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渋谷区新行財政改革要綱

【問い合わせ】職員課人事係(電話:03-3463-1349)

背景

地方分権の推進や、公務員制度の改革など、地方自治体を取り巻く環境は大きく変化している。また、国の「三位一体改革」における所得税から個人住民税への税源移譲は、個人住民税所得割をフラット化する方向で税制改正を実施する内容であり、渋谷区にとっては、歳入の大幅減につながることが想定される。このような社会情勢の変化と、厳しい財政状況の下で、当区として、少子高齢化、防災、安全対策など喫緊の課題に着実に対応していくとともに、老朽化施設の改修、協働型まちづくりの推進といった、中長期的施策が控えており、その実施に耐えうる区の財政基盤の強化が急務である。

こうした状況に対応し、渋谷区が区民に最も身近な行政として、安定した高いレベルのサービスを供給し続け、区民から信頼され、親しまれる自治体であるために、現行の「渋谷区行財政改革要綱(第2次)」に引き続き、新たな要綱を策定し、行財政改革に精力的に取組む必要がある。

基本方針及び目標

行財政改革を実現するための新たな要綱の策定にあたっては、これまでの二次にわたる行財政改革の実績を踏まえつつ、更にその姿勢を進めていくものとする。その基本は、区民サービスの向上であり、区民が安全で安心して暮らせるまちづくりであり、渋谷を訪れるすべての人々とともに協力し支えあうまちづくりである。そして、その実現のためには、合理化・効率化を進めることによって、行政コスト、職員定数の削減を行うとともに、職員が意識改革を図り、意欲を持って働くことができる環境を整えていくことが必要である。

こうした観点から、本要綱においては、区民サービスの向上を目的とした、職員定数などの適正化、職員の資質向上、財政の健全化、事務事業の見直し、区の組織機構・施設運営の見直しなど、平成17年度から平成21年度までの5年間における渋谷区の具体的な改革目標を掲げ、その実現に向けて、取組みを進めていく。
あわせて、本要綱を、平成17年3月に総務省が策定した「地方公共団体における行財政改革の推進のための新たな指針」における「集中改革プラン」と位置づけ、計画を区民にわかりやすく公表していく。

職員数については、今後、事務事業の統合・整理、組織の合理化、職員の適正配置、民間委託の推進などにより極力抑制することとし、平成17年度以降、5年間で400名(16%)以上の削減を目指し、平成22年4月の職員数を2,000人とする。

具体的な改革項目 ― 区民サービス向上のために

少子高齢化への対応、教育・文化の充実、災害に強いまちづくりのための防災・危機管理体制の充実、IT化への対応、老朽化施設等の対応のための計画的な施設整備など、多岐にわたる区政の課題への迅速、的確な対応が求められる。区は、これらの課題対応において、区民に対し、より身近で利用しやすく、かつ質の高いサービス提供という形で応えなければならない。
例として、区民にとって、本庁の窓口や施設の受付は、一番身近なサービス提供の場であるが、以下のように、従来の窓口体制を大幅に変え、区民の利便性を高めるための方法を検討、実施していく。

  1. 窓口ワンストップサービス
  2. 住民記録・戸籍・税務・国保年金・福祉等の夜間、休日窓口の開設
  3. 全庁の昼休み窓口の開設
  4. 施設の開館日・開館時間の拡大
  5. 各種申請手続きや区のイベント情報など、区民等からの定型的な問い合わせに一元的に、閉庁時でも対応できるコールセンターの設置

このような多彩で便利な区民サービスの提供を可能にするため、以下の具体的改革を推進する。

行政の内部システムの改革

区民サービスのさらなる拡充を実施していくために、職員の定数管理、手当等を見直すとともに、職員一人ひとりの努力、意欲に応えられる評価制度の整備など、行政内部のシステムを改革する。

