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【更新日】平成29年6月9日

平成29年第2回区議会定例会での発言

(6月9日(木曜日)、第2回区議会定例会本会議で述べた長谷部健区長の発言を掲載します。)

本日ここに平成二十九年第二回渋谷区議会定例会を招集し、提出議案についてご審議をお願いすることとなりました。
この機会に、当面する区政の課題についてご説明申し上げ、区議会及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

一 六月四日、「渋谷おとなりサンデー」がスタートしました。食事会に限らず、スポーツ、音楽などの様々な会が開かれ、また、近隣住民だけでなく、多くの企業や団体が参画し、楽しい語らいの中で多くの方々に一日を過ごしていただきました。
 高齢者の孤独死をきっかけにパリで始まった「隣人祭り」にヒントを得た新たな取組ですが、コミュニティの活性化に向け、ダイバーシティ・渋谷らしい、誰もが気軽に参加できるお祭りとして、ぜひ定着してほしいと思います。そのため、専用ホームページの充実や地域人材の発掘・育成など、支援をしてまいります。

二 区政の喫緊課題である待機児童対策については、本年四月、認定こども園・一園、認可保育園・四園の開設に加え、既存施設の定員拡大等により、五百五十人の定員増を行いました。四月時点での待機児童数は二百六十六人、前年比四十九人減と四年ぶりに減少しましたが、依然として多くの待機児童が発生しています。
 そこで、平成二十九年度においても、十月に代々木公園内に国家戦略特区を活用した認定こども園を開設するほか、代々木四丁目に小児科併設の病児保育室と医療的ケアが必要な重症心身障害児などの保育を行う施設が一体となった認可保育園を、また、上原地区に区内初となる小規模保育施設の開設など、四園・二百六十人規模の定員拡大を図ります。
 あわせて、七月から、待機児童の居宅にベビーシッターを派遣する居宅訪問型保育事業を開始します。
 入所申込者数が増加している中、現状を厳しく受け止め、さらに対策のスピードを加速させるため、三十年度には六百人規模の定員拡大も予定しています。これらの計画が確実に実現できるよう、引き続き区議会と連携し、取り組んでまいります。

三 次に、教育についてです
(一)子どもたちに未来を生き抜く力を身に付けさせることは、教育に課せられた責務です。子どもたちは、一人ひとりが違う個性をもった唯一無二の存在であり、これからは、その一人ひとりの可能性を見い出し、最大限に伸ばす教育が不可欠です。だからこそ、私は、教育においても、違いをもった子どもたちそれぞれを伸ばす多様な教育の場をつくること、すなわち、「教育のダイバーシティ化」が重要だと考えています。
 その実現に向け、この四月に、区内四校目の特別支援教室・巡回指導拠点校・中幡小学校「やまぶき学級」を開級したほか、区内六校目となる特別支援学級・知的障害固定学級を鳩森小学校に開級すべく準備を進めています。
 また、これまで調査研究を進めてきた特別な才能を持つ、いわゆる「ギフテッド」と呼ばれる子どもたちに対する教育方法等についても、東京大学先端科学技術研究センターと連携して、新たな教育システムを構築し、九月から実施したいと考えています。渋谷区が他の自治体に先駆け、子どもたちの才能をさらに伸ばし、将来につながる学びが展開できる新たな特別支援教育の扉を開(あ)けたいと思います。
 さらに、「性的マイノリティ」への対応については、今年度から、新たに学校にLGBT当事者を派遣し、教職員が直接お話をうかがう研修を開始します。保護者や児童・生徒も参加が可能であり、今後も、教育委員会と区長部局とが連携することで、一層実効性が高まることを期待しています。
(二)ICT教育については、区立小中学校全児童・生徒に一人一台のタブレットを配布し、持ち帰り学習を可能にするほか、新たな校務支援システムの導入により教員の校務負担を軽減し、教員が子どもたちに向き合う時間を確保するなど、質の高い教育を実現するため、九月実施に向け、準備を進めています。
 最新のテクノロジーを活用したICT教育は、特別支援教育においても、大きな効果を発揮できると考えています。IT関連企業が多く、官民一体となったICT教育が推進できる本区ならではの恵まれた環境を活かし、「渋谷モデル」を創造するだけにとどまらず、それが学習面と校務支援が統合された「全国の標準モデル」となるよう、取り組んでまいります。
(三)区民の健康づくりを推進し、生涯スポーツ活動の振興を図る上で、区立スポーツ施設が担う役割には、大きいものがあります。
 そこで、成功事例を参考に、多様化する区民ニーズに柔軟かつ迅速に対応するとともに、施設を最大限に活用し、効率的で効果的なサービスが提供できるよう「指定管理者制度」を導入する条例改正案を本定例会にご提案しております。
 対象は、スポーツセンター、代々木西原公園庭球場、代々木大山公園運動場、二子玉川区民運動施設の四施設で、平成三十年四月から、選定された指定管理者による管理運営を行うものです。
 これにより、民間事業者等が持つノウハウやアイディア、専門性などの活用が可能となり、例えば、専門指導員による多彩なスポーツ教室の開催や新たな施設利用方法等を検討し、利用者の増加を図るなど、区立スポーツ施設の魅力や使いやすさをより一層向上させることが期待できるものと考えています。

