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【更新日】平成29年11月28日

平成29年第4回区議会定例会での発言

(11月27日(月曜日)、第4回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

 本日ここに、平成二十九年第四回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
 この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
 去る十一月四日、五日の両日には、「第四十回渋谷区くみんの広場」が開催されました。
 パレードやテント、舞台での催し物に区民の皆様を中心とした277の団体にご参加いただき、好天にも恵まれ、多くの来場者の皆様に楽しんでいただけたと実感しています。
 本年のくみんの広場では、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」の実現に向け、新たに区の魅力・活力を引き出していくことを基本方針に加え、様々な取組が行われました。
 渋谷区基本構想のPRキャラクターであるAI「渋谷みらい」君の「特別住民登録記念セレモニー」の実施や会話体験コーナーを設けるなど、基本構想の普及・啓発を行いました。
 ほかにも、区議会の皆様にもご尽力いただいた東京二〇二〇(にいぜろにいぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会の気運醸成活動や、車椅子バスケットボールやボッチャ体験会によるパラスポーツのPR、マイナンバーカードの普及活動に加え、両日、河津町から温泉を運んで実施した足湯サービスや、防災、エコなど、区民生活に関わる多方面のテーマで趣向をこらし、多彩な催しが繰り広げられました。区民相互の絆(きずな)と連帯をより一層強め、渋谷の生活文化を創造・発信する大変意義深い機会になったと感じています。井上順実行委員長をはじめ、ご協力をいただきました多くの方々に深くお礼申し上げます。

 一 さて、課題の取組のはじめは、「渋谷区基本構想」の周知キャンペーンについてです。
 今年度は、渋谷区基本構想の理念を浸透させるための「YOU MAKE SHIBUYA」キャンペーンを展開しています。これまで、専用ウェブサイトの開設や将来を支える子どもたちを対象にワークショップを実施したり、八月には道玄坂で警視庁の協力のもと交通規制を行い大々的に実施した「渋谷盆踊り大会」で、基本構想のPRソング「夢みる渋谷」を盆踊りバージョンとして披露するなど、その周知を図ってまいりました。
 また、この一環として、行政をもっと身近に感じていただくことや、区民の皆様や渋谷区に関わるたくさんの人の声を聴き、区政に活かしていくことを目的に、LINEを使ったAIキャラクターとの会話を通して、渋谷区の目指す未来像を伝えていくという試みも展開しました。
 先ほども申し上げましたとおり、このAIキャラクターの名前は、「渋谷みらい」君です。7歳の男の子という設定で、会話をすることで経験を積み重ねて成長していきます。今回の「くみんの広場」でご紹介し、全国で初めて、AIキャラクターを特別住民として住民登録いたしました。これから区民として、多くの人と会話をしていきますが、「みらい」君から質問をすることで、区政についてのご意見を聴く手法の一つとしても活用してまいります。
 今後、「みらい」君を、LINE上のコミュニケーションに限らず、渋谷区主催のイベントやワークショップなどにも活用の幅を広げ、より一層身近なAIとして成長させていくことを目指してまいります。

 二 次に防災についてです。
 現在本区では、今後起こり得る災害に備え、避難所の備蓄品の再配備、改善等を行っており、着実に人命に対する備えの充実を図っています。
 一方、災害時には、家族の一員としてのペットの生命についても考えなくてはなりません。私が公約にも掲げた「ペットの同行避難」については、各避難所で受け入れることとし、そのためのペットフードやリードの備蓄をいたしました。
 一方で、動物アレルギーなどにより、避難所でペットと一緒に生活することに反対のご意見をお持ちの区民の方が大勢いらっしゃることも承知しています。そのため、区では「渋谷区防災会議」や「渋谷区自主防災組織連絡協議会」等の場で、しっかりとご意見をいただきながら施策を進めていく考えです。
 課題としては、各避難所でペットの避難・受入れのための「ペットの同行避難マニュアル」の策定が急務となっています。現在、環境省においても、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」の改定が予定されています。このため、区としても、この改定に合わせて、「ペットの同行避難マニュアル」の策定を行ってまいりたいと考えています。同マニュアルでは、大きく三つの柱として、「飼い主の責任の遂行」、「ペットを飼っている人と飼っていない人との共生」、及び「長期化に対応するペット飼育環境の整備」を取りまとめ、家族の一員としてのペットを災害から守るため、飼い主の責任を明確にした上で、改めてペット用備蓄品の整備を図ることとし、「ペットの同行避難」を実効性の高いものにしてまいります。