  1. 職員定数の適正化
    渋谷区の平成16年度普通会計決算の経常収支比率は、74.0%と、前年度より0.7ポイント低下し、他区に比べ遜色のない水準を維持している。しかし、人件費比率は、33.0%と、前年度より改善しているものの、23区の平均26.1%を大幅に上回っており、早急な改善が必要である。
    また、いわゆる「団塊の世代」を中心とした職員の定年退職が平成20年から22年にかけてピークを迎える。平成17年度から21年度までの5年間の職員の退職見込数は概ね500人であり、スムーズな世代交代を行うとともに、これを機に、大幅な職員配置の見直しを行う必要がある。
    このため、全庁的な定数配置の適正化を図る視点から、下記の取組みを実施し、計画的かつ確実な人員削減を行い、人件費の圧縮を図る。
    ア 次期住民情報システム等の導入による人員配置の見直し
    イ 技能系職員については、原則、退職不補充
    ウ 再任用職員を正規職員に替えて配置
    エ 再雇用職員、任期付職員、臨時職員、派遣職員の活用
    オ 職種を越えた異動の推進
    カ 繁忙期、閑散期による職員の流動的配置
    キ 早期勧奨退職制度の導入
  2. 給与等の適正化
    これまで、特殊勤務手当の見直し、超過勤務手当の縮減、退職時特例昇給の廃止等、適正化を図ってきたところであるが、引き続き、手当等の見直しを行う。
    ア 特殊勤務手当等職員手当の見直し
     ・変則勤務手当の見直し
     ・休日給の削減
     ・超過勤務手当の圧縮
    イ 昇任・昇給制度の見直し
    ウ 級格付け制度の廃止
  3. 職員の福利厚生事業の見直し
    職員が元気に働けるよう、法に基づく福利厚生事業を実施しているが、社会経済状況の変化に対応し、本来事業主として実施すべきものを精査し、真に必要な事業のみ実施する。
    また、渋谷区職員互助会を条例設置とし、事業主としての役割、責任を明確にする。
  4. 職員の資質の向上及び人事管理の適正化
    限られた人員で区民の多様な行政ニーズに応えていくためには、職員個々の能力向上及び組織としてその能力を発揮できる体制づくりが必要である。また、職員がやる気を失わず、意欲を持って仕事に取り組める制度を確立する。
    さらに、職員一人ひとりが全体の奉仕者という公務員の原点に立ち返り、服務規律の遵守を再確認する。
    ア 職員の意欲に応えるための、自己啓発・キャリアアップ支援策を盛り込んだ人材育成計画の策定
    イ 目標管理型自己申告制度、定期評定制度の導入
    ウ 職員の努力・成果の処遇への反映
    エ 職員研修内容の充実
    オ キャリアカウンセリングの実施による職員のモチベーションの向上
    カ 汚職防止、セキュリティ・ポリシー遵守等、職員倫理の啓発
    キ 時間内組合活動の見直し
    ク 労働災害の防止に向けた職場環境整備の推進
    ケ メンタルヘルス対策の充実
  5. 行政の透明性の向上
    行政の客観性を高め、信頼性の高い、より充実した施策を展開するとともに、区民の区政への関心を高めるため、以下の取組みを行う。
    ア 情報公開条例、個人情報保護条例の改正により、情報公開制度を更に充実する
    イ パブリックコメント制度を活用し、新たな施策の決定過程において区民の声を施策に反映させる
    ウ 「渋谷区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例」に基づき、職員の定員、給与等の状況を区ニュース、ホームページにより公表する

