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平成30年第4回区議会定例会での発言

更新日

2018年11月29日

(11月28日(水曜日)、第3回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

本日ここに平成三十年第四回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

1 初めに、新庁舎についてです。
先月、新庁舎が無事竣工しました。現在、来年一月十五日の開庁に向けて、必要な機材や什器類の搬入、設置などを日々行っております。
また、一月五日には新庁舎落成式及び招待者見学会、翌六日には一般区民向けの見学会を予定しております。一般区民向けの見学会の詳細につきましては、十二月一日号の渋谷区ニュースにて周知します。 これまで三年間、仮庁舎の手狭な環境で区民の皆様には何かとご不便をおかけしました。新庁舎では、1CT基盤を整備した新たなオフィス環境で職員のワークスタイル改革を実現し、庁舎を訪れる皆様への一層のサービス向上を目指してまいります。
新庁舎移転と同時に刷新する1CT基盤につきましては、構築に向けた作業もいよいよ最終段階を迎えています。住民情報系を始め、各種業務用システムの構築と検証作業を行うとともに、モバイルパソコンやIP電話などの新たに利用する機器の職員向け操作研修を実施するなど、新庁舎での円滑な業務開始に向けた準備を着実に進めているところです。 新庁舎移転後は、職員のコミュニケーション環境の充実、電子決裁・文書管理システムの導入による意思決定の迅速化とペーパーレス化の推進をするとともに、モバイルツールの活用によって、時間や場所にとらわれないワークスタイルを実現することで、行政としての機動力を大きく向上させ、地域課題に迅速に対応してまいります。

2 次に、渋谷公会堂についてです。 渋谷公会堂につきましては、建て替えのため平成二十七年十月から休館していますが、現在、順調に工事が進められ、来年五月末に竣工、同年秋に開設を予定しております。 新しい渋谷公会堂においては、あらゆる世代の区民の皆様に、多彩な文化に親しむ機会を提供し、本区の持続的な成長・発展の柱の一つである渋谷カルチャーの進化、更に、世界への文化・芸術の発信拠点となる施設にしたいと考えています。 開放感やデザインにも配慮し、運営に当たっては、インターネットを活用した情報発信や、チケットの電子化への対応などにより、区民の皆様から一層利用しやすく、愛される最先端のホールを目指します。 そのため、民間のノウハウやアイデアを生かすべく、指定管理者による運営を行うこととし、本定例会にその指定につきましてご提案をしております。 更に、ネーミングライツの導入により、新たな財源の確保を図るなど、民間の活力を効果的に活用して公会堂の充実を進めてまいります。

3 次に、健康・スポーツについてです。 先日、渋谷ストリームの稲荷橋広場で、大学生を対象とした3×3(スリーバイスリー)の大会が、朝日新聞社の主催で開催されました。この三人制バスケットボールは、東京二〇二〇オリンピックにおいて正式競技として採用されます。この大会では、本町学園中学校と鉢山中学校のバスケットボール部員がエキシビションマッチに参加する場面もありました。 また、同日、東二丁目の氷川神社の前では、車輛が通行止めになる「遊戯道路」を活用して「渋谷どこでも運動場プロジェクト」が行われました。晴天の下、道路を最大限に使い、キャッチボールやバドミントン、卓球、縄跳びなど様々なスポーツや遊びを子どもたちや親子で楽しむ姿が見られました。 今後も本区を「十五平方キロメートルの運動場」として捉え、公園や道路など多くの身近な場所を活用して、スポーツや遊びができる機会を提供することにより、人々の交流の場を創出していくとともに「思わず身体を動かしたくなる街」づくりを区内の各地域で展開してまいります。

4 次に、教育における取組です。 先々月には中学校陸上競技大会、先月は小学校陸上記録会が、駒沢オリンピック公園総合運動場において行われました。小学校・中学校を合わせて三つの新記録と一つのタイ記録が樹立され、子どもたちが自己記録の更新に向け、力一杯取り組んでいる姿勢が見られました。また、今年度から新たな取組として「Cheer up表彰」が始まりました。自分の学校や他校の選手を応援し、励ます子どもたちの声や拍手が会場全体を包み、正に、選手を「Cheer up」していました。この取組は、二年後の東京二〇二〇大会に出場する日本代表選手や来日する選手をもてなすことにも繋がります。渋谷から「応援文化」を発信していくためにも、教育委員会と連携して取り組んでまいります。 続いて、ICT教育の充実に関する取組です。学校では、教員がデジタル教科書を使用して授業を行ったり、子どもたちが自分の考えをタブレット端末に入力し、互いの考えを伝え合い、思考を深めたりする授業が実践されていますが、中には、ICTの効果的な活用に慣れていない教員もいます。そこで、教育委員会では、ICTの効果的な活用のモデルとして「SHIBUYAの授業スタイル」を作成・配布しました。今後は、作成した「SHIBUYAの授業スタイル」を研修会や学校訪問等において活用し、ICT教育の一層の推進に向け、取り組んでまいります。 また、今月、区の研究指定校として広尾小学校において研究発表が行われました。タブレット端末を児童が使う際に、どの学年でどのようなスキルを会得させる必要があるのか、また、アプリケーションソフトを授業の中でどのように活用するのかなどの発表がありました。そして、発表後のシンポジウムでは「一人一台のタブレット環境が学びの質を変える」をテーマとし、今後の渋谷の各学校が取り組むべき内容や方向性について、多くの示唆に富んだ話が披露されました。本区の公立小・中学校は、一人一台のタブレット端末を整備している最先端の環境にあります。各学校が、未来を担う子どもたちに対して、時代が求める力を確実に身に付けられるよう、引き続き教育委員会と連携し、支援してまいります。