四 次に、新宮下公園等整備事業についてです。
(一)本区では、老朽化し耐震性に課題のある宮下公園と公園の下にある都市計画駐車場とを一体的に再開発する「新宮下公園等整備事業」を計画し、事業者との基本協定締結や新たな公共財産の活用方法としての定期借地権の設定について、区議会のご議決をいただき、事業を進めているところです。
 宮下公園については、この三月二十七日に、供用停止し、公園周辺の仮囲いを実施しましたが、この機会に、改めて経緯等のご説明をさせていただきます。
 本区では、これまでホームレス支援策として、生活保護の相談を行うとともに、生活保護の対象となる前の段階から住まいを確保することを優先し、提供する「ハウジングファースト事業」をはじめ、様々な福祉的対応を、福祉部、土木清掃部などが連携協力して、丁寧かつきめ細かに、継続的に取り組んでまいりました。その結果、宮下公園の敷地には、昨年六月には約二十五人のホームレスが起居していましたが、平成二十九年三月二十七日の時点でシェルターやアパートへの入居が完了いたしました。
 一方、宮下公園は、平成二十三年四月のリニューアル・オープン以来、スポーツ施設への夜間侵入による事故等を防ぐことを目的に、二十四時間安全に管理するため、夜間閉鎖するかたちで適正な維持管理を図っており、公園として利用されているエリアに常時起居するホームレスはいませんでした。
 ところが、昨年九月頃よりホームレス支援団体と称する団体等が、門扉の閉鎖妨害や、個人所有の荷物を公園内に長期間放置したり、許可なく小屋などの不法工作物を設置するといった、渋谷区としても、公園の一般利用者や公園周辺の住民としても、断固として認められない行為が続きました。
 七年前の宮下公園リニューアル時の執拗な妨害行為や昨年の新国立競技場建設のための明治公園閉鎖に伴う同様の妨害行為等を鑑(かんが)みますと、今後の「新宮下公園等整備事業」の工事に備えて行う既存施設や埋設管の状況の調査等に対しても、継続的な妨害行為が予想されました。このような状況において、公園管理者として、公園利用者や歩行者の安全を確保し、公園を適正に管理するためには、公園の供用停止及び仮囲いが必要であると判断し、作業を実施したものです。
 今回の作業に際しては、ホームレス支援を標榜(ぼう)する人が、作業の安全のために警備にあたっていた警備員や要請により駆けつけた警察官などに暴力的な行為を行い、その結果身柄を拘束されるなど、残念ながら、平穏な話し合いは、非常に困難な状況でした。重ねて申し上げますが、これらの人々は、従前から宮下公園に継続して起居していた訳ではありません。
 なお、宮下公園の近隣の多くの公園においては、夜間閉鎖は実施しておらず、公園の夜間利用は可能としています。宮下公園の利用者の皆様には、やむを得ず公園を閉鎖することになり、ご不便をおかけしておりますが、東京2020(にいぜろにいぜろ)オリンピック・パラリンピックの開催までに、新たな施設が完成するように努めてまいりますので、ご理解とご協力を賜りたいと存じます。
(二)現在、宮下公園敷地においては、制服警備員等による警備・管理体制のもと、不法に設置された工作物などを所有者の了解を得て解体・撤去したり、不要となった機材・什器等の撤去・廃棄、既存施設や埋設管の調査など、「新宮下公園等整備事業」の工事に備えた準備作業を日々行っております。
 今後は、具体的な施設計画ができましたら、区議会及び近隣住民をはじめとする関係の皆様方にもお示しして、ご意見をうかがいながら、解体、着工と手続を進めてまいります。
 また、現在、美竹公園などにも数人のホームレスがいますが、引き続き、ケースワーカーからの声かけ、生活保護の案内、ハウジングファースト事業など、福祉的視点からの支援をしっかりと行っていきたいと考えています。

五 次に、猿楽橋についてです。
 JR山手線・埼京線の渋谷駅と恵比寿駅の間にある猿楽橋は、都市計画道路補助第二十号線(いわゆる八幡通り)がJR線を跨(また)ぐ跨(こ)線橋であり、周辺の地域にとって重要な交通インフラとしての役割を担っています。しかし、昭和九年の供用開始から八十年以上を経ており、安全性に直ちに問題が生じている訳ではないものの、竣工当時に比べ、車両の大型化や通行台数の増加、さらには、橋梁(りょう)の経年劣化、大規模補強工事の未実施等により、今後の対応を検討する必要が生じていました。
 そこで昨年度より、橋梁(りょう)の専門家を交(まじ)えた「猿楽橋検討会」に検討をお願いしておりましたが、この三月に「検討会のまとめ」の報告をいただき、「猿楽橋等整備方針」を策定しました。
 整備方針としては、今後の検討の方向性として、「全ての構造物の架(かけ)替え(建替え)を検討すること」としています。
 これらの内容については、区議会にご報告申し上げるとともに、地域関係者にご説明してまいります。
 今後も、引き続き「猿楽橋検討会」を開催し、当面の安全対策とともに、将来への対策としての「基本計画」について、検討してまいります。

六 以上、当面の課題について申し上げましたが、本定例会には、条例案五件、補正予算案二件、契約案件三件、その他議決事項一件、人事案件三件、報告案件六件をご提案しております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。