IT化への対応

  1. 電子自治体の推進
    各種申請・届出等、行政手続きをオンライン化し、区民がいつでもどこでも、迅速に行政サービスを受けられる環境づくりを行う。 ア インターネットによる各種申請・届出の拡充
    イ 電子入札制度の充実
    ウ 情報セキュリティ対策の徹底
    エ 電子会議など、ITを活用した区民参加の調査・研究
  2. 庁内LANを活用した事務の簡素・効率化
    区役所内、あるいは区施設間の情報伝達の迅速化、事務処理の効率化、ペーパーレス化を図る。
    ア 職員カードシステム導入等による庶務事務(休暇等勤怠管理、福利関係手続き、旅費管理)の合理化
    イ グループウェアの導入による職員間の情報共有、事務連絡等への活用
    ウ 文書管理システム、電子ファイリング化に向けた調査・研究
    エ ITを活用した災害時対策の調査・研究
    オ 各職場へのパソコンの適正配置

財政の健全化

  1. 歳出の適正化
    ア 経常的経費の見直しの徹底
    イ 新規・拡充事業に際してのスクラップ・アンド・ビルドの徹底
    ウ 業務委託など多様な行政手法の活用による効率的執行体制の確立
    エ 事務事業の目的・効果に対する検証・評価の徹底
  2. 歳入の確保
    ア 区税、国保料等の収納率の向上
    イ コンビニ収納、口座振替の推進等による収納体制の充実
    ウ 未収金の回収、督促、滞納整理の強化
    エ 手数料・使用料等の負担の公平化
    オ 新たな税財源等の確保に関する調査・研究

事務事業の見直し

  1. 民間委託の推進
    行政が担うべき役割を明確にし、事業運営の効率化、区民ニーズへの柔軟な対応、費用対効果等を勘案し、民間の力を引き続き積極的に活用していく。また、事業の特性に応じ、指定管理者、業務委託、派遣など、最適な手法を導入していく。さらに、外郭団体については、経営改善、効率化等を進めることにより、その一層の有効活用を図る。加えて、NPO、ボランティア団体等との協働を推進する。
  2. 事務事業の再編・整理、廃止・統合
    区民ニーズ、社会経済情勢の変化に的確に対応するため、事業の費用対効果の検証を行うとともに、講座・教室等、重複・類似事業の統合、不要・不急の事務の廃止など、事業の見直しを行う。事業の見直しにあたっては、行政評価制度を活用し、事業の進行管理を実施する。

組織機構の見直し

地域を基盤とした総合的な保健・医療・福祉施策の推進など、新たな行政課題に機能的かつ弾力的に対応できるよう、組織を全庁的な視点から整備・再編成する。

ア 区の組織の見直しにあたっては、次期住民情報システム等の導入においてシステムパッケージに合わせた組織体制を整備するなど、効率的な執行体制を目指す
イ 税、国民健康保険料の収納事務など共通性や関連性のある事業については、所管課を一本化し、簡素で効率的な組織整備を図る。また、小規模組織は基本的に解消する
ウ 区民部、福祉部など、区民にとって利用頻度の高い所管部門については、可能な限り窓口を統合し、行政サービスの向上を図る
エ 組織の名称は分掌事務を反映させたわかりやすい名称とする

施設の見直し

限りある土地、建物を有効に活用し、区民サービス向上と効率的運営を目指すため、施設管理業務の委託を推進するとともに、施設の適正配置及び有効活用を検討する。

ア 長期的視野に立った施設管理・整備を検討するとともに、既存施設の調査を実施し、施設計画を策定する
イ 新たな行政需要に対応する土地の取得や、未利用地の処分など、土地の有効活用を図る
ウ 老朽施設の改修時期に合わせて施設の統廃合、複合施設化を図る
エ 学童館の機能見直しに伴い、施設の有効活用を図る

まとめ ― 新行財政改革要綱の目標達成に向けて

要綱に掲げる目標を具体化し、確実に達成するため、個々の行政改善事項の実施時期、方法等具体的内容については、別途「行財政改革実施計画」を定める。「行財政改革実施計画」は、前年度の進捗状況を踏まえ、修正をしていくものとする。
また、行財政改革の実施状況については、ホームページ等を活用して区民にわかりやすく公表し、区民の声を改革に反映させていく。