域の特性に合わせたきめの細かい指定をしており、基本的にはこれを維持するものとし、都市計画事業 や地区計画の策定等が行われるなど、地区の将来像を実現するため、特に必要と認められる地域について見直しを行う。
  3. 地区ごとのまちづくりの推進
    渋谷区では、区民・企業・区が相互に連携してまちづくりを進めていく「協働型まちづくり」を目指しており、住民の自主的なまちづくり活動を積極的に支援して地区ごとのまちづくりの推進を図ることとしている。まちづくりにあたっては、地区ごとのまちづくりの方向とルールを定める「地区計画」の策定を誘導し、計画的にまちづくりを行うこととし、これらに適切に対応した用途地域等を指定する。
  4. 地区計画の原則化
    用途地域等の変更にあたっては、都市機能の更新、都心居住の推進、住環境の保全など、地区の課題にきめ細かく対応し、地区の特性に応じた目指すべき地区の将来像を実現するため、必要な事項を原則として地区計画に定めるものとする。特に、良好な居住環境の維持・保全を図る地区においては、地区整備計画に敷地面積の最低限度や壁面の位置などを定めることとする。
    ただし、容積率や建ぺい率の低減、地形地物による用途地域等の変更など、市街地環境に影響が想定されない場合は地区計画を定めないことができる。
  5. 用途地域等の適時適切な見直し
    既成市街地の機能更新等を効果的かつ円滑に進めるため、都市計画事業等の進捗状況により、用途地域等の見直しを適時適切に行う。
    又、地形地物の変更や隣接区との調整等、整序が必要になった区域については、用途地域等の変更を行う。

2 用途地域等に関する指定の原則

上記の基本方針に沿って、具体的な指定は以下を原則として行う。

  1. 第一種低層住居専用地域
    低層住宅地としての住環境を保全すべき区域に指定する。
    また、原則として建築物の高さの最高限度は10メートルとし、外壁の後退距離の指定は行わない。
  2. 第二種低層住居専用地域
    低層住宅地としての住環境の保護を図りつつ、小規模な日用品店舗等の立地を許容する区域に指定する。
    また、原則として建築物の高さの最高限度は12メートルとし、外壁の後退距離の指定は行わない。
  3. 第一種中高層住居専用地域
    中高層住宅地としての住環境の保護を図る区域に指定する。
  4. 第二種中高層住居専用地域
    住環境の保護を図りつつ、中高層住宅地内で中規模な店舗・事務所等の立地を許容する区域に指定する。
  5. 第一種住居地域
    用途の混在を制限しつつ、住環境を保護する区域に指定する。
  6. 第二種住居地域
    住居と店舗、事務所等の併存を図りつつ、住環境の保護を図る区域に指定する。
  7. 準住居地域
    主要幹線道路沿道のうち、自動車関連施設の立地を許容しつつ、これと調和した住環境の保護を図る区域に指定する。
  8. 近隣商業地域
    近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を目的とする店舗等の立地を図る区域、隣接する住宅地との環境の調和を図る必要がある商業地等に指定する。
  9. 商業地域
    商業・業務施設の立地を図る区域に指定する。
  10. 準工業地域
    都市型工業、家内工業の保持育成を図る区域に指定する。

3 その他の地域地区等の指定の原則

  1. 特別用途地区
    1. 特別工業地区
      準工業地域のうち、公害を防止し住居との調和を図る必要のある区域に指定する。
    2. 文教地区
      学校その他の教育文化施設に係る良好な環境の保護又は住宅地の良好な文教的環境の保護を図る区域に積極的に指定する。
    3. 中高層階住居専用地区
      商業系地域などにおいて、居住機能の保全・回復が必要な区域に指定することができる。
  2. 高度地区
    高度地区は、住環境の保護や都市景観の形成など地区特性に配慮し、用途地域との整合に留意して指定する。
    また、幹線道路沿道で良好な景観を維持する必要のある区域は、絶対高さを定める高度地区を指定する。
  3. 高度利用地区
    高度利用地区は、土地の合理的かつ健全な高度利用を図るとともに、都市環境の整備、都市機能の更新を図る区域に指定する。
  4. 防火地域及び準防火地域
    防災上重要な区域、特に地域の安全性の向上を図る必要のある区域に防火地域を指定する。また、避難場所、避難道路の安全性を高めるため、防火地域を指定する。
    その他の区域については、準防火地域を指定する。
  5. 風致地区
    自然環境と一体となって都市の景観を形成する区域、自然環境と一体となった緑の多い良好な中低層市街地に指定する。
  6. 緑地保全地区
    保全すべき良好な樹林地等に指定する。

4 区域の設定について

  1. 隣接する用途地域の種類
    第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域と、商業地域とは、原則として、相互に接して定めないものとする。
  2. 用途地域等の区域の境界線の取り方
    道路、鉄道、河川、堅固な崖その他の地形地物等土地の範囲を明示するに適当なものを境界線とする。ただし、地形の特性等によりこれにより難い場合は、路線式指定とすることができるものとする。
  3. 標準面積及び路線式指定の区域
    用途地域等の最小標準面積は、東京都策定の「指定基準」の表によることを原則とする。ただし、都市計画事業、地区計画等により計画的な市街地の整備を図る区域については、この限りでない。
    また、用途地域等を路線式指定とする場合、その区域の幅は、道路境界線より原則として20メートルとする。ただし、おおむね15メートル以上の幅員を有する道路沿いの区域に路線式指定とする場合は、土地利用の目標、地域の特性及び周辺の土地利用等を勘案し、道路境界線より原則として30メートルとすることができる。

運用について

  1. この方針に明記されていない事項については、東京都の「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」に基づくものとする。
  2. 法律等の改正が行われた場合など、社会経済情勢の変化を踏まえ、政策誘導の視点からこの方針を再検討し、必要に応じて変更するものとする。