 三 次に福祉について三点申し上げます。
 (一)まず、高齢者福祉についてです。
 団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年を見据えて、本区では高齢者施策の推進に力を注いでいるところです。今年度が最終年度となる「第6期高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」では、高齢者が地域で安心して暮らせる渋谷区版地域包括ケアシステムを構築するため、認知症高齢者等の支援の充実など6点を施策の柱として、具体的な取組を行ってまいりました。来年度から新たに始まる第7期計画は、介護保険事業の安定した運営に欠かすことのできない介護人材の確保・育成を始め、諸課題の解決を踏まえて、現在策定を進めているところです。
 策定に当たり、本年五月に福祉・保健・医療の各分野の専門家や被保険者の代表者など、28名の委員から構成される「渋谷区介護保険事業計画等作成委員会」を設置し、私から「第7期渋谷区高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画」策定のための基本的方向について諮問をいたしました。その後、作成委員会及び作業部会である起草委員会においてご議論いただき、今月、中間のまとめが完成したところです。この中間のまとめを元に今後4回の住民説明会、またパブリックコメントを実施し、区民の皆様のご意見やご要望を十分に反映できるよう努めてまいります。
 (二)次に、障害のある方の移動支援についてです。
 移動支援については、「渋谷区障害者保健福祉計画(第5次)・渋谷区障害福祉計画(第4期)」に基づき、渋谷区障害者団体連合会のご要望なども踏まえて、平成二十七年度から特別支援学校小学部の児童を、平成二十八年度からは特別支援学校中学部の生徒を対象に通学支援を実施し、段階的な拡充を図ってまいりました。これらに加え、本年十二月からは、移動支援を必要とする全利用者を対象として、外出先に到着した後の映画鑑賞やスポーツ観戦など社会参加中の支援を新たに開始するとともに、小学生の外出範囲については、これまでの渋谷区及び隣接区から保護者が同意した往復可能な範囲までに拡大します。さらに、平成三十年度から新たに始まる次期計画に移動支援の充実を位置付け、利用者のニーズに沿った、より利用しやすい制度を目指してまいります。
 (三)福祉の三点目は、路上生活者自立支援センターについてです。
 東京都と特別区は、平成十二年度から「路上生活者自立支援事業実施に係る都区協定」を締結し、共同で路上生活者対策事業を実施しています。
 この協定に基づき、渋谷区では、平成三十一年三月から5年間、渋谷三丁目の簡易宿所を活用して、路上生活者自立支援センターを設置します。この施設は、平成十六年四月から平成二十一年三月まで、千駄ヶ谷四丁目に設置した実績があり、近隣5区の輪番制により今回が二度目の設置となります。
 自立支援センターでは、就労意欲があり、心身ともに就労に支障のない路上生活の方に、住まいや食事の提供、生活や健康の相談、住宅相談やハローワークと連携した就労支援を一体的に行い、自立に向けた支援を行っています。
 厚生労働省や東京都の調査では、「目に見える」路上生活者は減少傾向にあります。一方で、路上生活の期間が短い方や、不安定な雇用形態でネットカフェ等を生活の拠点とする「目に見えにくい」生活に困窮する方への支援は、大都市特有の問題として、広域的な取組が必要となります。
 都区共同事業である路上生活者自立支援センターの設置について、区民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

 四 次に、教育についてです。
 東京二〇二〇(にいぜろにいぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会開催まで、千日を切りました。これまで、オリンピック・パラリンピックは、開催都市と国に、大きな社会変革をもたらしてきました。そして、子供たちを鼓舞し、夢と感動を与える大きな力となってきました。
 私はかねがね、パラリンピックを成功させることが成熟した都市の条件だとの思いがあり、特にパラリンピック教育を力強く推進することを大切にしてきました。
 そこで、全ての区立幼稚園・小・中学校を対象として、ウィルチェアーラグビーやパラバドミントン、車椅子バスケットボール、障害者卓球の競技団体と連携し、各学校・園に競技者を派遣して子供たちと直接交流をしてもらったり、障害者アスリートや障害者アーティストとともに活動する団体と連携し、障害者に対する理解を深めたりすることができるよう、支援策を講じてきました。
 オリパラ競技リアル観戦も好評のうちに終了したところですが、東京二〇二〇(にいぜろにいぜろ)大会開催まで千日を切った現在、競技について「する」、「見る」、「知る」の段階から、様々な形で関わり、「支える」段階に入っていると私は認識しています。
 今後、教育委員会では、ボランティア体験などの「支える」活動を増やしていくと報告を受けています。国際社会に貢献し、渋谷区、そして我が国のさらなる発展の担い手となる人材を育成していくとともに、東京二〇二〇(にいぜろにいぜろ)大会の経験が、子供たちの人生の糧(かて)となるような掛け替えのないレガシーとして、一人一人の心に残るよう、教育委員会と連携してオリンピック・パラリンピック教育の一層の推進を図ってまいります。

 五 最後に、スポーツ施設における指定管理者の指定についてです。
 区立のスポーツ施設における指定管理者制度の導入につきましては、スポーツセンター、二子玉川区民運動施設、代々木大山公園運動場、代々木西原公園庭球場の四施設で、管理運営を行わせる指定管理者の指定について、本定例会に議案を提出しております。
 指定管理者の候補者については、指定管理者選定委員会の審査に基づき、多様化する区民ニーズへの柔軟かつ迅速な対応や、質の高い区民サービスの提供について、具体的な提案がなされているかなどの視点に立って、選定が行われたところです。
 指定管理者がスポーツ施設の管理運営を行うことにより、民間事業者が持つノウハウやアイディアを活用した、新たなサービスが実施され、区民スポーツの一層の活性化と区民の健康増進が図られるものと考えます。さらには、東京二〇二〇(にいぜろにいぜろ)オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた、気運醸成にも寄与するものと期待いたします。

 六 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案十件、契約案件二件、その他議決事項三件、指定管理者の指定案件三件、報告案件一件をご提案しております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。