5 次に、小・中学校体育館の空調設備設置についてです。 今年の夏の暑さは、気象庁が「一つの災害」とまで表現したように、私たちの経験値を遥かに超える厳しいものでした。来年以降も、夏の猛暑は続くと考えられます。人命に関わる問題でもあり、熱中症予防対策は、区の取組の中でも重要度を増しています。 大切なことは、こまめな水分補給と室温管理の適正化と言われています。対策の一環として、区有施設においてもこれまで以上に室温管理には留意していくことが重要だと考えています。中でも、学校体育館の多くは冷房設備がないため、温度の調節が困難です。児童・生徒の体育授業の他、発災時には避難所として、体力的に不安のある乳幼児や高齢者等の利用もあることから、早急に対策を講じる必要があります。 国も猛暑対策に力を注いできており、先日、第一次補正予算として、公立小中学校への空調設備設置の支援を決めました。東京都も国の動きに連動する形で支援の姿勢を示しています。限りある財源のため、これらの支援を本区が全て受けられるとは限りませんが、この機に区として積極的に対策を進める必要があると判断をしました。 本定例会では、来年度中に、小・中学校の体育館全てに空調設備を備えることを目標に、関連経費を補正予算案として上程しております。全国的に空調設備の需要の高まりが見込まれ、設置工事の進捗への影響が懸念されますが、できるだけ速やかに設置が進むよう、工夫してまいります。 また、震災対策の一環であるブロック塀対策の関連工事費につきましても、併せて補正予算案に計上し、学校施設の安全性向上を図ってまいります。

6 最後に、福祉についてです。 私は、区長就任以来「福祉のテーマは超福祉!」を政策のキーワードに掲げ、従来の支える福祉、助けられる福祉という概念を超え「こころのバリアフリー」が当たり前のまちづくりを目指してきました。 その象徴が、今年で五回目を数えた「二〇二〇年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」、通称「超福祉展」です。今年は、今月七日から十三日までの一週間、メイン会場となった渋谷ヒカリエでの展示やシンポジウムを始め、区内各所で様々なイベントや体験会が開催され、約五万八千人の来場がありました。 また、文部科学省主催のイベントが「超福祉の学校」に加わり、「障害のある人の学びと表現」をテーマに、多彩な発表やパフォーマンスが繰り広げられました。本区からは、知的障害者幡ヶ谷教室GAYA(ガヤ)のメンバーが参加し、大いに活躍されていました。 更に、最終日の十三日には、シブヤフォントを使った「パラスポーツ応援タオル」の公開選考会を実施し、障害者支援施設のメンバーと桑沢デザイン研究所の学生が、パラスポーツや観客、スタジアム、渋谷を訪れる人々などをカラフルに表現した七種類のデザインのタオルから、金・銀・銅の優秀作品を決定しました。この応援タオルは、今月一日から十四日まで、渋谷ヒカリエの五階で開催した「シブヤを持ち歩く超芸術ショップ」でも販売され、三百五十枚が完売となりました。 このショップでは、応援タオルのほかにも、シブヤフォントを使った障害者支援施設の自主製品や企業とのコラボ製品も販売され、施設で働くメンバーが、描画や刺繍を実演し、施設職員も仕事の合間をぬって、ショップの店員を務めました。 こうした取組の結果、十四日間で約百九十万円の売上げを記録し、必要経費を除いた金額が、障害者支援施設の工賃として還元されることとなっています。関係者の皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。 このように、障害のある人が周囲と混じり合い、共に楽しみ、表現する機会が増え、組織や地域を超えた新たな繋がりが生まれています。この流れを更に加速させるため、障害のある人の臨時職員採用や、今年度から試験的に実施している区独自のショートタイムJOBなど、新たな取組に挑戦してまいります。これからも、障害のある人の自立と社会参加を一層推進し、あらゆる人が「こころのバリアフリー」を実感できるまちづくりを目指してまいります。

7 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案八件、平成三十年度一般会計補正予算案一件、指定管理者の指定案件一件をご提案しております。
よろしくご審議のほどお願い申し上げます。